業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営者の視点による経営成績等の状況に関する主な注記は以下のとおりです。

 

(非GAAP指標について)

当社グループは、当社が適用する会計基準であるIFRSにおいて定義されていない非GAAP指標を追加的に開示し

ております。非GAAP指標は、当社グループが中長期的に持続的な成長を目指す上で、各事業運営の業績を把握するために経営管理にも利用している指標であり、財務諸表の利用者が当社グループの業績を評価する上でも、有用な情報であると考えております。

 

調整後営業利益

営業利益(損失)から買収に伴い生じた無形資産に係る償却費、調整項目(収益及び費用)を除いた調整後営業利益を開示しております。調整項目(収益及び費用)はのれんの減損損失、リストラクチャリング収益及び費用等です。

また、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率も追加的に開示しております。当社グループは、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中長期に亘る年平均mid to high single digit成長を全社利益目標としており、その達成を目指してまいります。為替一定ベースとは、海外たばこ事業における当期の自社たばこ製品売上収益又は調整後営業利益から、前年同期の為替レートを用いて換算・算出した為替影響及び一定の方法を用いて算出した一部市場のインフレに伴う売上又は利益の増加分を除いたものです。

なお、当社グループは、超インフレ経済下にある子会社の財務諸表について、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」(以下、IAS第29号)に定められる要件に従い、会計上の調整を加えておりますが、為替一定ベースの自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益にはIAS第29号の影響は含めておりません。

 

(自社たばこ製品売上収益について)

たばこ事業においては、自社たばこ製品に係る売上収益を開示しております。具体的には、国内たばこ事業においては、国内免税市場及び当社の中国事業部管轄の中国・香港・マカオ市場における売上収益並びにRRP・リトルシガー等に係る売上収益が含まれていますが、輸入たばこ配送手数料等に係る売上収益は含まれておりません。また、海外たばこ事業においては、水たばこ製品及びRRPに係る売上収益が含まれていますが、物流事業及び製造受託等に係る売上収益は含まれておりません。また、為替一定ベースのドルベースの自社たばこ製品売上収益の成長率も追加的に開示しております。

 

(RRPについて)

RRPは、加熱式たばこ及びE-Vapor製品等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品(Reduced-Risk Products, RRP)を指しております。

加熱式たばこは、たばこ葉を使用し、たばこ葉を燃焼させずに、加熱等によって発生するたばこベイパー(たばこ葉由来の成分を含む蒸気)を愉しむ製品です。

一方、E-Vapor製品は、たばこ葉を使用せず、装置内もしくは専用カートリッジ内のリキッド(液体)を電気加熱させ、発生するベイパー(蒸気)を愉しむ製品です。

当社グループは、たばこ事業の将来に亘る持続的な成長のため、イノベーティブな製品の開発等に取り組んでおります。

 

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。

(1)経営成績の状況

① 全社実績

(単位:億円)

 

2020年12月期

2021年12月期

増減率

売上収益

20,926

23,248

11.1%

調整後営業利益

4,870

6,104

25.4%

営業利益

4,691

4,990

6.4%

当期利益(親会社所有者帰属)

3,103

3,385

9.1%

 

<売上収益>

売上収益は、加工食品事業において減収となったものの、国内たばこ事業、海外たばこ事業及び医薬事業の増収により、前年度比11.1%増の2兆3,248億円となりました。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、たばこ事業においては、各国で渡航制限が続いており、免税市場における販売数量は、前年度と比べて増加しているものの、新型コロナウイルス感染拡大以前の水準には至っておりません。一方で、海外たばこ事業においては、渡航制限により複数市場で堅調な総需要が継続しています。また、加工食品事業においては、飲食店における営業自粛要請の影響等により、冷食・常温事業の外食向け製品の販売減少が継続しています。

 

<調整後営業利益>

為替一定ベースの調整後営業利益は、医薬事業において減少したものの、国内たばこ事業、海外たばこ事業及び加工食品事業での増加により、前年度比22.9%増となりました。為替影響を含めた調整後営業利益は、海外たばこ事業におけるポジティブな為替影響により、前年度比25.4%増の6,104億円となりました。

 

<営業利益>

営業利益は、たばこ事業運営体制強化に係る費用の計上及び2020年度に計上した本社移転に伴う旧JTビルの売却を主因とした不動産売却益の剥落等があったものの、調整後営業利益が増加したことにより、前年度比6.4%増の4,990億円となりました。

 

<親会社の所有者に帰属する当期利益>

親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の増益及び金融損益の改善等により、前年度比9.1%増の3,385億円となりました。

 

② セグメント別実績

 

〔国内たばこ事業〕

(単位:億本、億円)

国内たばこ事業

2020年12月期

2021年12月期

増減率

Combustible総需要(注1、2)

1,149

1,053

△8.4%

Combustible販売数量(注3)

687

622

△9.5%

RRP総需要(注4)

402

451

12.3%

RRP販売数量(注5)

39

46

17.2%

自社たばこ製品売上収益

5,157

5,198

0.8%

調整後営業利益

1,681

1,824

8.6%

 

<Combustible販売数量及びRRP販売数量>

Combustible総需要は、趨勢減、RRP市場の拡大及び定価改定等の影響を受け、前年度比8.4%減となりました。当社のCombustible販売数量は、総需要減少に加え、RRP製品への移行及びCombustibleシェアの減少により前年度比9.5%減となりました。Combustibleシェアは、RRP市場の拡大及びダウントレーディングによる低価格帯での競争継続により、前年度比0.7%ポイント減の59.1%となりました。

