業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  (1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスの変異株(オミクロン株)の感染拡大により、欧米における景気回復が制約を受けたほか、中国においては一部地域で活動制限が実施され、国内においても先行き不透明な状況が続くなど、引き続き大きな影響を受けました。また、景気回復期待・供給制約から資源価格が上昇基調に転じ、インフレ懸念・市場金利の上昇が顕在化した中で、地政学的リスクの高まりにより、コモディティ・為替市場にも更なる不安定要因がもたらされる結果となりました。

 かかる環境下、即席めん業界においては、新型コロナウイルス感染症拡大以降、生活様式・働き方の変化と相まって、即席めんの製品特徴である簡便性や保存性、相対的な価格の手頃感などが世界的に改めて見直され、多くの地域で需要が増加し、世界総需要は過去最高となりました。

 こうした中で、当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」に基づき、ビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。

 

a. 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ198億92百万円増加し、6,834億23百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ32億62百万円減少し、2,388億32百万円となりました。

 当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ231億55百万円増加し、4,445億90百万円となりました。

 なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。

 

b. 経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上収益では前期比12.6%増の5,697億22百万円となりました。利益面では、既存事業コア営業利益(注1)は前期比5.4%減の495億59百万円、営業利益は前期比16.1%減の466億14百万円、税引前利益は前期比12.5%減の491億82百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比13.3%減の354億12百万円となりました。

 また、為替変動による影響を除くと、売上収益では前期比10.2%増の5,579億14百万円、既存事業コア営業利益は前期比7.0%減の487億13百万円となりました。(注2)

 なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。

 

(注1)既存事業コア営業利益とは、営業利益から新規事業にかかる損益および非経常損益としての「その他収支」

を控除したものであり、中長期成長戦略上、2022年3月期以降、積極的かつ継続的な先行投資を予定する新規

事業にかかる損益を分離し、その成長投資の基盤となる既存事業の実質的な成長を測定することを目的に採用

している指標であります。

(注2)2022年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。

 

     <連結業績>

 

 

 

(単位:百万円)

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

対前期比

自 2020年4月1日

至 2021年3月31日

自 2021年4月1日

至 2022年3月31日

金額

売上収益

506,107

569,722

63,615

12.6

既存事業コア営業利益

52,382

49,559

△2,823

△5.4

営業利益

55,532

46,614

△8,917

△16.1

税引前利益

56,233

49,182

△7,050

△12.5

親会社の所有者に

帰属する当期利益

40,828

35,412

△5,415

△13.3

 

 

 

   報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「菓子・飲料事業」に含まれていた「飲料事業」について、従来の「低温事業」と合わせて「低温・飲料事業」とし、「菓子事業」については独立した報告セグメントとして記載する方法に変更しております。

  以下の前期比較は前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

  (日清食品)

 日清食品㈱の販売状況は、カップめん類が売上を伸ばし、前期比で増収となりました。カップめん類では、2022年3月にチリトマトフレーバーが加わったおいしさそのままで高たんぱく&低糖質の「カップヌードルPRO」シリーズ、濃厚な味わいの旨辛スープとぶっかけ焙煎唐辛子がクセになる「カップヌードル辛麺」の売上が引き続き好調に推移したほか、カップヌードルは混ぜるとウマイをコンセプトに既存のフレーバー同士を合体させたカップヌードル発売50周年記念商品「カップヌードルスーパー合体」シリーズも大きく売上に貢献しました。また、2022年3月に発売した“すべてが主役”のこだわり抜いた「最強どん兵衛」も売上に大きく貢献し、前期比で増収となりました。袋めん類は「日清ラ王」シリーズが売上を伸ばしましたが、前期比では減収となりました。カップライス類は、「日清カレーメシ」シリーズが引き続き好調で売上に貢献し増収となりました。利益面は、売上の増加による利益の増加がありましたが、設備更新に伴う減価償却費の増加、原材料価格の上昇等により減益となりました。

 この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上収益は、前期比2.5%増の2,107億83百万円、コア営業利益(注3)は、前期比4.4%減の305億76百万円、営業利益は、前期比4.2%減の308億39百万円となりました。

 

  (明星食品)

明星食品㈱の販売状況は、袋めん類は主要ブランドの「明星 チャルメラ」が「宮崎辛麺」や「もやしが超絶うまいまぜそば」の好調もあり伸長したほか、「明星 麺神」も売上に貢献し、前期比で増収となりました。カップめん類においても「酸辣湯麺」が好調の「明星 中華三昧」や、「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」が堅調に推移したほか、2022年2月に発売した「明星 濃いぜ!一平ちゃんBIG」も貢献し、前期比で増収となりました。利益面では、売上の増加、広告宣伝費の減少等による利益の増加がありましたが、原材料価格の上昇、減価償却費の増加等により、前期比で減益となりました。

