課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「人と地球に愛される企業を目指します。」の経営理念のもと、健全な企業活動の成果を消費者・従業員・投資家・取引先等に還元し、社会的責任を果たします。

「人と自然を、おいしくつなぐ」をコーポレート・メッセージとし、笑顔がおいしい食シーンのお手伝いをすることを使命と考えています。

また、幅広い食材の提供、さらには「食」にかかわるすべての事業が私たちの事業領域と考えます。「食」にかかわるすべてのシーンでのおいしさ、栄養、そして楽しい語り合い(テーブルコミュニケーション)に、私たちの事業機会を広げていきます。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、収益力の観点から売上高経常利益率を、株主重視の観点から自己資本利益率(ROE)を指標として捉え、これらの基調的な改善に努めています。

 

(3)経営環境

当連結会計年度における食品業界は、新型コロナウイルス感染症拡大による内食需要の増加や健康志向の高まりが継続するとともに、ワクチン接種の進展等により外食需要も回復基調にありました。一方で原材料価格等の高騰による製品価格の改定が続きました。

当社グループにおいては、コロナ禍での内食需要の増加が一服したことから、家庭用製品の販売は横ばいでしたが、業務用製品の販売は、コンビニエンスストア向けや各種給食の需要が順調に回復したこと等により増加しました。さらにペット市場の拡大によりペットフードが伸長し、売上高は増加しました。

 

(4)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

国内では人口減少などの社会問題がさらに顕著になり、世界的には海洋・森林資源等の環境問題が深刻化しています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、消費者の意識や生活スタイルは大きく変化しました。毎日の暮らしに直結する食品、特に長期保存が可能な缶詰や加工食品への消費者の期待は増し、当社グループの果たすべき役割も大きくなると考えます。

当社は2021年に創業90周年を迎え、創業100周年に向けての目標と2021~2023年度の中期経営計画『Challenge for 100th!』を発表しました。直近では、原材料費や物流費等の製造コストの上昇が懸念され、当社グループを取り巻く環境は今後さらに厳しくなることが予想されます。

中期経営計画の2年目となる次期(2023年3月期)は、先述のとおり大変厳しい事業環境となる見込みですが、環境の変化に柔軟に対応し、中期経営計画の目標の達成とサステナビリティ活動を推進し、持続可能な社会の実現への貢献を通して信頼されるブランド、更なる企業価値の向上に努めます。

 

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<創業100周年に向けての目標>

 

目標①:信頼感・安心感のある「はごろも」ブランドの確立→キッチンで最も愛されるブランドを目指す

◇缶詰・レトルトパウチ分野でシェア№1を獲得する

◇安全・安心な製品の安定供給という社会的な責務を果たすとともに、資源の有効活用、環境保全、社会貢献にも積極的に取り組み、信頼されるブランドを育てる

目標②:自信・働き甲斐・生き甲斐の持てる会社を実現

◇自らの成長と、豊かで魅力ある生活を実現することができる環境を整備する

◇多様な従業員が協力・協業する中で、新たな価値を生み出す魅力ある職場を創出する

 

2021年4月からの3年間は、創業100周年に向けたキックオフの3年であると考えます。次のとおり、中期経営計画では4つの基本方針に沿って、その実現に向けた様々な取り組みを推進していきます。

 

 

<中期経営計画>

名称:Challenge for 100th!“もっと美味しく、もっと便利に、もっと優しく

期間:2021年4月1日~2024年3月31日

 

基本方針:

◇「もっと美味しく、もっと便利に、もっと優しく」をコンセプトに既存事業の深耕と、新事業および製品開発の推進

・新分野、新素材、新技術を含めた新製品開発の推進

・シェア№1製品の育成と強化

・不採算製品の改良、および不採算カテゴリーの改善と整理

◇自信を持ったモノづくりと安定供給を実現するための設備と人財への積極的な投資の推進

・自信を持った製品づくりのための積極的な人財育成、設備投資

・製品の安定供給のための強固なネットワークづくり

・DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

◇自信と誇りを持って働ける職場・会社づくりの推進

・一人ひとりが活き活きと活躍できる人事および福利厚生制度の構築

・働き方改革の推進

・「安全・安心」な職場環境の整備

◇一企業市民として、公正な経営を目指すとともに、社会貢献活動や環境問題への取り組みを強化し、「もっと優しい」会社を目指す

・持続可能な開発目標(SDGs)への積極的な取り組み

・リスクマネジメントおよびBCP(事業継続計画)体制の強化

・一企業市民としてのコンプライアンス体制および社会貢献活動の強化と推進

・環境問題への積極的な取り組み

 

<サステナビリティ活動>

当社は、従来から環境に配慮した製品で事業を営んでおり、安全・安心な食品を安定的にお客様にお届けすることを通して、すべての人の健康と笑顔のお手伝いをすることが企業理念の実践であり、またそれが当社のサステナビリティ活動であると考えます。

当社のサステナビリティ活動を、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のワークフローに沿って取り組むことで、社会的な課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、当社の継続的な成長を目指します。

 

サステナビリティ重点課題

2023年度末までの取り組み事項と定性目標を策定しました。なお、従来から取り組んでいる事項についても並列して記載しています。

◇シーチキンの原料であるマグロ・カツオを守る ~豊かな海洋資源を持続可能に~

・シーチキン原料の100%使用(マグロ・カツオ)

・持続可能な漁法で漁獲した原料の使用推進

・プラスチック包装資材の使用削減

・ツナ代替原料を使用した製品の拡大

◇持続可能な容器・包装資材の使用推進 ~人と地球にやさしい製品づくり~

・再生可能資源を使用した容器(缶詰)の継続的な使用推進

・FSC認証資材の使用推進

・容器包装資材の廃棄削減

◇食品ロス削減 ~自然の恵みを大切にする~

・賞味期間表示の変更(賞味年月日から賞味年月へ)

・賞味期間のさらなる延長

・自社の産業廃棄物排出量の削減

・自社の食品リサイクル率(再生利用率)100%

・賞味期限は「おいしいめやす」啓蒙活動

・適量製品の開発

・フードバンク等への製品寄贈

 

◇エネルギー・水リスクへの対策 ~地球のためにできること~

・自社のエネルギー消費量の削減

・自社の二酸化炭素排出量の削減

・自社のプラントでの水使用量の削減

・二酸化炭素排出量のより少ない資材の使用

・モーダルシフトの推進

・営業車の削減・二酸化炭素排出量の少ない車両への切替

・クールビズ・ウォームビズの推進

◇環境保全活動への取り組み ~美しい地域を守るために~

・工場排水の削減

・自社の紙使用量の削減(ペーパーレス)

・地域の清掃活動への参加

・環境社会検定(eco検定)の推奨

◇自信・働き甲斐・生き甲斐の持てる会社の実現 ~ともに働く仲間のために~

・多様な働き方の提案

・「健康経営優良法人」の取得

 

今後も、お客様はもとより、株主・取引先・地域社会そして従業員を含め、すべてのステークホルダーの皆様から信頼され、愛される企業を目指し、事業活動に取り組んでいきます。

 

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