業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況

 の概要は次のとおりであります。

 ① 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用が断続的に継続し厳しい状況が続きました。また世界的な原材料・資源価格の高騰やロシア・ウクライナ情勢の緊迫化により、ますます予断を許さない状況となっております。

食品・外食業界におきましては、節約志向が根強い市場環境の下で、人手不足や働き方改革を背景とした人件費上昇などにより収益の圧迫が続く中、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しております。原材料価格、物流コストの上昇は続いており、経営環境は大変厳しく、また先行きの不透明感も増してきております。

 このような経営環境の中で、当社は経営理念としている「食と食の文化を通じてお客様に満足と幸せを提供する」ことを一貫して追い求め、「食の安全・安心」を第一に掲げて、「“おいしい”で世界をつなぐ」をミッションに、業績の向上と財務体質の改善を図り、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。

 この結果、当事業年度の売上高は15,458百万円、営業利益は538百万円前期比7.8%増)、経常利益は998百万円前期比62.7%増)、当期純利益は641百万円前期比155.3%増)となりました。また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用し、食品事業における特定の委託生産取引に関連する製品売上高の計上を総額から純額に変更しているため、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、売上高については、対前期比増減率は記載しておりません。なお、営業利益以下に与える影響はございません。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

 食品事業

食品事業における主要取引先である外食業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受け、依然として停滞状況にあります。秋口以降、一旦持ち直しの兆しをみせたものの、前述の通りの感染再拡大や資源価格の高騰により、先の見通しが立ちにくい状況が続いております。一方、食品スーパー・生協・通販等の一般家庭用は、コロナ禍におけるライフスタイルの変化、更には家庭内での調理機会の増加によって、販売が堅調に推移いたしました。

このような状況の中、当社は家庭用需要の更なる取り込み策として、スーパー惣菜、ベーカリー市場の強化、家庭用冷凍ピザの新商品発売等、積極的に家庭用市場の開拓を進めてまいりました。一昨年の4月に稼働した千葉工場の新ナンラインが、コロナ禍における家庭消費の増加を上手く捉え、主力の「手のばしナン」の販売機会を逸することなく、お客様にお届けしております。また、昨年12月より稼働開始した多摩工場のホットプレスラインは、同工場のピザ用生地を中心に生産することで、物流コスト削減に大きく寄与しました。輸入品販売においては、北欧リトアニアの海外パートナー企業との連携を深めヨーロッパの本格的な冷凍パンの販売を強化するとともに、アメリカ産冷凍チーズの販売も積極的に推進いたしました。

販売管理面では、売上規模に見合った在庫水準の適正化や、物流効率化の取り組み等を引き続き進めております。

この結果、当事業年度の売上高は13,123百万円セグメント利益は1,573百万円(同5.0%減)となりました。また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用し、特定の委託生産取引に関連する製品売上高1,590百万円の計上を総額から純額に変更しているため、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、売上高については、対前期比増減率は記載しておりません。なお、セグメント利益に与える影響はございません。

 

 外食事業

外食事業におきましては、大手企業をはじめとしたリモートワークの拡大等に、都心部におけるオフィス立地型店舗における会食や宴会の減少も加わり、新型コロナウイルス感染症の動向が売上収益を左右する大変厳しい経営環境となっております。さらに政府や各自治体からの緊急事態宣言の発令及びまん延防止等重点措置の適用に係る各種要請等により、営業自粛や営業時間短縮等に伴う客数の減少が断続的に続きましたが、各自治体による協力金制度の下支えもあり、厳しい経営環境にはわずかながら改善がみられました。

このような環境の中、当社は引き続き感染拡大防止を徹底しつつ、人員配置の最適化や在庫管理、家賃の減免等、徹底したコストコントロールを実施するとともに、不採算店舗を中心とした退店により強固なコスト構造への転換を進め、新型コロナウイルス感染症による売上減少に対応できる体制を構築してきました。

また、需要が高まっているテイクアウトブランドは「京鳥」「おめで鯛焼き本舗」を当社における成長ドライバーとして位置づけ、業態の磨きこみを行ってまいりました。具体的には「京鳥」では大手百貨店や駅ナカへの積極的な催事出店を展開、「おめで鯛焼き本舗」ではテレビ取材や新規出店によりブランド名およびオリジナル商品の認知拡大に繋がりました。

当事業年度におきましてはアフターコロナを見据えた新業態を含めた出店と、早期業績回復を目的とした不採算店舗の閉店を積極的に実施しました。新業態として当社初のメーカーアンテナショップ「デルソーレSHOP」を出店、レストラン業態では「ポポラマーマ」1店舗を出店しました。テイクアウトブランドでは、鯛焼きブランド「おめで鯛焼き本舗」2店舗を出店する一方、2店舗を閉店し、焼き鳥・惣菜ブランド「京鳥」1店舗を閉店しました。デリバリーブランドでは「上海エクスプレス」1店舗、「菱膳」4店舗の計5店舗を閉店しました。

この結果、当事業年度の売上高は2,345百万円(前期比5.4%減)、セグメント利益は59百万円(前期はセグメント損失536百万円)となりました。

 

 ② 財政状態の状況

  (資産の部)

当事業年度末における総資産は、前事業年度末と比べ30百万円減少し、10,629百万円となりました。これは主に、流動資産が188百万円増加した一方、投資その他資産が114百万円減少したこと等によるものです。

(負債の部)

当事業年度末における負債は、前事業年度末と比べ575百万円減少し、4,663百万円となりました。これは主に、借入金が580百万円減少したこと等によるものです。

(純資産の部)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末と比べ545百万円増加し、5,966百万円となりました。これは主に、利益剰余金の配当金の支払による減少があった一方で、当期純利益の計上による増加があったことによるものです。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、1,597百万円と前年同期と比べ623百万円(64.0%)の増加となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前事業年度と比べ1,353百万円増加し、1,637百万円となりました。
 これは主に、税引前当期純利益が578百万円増加したこと、法人税等の支払額又は還付額が7百万円の還付となったこと(前期は320百万円の支払)等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、前事業年度と比べ39百万円減少し、343百万円となりました。
 これは主に、その他が68百万円減少したこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、前事業年度と比べ353百万円増加し、671百万円となりました。
 これは主に、短期借入金の純増減額が400百万円の純減となったこと等によるものです。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
 当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 

  ④ 生産、受注及び販売の実績

   a.生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

食品事業

7,632,849

△12.7

 

(注) 金額は、製造原価によっております。

 

    b.受注実績

食品事業ではピザの一部について受注生産を行っておりますが、受注から納品までの期間が極めて短期で受注残高としては僅少であり、受注実績と販売実績がほぼ同額となりますので、受注状況の記載は省略しております。

 

  c.販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

食品事業

13,112,574

△7.3

外食事業

2,345,578

△5.4

合計

15,458,153

△7.1

 

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社日本アクセス

2,454,798

14.8

2,438,063

15.8

株式会社ドミノ・ピザジャパン

2,138,779

12.9

1,878,040

12.2

株式会社シジシージャパン

1,787,681

10.8

233,117

1.5

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  a.経営成績の分析

経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

 

  b.キャッシュ・フローの分析

   キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」

  に記載しております。 

 

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