 この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上収益は、前期比1.0%増の379億20百万円、コア営業利益(注3)は、前期比22.8%減の24億7百万円、営業利益は、前期比23.2%減の24億45百万円となりました。

 

  (低温・飲料事業)

 チルド事業は、日清食品チルド㈱の主力ブランド「行列のできる店のラーメン」を中心に、「まぜ麺の達人」や「有名店シリーズ」などのラーメン群の売上が堅調に推移したため、前期比で増収増益となりました。

 冷凍事業は、日清食品冷凍㈱の主力商品である「冷凍 日清中華 汁なし担々麺 大盛り」をはじめとして、「冷凍 日清本麺」、「冷凍 日清まぜ麺亭」、「冷凍 日清もちっと生パスタ」の各シリーズが順調に売上を伸ばし、前期比で増収となりました。利益面では、原価率の上昇により前期比で減益となりました。

 飲料事業は、日清ヨーク㈱の主力ブランド「ピルクル」が乳酸菌数を150億個から400億個に増やし「ピルクル400」として発売し好調に推移したものの、前年度コロナ禍での需要アップの反動やコロナ禍におけるCVS(コンビニエンスストア)での売上低迷により、ほぼ前年並みながらわずかに前期比で減収となりました。また、利益面では前年度コロナ禍での需要アップの反動、広告宣伝費等の増加によりほぼ前年並みながら前期比でわずかに減益となりました。

 この結果、報告セグメントにおける低温・飲料事業の売上収益は、前期比4.1%増の808億67百万円、コア営業利益(注3)は、前期比4.4%減の32億70百万円、営業利益は、前期比5.0%減の34億44百万円となりました。

 

  (菓子事業)

 菓子事業は、2020年4月の緊急事態宣言後に起きた需要の増加の反動があったものの、日清シスコ㈱の「ごろグラ」シリーズが好調に推移、新カテゴリーの「日清シスコのホットシリアル」も順調に拡大したほか、ぼんち㈱も「海鮮揚煎」シリーズをはじめとした主力商品が好調に推移しました。また、60周年記念商品「KOIKEYA The」シリーズなどを展開し高付加価値経営を推進する㈱湖池屋は、2020年12月の連結子会社化により当期12カ月分の経営成績が反映されたこともあり(前期は4カ月分)、前期比で増収増益となりました。

 この結果、報告セグメントにおける菓子事業の売上収益は、前期比68.0%増の690億31百万円、コア営業利益(注3)は、前期比23.3%増の31億58百万円、営業利益は、前期比25.3%増の32億57百万円となりました。

 

  (米州地域)

 米州地域においては、既存商品の収益力向上に加え、新たな需要の創造に向けた付加価値商品の提案強化や導入推進に取り組んでおります。

 売上については、ブラジルでは新型コロナウイルス感染症拡大の影響による内食需要増に加えて積極的な営業・マーケティング施策を実施し、更なる間口・奥行きを獲得しました。主力商品「Nissin Lamen」や「CUP NOODLES」の販売も引き続き好調に推移し、売上増に貢献しました。米国においても、引き続き高い即席めん需要が続く中、差別優位性を明確にした高価格帯商品の販売好調により、セグメント全体で増収となりました。

 利益については、主力商品や高価格帯商品の販売食数増、価格改定による販売単価増の増収効果もありましたが、継続する主要原材料、物流費及び人件費高騰が主要因となり減益となりました。

 この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上収益は、前期比23.2%増の873億28百万円、コア営業利益(注3)は、前期比27.2%減の29億46百万円、営業利益は、前期比26.0%減の29億95百万円となりました。

 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比15.0%増の815億40百万円となり、コア営業利益は、前期比32.8%減の27億17百万円となりました。(注4)

 

  (中国地域)

 中国地域においては、中国大陸での高付加価値商品市場が拡大しており、販売エリア拡大と中国版カップヌードル「合味道」のブランド強化に取り組んでおります。売上については、中国大陸でのカップヌードルブランド群の販売ボリューム増や2022年1-3月期における香港での新型コロナウイルス感染症の再拡大による需要増に加え、対円での現地通貨高による為替換算影響によって、前期比で増収となりました。利益については、原材料費の高騰を中国大陸での販売ボリューム増による増収効果により吸収し、前期比で増益となりました。

 この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上収益は、前期比15.2%増の554億78百万円、コア営業利益(注3)は、前期比10.9%増の61億46百万円、営業利益は、前期比4.8%増の60億39百万円となりました。

 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比5.2%増の506億78百万円となり、コア営業利益は、前期比0.8%増の55億86百万円となりました。(注4)

 

 また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内のその他事業並びに欧州地域、アジア地域を含んだ「その他」の売上収益は、前期比12.8%増の283億12百万円となり、コア営業利益(注3)は、前期比4.9%減の63億82百万円、営業利益は、前期比12.6%減の59億28百万円となりました。

 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比8.0%増の270億93百万円となり、コア営業利益は、前期比5.7%減の63億26百万円となりました。(注4)

 

(注3)コア営業利益とは、営業利益から非経常損益としての「その他収支」を控除したものであります。

(注4)2022年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。

 

     <報告セグメントの売上収益及びセグメント利益>

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

報告セグメント

売上収益

増減額

セグメント利益

増減額

2021年3月期

2022年3月期

2021年3月期

2022年3月期

日清食品

205,624

210,783

5,158

32,196

30,839

△1,357

明星食品

37,551

37,920

369

3,183

2,445

△738

低温・飲料事業

77,696

80,867

3,170

3,627

3,444

△183

菓子事業

41,091

69,031

27,939

2,600

3,257

657

米州地域

70,873

87,328

16,455

4,047

2,995

△1,051

中国地域

48,177

55,478

7,300

5,763

6,039

275

そ の 他

25,092

28,312

3,220

6,779

5,928

△851

合  計

506,107

569,722

63,615

58,198

54,950

△3,248

(注)セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、1,020億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ117億11百万円の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

自 2020年4月1日

至 2021年3月31日

自 2021年4月1日

至 2022年3月31日

営業活動によるキャッシュ・フロー

72,714

52,936

△19,778

投資活動によるキャッシュ・フロー

△26,528

△3,468

23,060

財務活動によるキャッシュ・フロー

△19,046

△44,449

△25,403

現金及び現金同等物に係る換算差額

2,991

6,692

3,701

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

30,130

11,711

△18,419

現金及び現金同等物の期首残高

60,163

90,294

30,130

現金及び現金同等物の期末残高

90,294

102,005

11,711

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は529億36百万円(前期比197億78百万円の資金の減少)となりました。これは主に営業債務及びその他の債務の増減額が90億30百万円、税引前利益が70億50百万円減少したことによるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は34億68百万円(前期比230億60百万円の資金の増加)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入が減少したことにより資金が48億95百万円減少したものの、投資の売却、償還による収入の増加により資金が203億64百万円、有形固定資産の取得による支出の減少により資金が75億44百万円増加したことによるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は444億49百万円(前期比254億3百万円の資金の減少)となりました。これは主に自己株式の取得による支出が146億59百万円、非支配株主への配当金の支払額が31億6百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が28億17百万円増加したことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

 前年同期比(%)

 

日清食品(百万円)

140,501

5.1

 

明星食品(百万円)

26,577

4.4

 

低温・飲料事業(百万円)

45,858

4.1

 

菓子事業(百万円)

70,246

104.6

 

米州地域(百万円)

66,497

21.5

 

中国地域(百万円)

37,156

12.8

 

報告セグメント計(百万円)

386,837

18.9

 

その他(百万円)

18,691

19.0

合計(百万円)

405,528

18.9

 (注)1 菓子事業が大きく増加したのは、2020年12月の(株)湖池屋の連結子会社化により当期12カ月分の経営成績が反映されたことによるものであります。(前期は4カ月分)

    2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

    3 セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

b. 受注実績

 重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。

 

c. 販売実績

    当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

 前年同期比(%)

 

日清食品(百万円)

210,783

2.5

 

明星食品(百万円)

37,920

1.0

 

低温・飲料事業(百万円)

80,867

4.1

 

菓子事業(百万円)

69,031

68.0

 

米州地域(百万円)

87,328

23.2

 

中国地域(百万円)

55,478

15.2

 

報告セグメント計(百万円)

541,409

12.6

 

その他(百万円)

28,312

12.8

合計(百万円)

569,722

12.6

 

 (注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 相手先

 前連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三菱食品㈱

73,380

14.5

75,589

13.3

2 菓子事業が大きく増加したのは、2020年12月の(株)湖池屋の連結子会社化により当期12カ月分の経営成績が反映されたことによるものであります。(前期は4カ月分)

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

4 セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

  (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績

 当連結会計年度の売上収益は、前期比12.6%増の5,697億22百万円となりました。

 国内においては、日清食品㈱を中心とした即席めん事業のコアブランドが順調に推移したのに加え、2020年12月に連結子会社化した㈱湖池屋の当期12カ月分の経営成績も寄与し、増収となりました。

 海外においては、価格改定による販売単価増や高付加価値商品の販売強化等により各地域で増収となりました。

 

 当連結会計年度の既存事業コア営業利益は、前期比5.4%減の495億59百万円となり、また当連結会計年度の営業利益は、前期比16.1%減の466億14百万円となりました。

 国内、海外ともに、増収効果があったものの資材価格の高騰等により減益となりました。

 

 当連結会計年度の税引前利益は、前期比12.5%減の491億82百万円となり、また当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比13.3%減の354億12百万円となりました。これらは主に、営業利益の減少によるものであります。

 

 なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載しております。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性

(キャッシュ・フローの状況)

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(資金の需要と調達)

 営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、企業価値向上に資する各種投資および配当を中心とする株主還元に優先的に配分を行っておりますが、一時的に資金が不足する場合には、必要に応じて、金融機関からの調達および保有資産の売却等によりキャッシュ・フローの確保を行っております。

 

 

(資金の流動性)

 当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、アンコミットメントベースの融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。

 

c. 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ198億92百万円増加し、6,834億23百万円となりました。

 これは主に非流動資産のその他の金融資産が158億83百万円減少した一方、現金及び現金同等物が117億11百万円、棚卸資産が67億36百万円、その他の流動資産が49億57百万円、営業債権及びその他の債権が47億62百万円増加したことによるものであります。

 

 負債は、前連結会計年度末に比べ32億62百万円減少し、2,388億32百万円となりました。これは主に非流動負債の借入金が66億9百万円減少したことによるものであります。

 

 資本は、前連結会計年度末に比べ231億55百万円増加し、4,445億90百万円となりました。これは主に利益剰余金が185億84百万円、その他の資本の構成要素が110億4百万円増加したことによるものであります。

 

 これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の57.9%から59.6%となり、1.7ポイント増加しました。

 

d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」を策定いたしました。

 ビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。

 「中長期成長戦略2030」では、持続的な利益成長に加え、効率的な資本活用、安全性ある負債活用、そして安定的な株主還元の4つをCSV経営上の中長期的経済価値ターゲットとして掲げ、非財務目標との同時実現を追求してまいります。「中長期成長戦略2030」の2021年度の実績数値は下表のとおりです。

 

価値区分

経営指標

中長期的目標

2022年3月期実績

(※直近実績)

財務

成長性

既存事業コア営業利益(注1)

成長率(為替一定ベース)

1桁台半ば

16.3%

効率性

ROE

長期的に10%

8.9%

安全性

純有利子負債/EBITDA倍率

≦2倍

△0.5倍

安定的株主還元

配当政策

累進的配当

1株当たり130円

(2021年3月期:120円)

相対TSR(TOPIX食料品対比)(注2)

>1倍

1.22倍

非財務

(注3)

有限資源の

有効活用

持続可能なパーム油の調達比率(注4)

100%

36%

※2021年1月~12月

水使用量(IFRS売上100万円あたり)

12.3㎥以下

11.3㎥

※2021年1月~12月

流通廃棄物削減率(15年度対比/日本国内)

△50%

△38.9%

※2020年4月~2021年3月

気候変動

インパクトの

軽減

CO₂排出削減(Scope1+2) (18度年対比)

△30%

2.7%

※2021年1月~12月

CO₂排出削減(Scope3) (18度年対比)

△15%

8.5%

※2020年1月~12月

(注)1 IFRS上の営業利益から、積極的な先行投資を予定する「新規事業に係る損益」および非経

     常損益としての「その他収支」を控除したNon-GAAPの重要経営管理指標

   2 相対TSR(TOPIX食料品対比)は、以下の算定式に基づき算出するものとします。

      0102010_008.jpg

A:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均

B:当事業年度の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均

C:当事業年度を含む過去3事業年度における1株当たり配当額の累計

D:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当 込み)の終値平均

E:当事業年度の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均

   3 非財務目標については、2030年度の目標値

   4 外部認証の活用および独自アセスメントによる

 

 

 

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