RRPの総需要は前年度比12.3%増の451億本となり、市場占有率は約30%となりました。当社のRRP販売数量は、RRP総需要の増加に加え、RRP新商品の投入により、前年度比7億本増加の46億本となり、RRPカテゴリーに占める当社のシェアは10.3%となりました。

Combustibles及びRRPを合わせた総需要、当社の販売数量及び当社のシェアは、それぞれ前年度比3.0%減の1,504億本、8.0%減の668億本、2.5%ポイント減の44.4%となりました。

 

なお、当年度におけるCombustibles及びRRPを合わせた国内での製造数量は、前年度に対し51億本減少し、683億本(前年度比6.9%減)となりました。

 

<自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益>

自社たばこ製品売上収益は、Combustible販売数量の減少影響等があったものの、Combustible単価上昇効果及びRRP関連売上収益(注5)の増加により、前年度比0.8%増となりました。RRP関連売上収益は、RRP販売数量の増加により、前年度比40億円増の598億円となっております。

調整後営業利益は、Combustible販売数量の減少影響があったものの、Combustible単価上昇効果及びRRP関連売上収益の増加により、前年度比8.6%増となりました。

 

(注1)製造受託/水たばこ/加熱式たばこ/無煙たばこ/E-Vaporを除く燃焼性のたばこ製品

(注2)Combustible総需要は、日本市場全体におけるCombustiblesの販売数量を指しております。なお、当該数

値にはリトルシガーを含み、RRP等は含まれておりません。

(注3)当該数値の他に、国内免税市場及び当社の中国事業部管轄の中国・香港・マカオ市場の当年度における販

売数量17億本(前年度の当該数量18億本)があります。なお、当該数値にはリトルシガーを含み、RRP等

は含まれておりません。

(注4)RRP総需要は、日本市場全体におけるRRPの販売数量(1パック当たりCombustibles20本として換算)を

指しております。なお、当該数値にはデバイス/関連アクセサリー等は含まれておりません。

(注5)RRP販売数量には国内免税市場における販売数量は含まれておりません。なお、RRP関連売上収益には

国内免税市場における売上収益及びデバイス・関連アクセサリー等に係る売上収益が含まれております。

(注6)総需要及びシェアは当社推計値です。

 

〔海外たばこ事業〕

(単位:億本、億円)

海外たばこ事業

2020年12月期

2021年12月期

増減率

総販売数量(注7)

4,357

4,602

5.6%

GFB販売数量(注8)

2,820

3,117

10.5%

自社たばこ製品売上収益

12,508

14,821

18.5%

調整後営業利益

3,409

4,544

33.3%

 

(単位:百万ドル)

海外たばこ事業

(参考:ドルベース)

2020年12月期

2021年12月期

増減率

自社たばこ製品売上収益

11,724

13,468

14.9%

(10.6%)

調整後営業利益

3,181

4,157

30.7%

(29.6%)

※()内は、為替一定ドルベース 前年度比増減率

 

<販売数量及び市場シェア>

総販売数量は、複数市場におけるシェアの伸長やポジティブな流通在庫調整影響に加え、複数市場において渡航者数及び不正取引が減少したことに伴い内需が拡大したことにより、前年度比5.6%増となりました。ポジティブに作用した流通在庫調整影響を除いた総販売数量は、前年度比4.6%増となりました。市場シェアは、すべての主要市場に加え、フィリピン等の様々な市場で伸長しました。

GFB販売数量は、ウィンストン(+10.1%)・キャメル(+24.1%)が牽引し、前年度比10.5%増となりました。

 

なお、当年度における製造委託を含めた海外での製造数量は、前年度に対し142億本増加し、4,618億本(前年度比3.2%増)となりました。

 

<自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益>

自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益は、ポジティブな数量効果、単価上昇効果及び為替影響等により、それぞれ前年度比18.5%増、33.3%増となりました。

 

為替影響を含めたドルベースの自社たばこ製品売上収益は、ポジティブな数量効果及び台湾・トルコ・ロシア等における単価上昇効果等により、前年度比14.9%増となりました。為替一定ベースでは、前年度比10.6%増となりました。

為替影響を含めたドルベースの調整後営業利益は、単価上昇効果及び数量効果等により、前年度比30.7%増となりました。為替一定ベースでは、前年度比29.6%増となりました。

 

〔海外たばこ事業 地域別内訳〕(注9)

海外たばこ事業における各地域の実績は以下のとおりです。

(単位:億本、億円、百万ドル)

 

2020年12月期

2021年12月期

増減率

South and West Europe

 

総販売数量(注7)

663

691

4.2%

 

GFB販売数量(注8)

557

588

5.7%

 

自社たばこ製品売上収益

2,194

2,451

11.7%

 

 

自社たばこ製品売上収益

(参考:ドルベース)

2,052

2,236

8.9%

(4.7%)

North and Central Europe

 

総販売数量(注7)

634

679

7.1%

 

GFB販売数量(注8)

333

379

13.7%

 

自社たばこ製品売上収益

2,720

3,127

15.0%

 

 

自社たばこ製品売上収益

(参考:ドルベース)

2,549

2,848

11.7%

(5.7%)

CIS+

 

総販売数量(注7)

1,222

1,262

3.3%

 

GFB販売数量(注8)

828

907

9.6%

 

自社たばこ製品売上収益

2,943

3,424

16.4%

 

 

自社たばこ製品売上収益

(参考:ドルベース)

2,755

3,116

13.1%

(14.8%)

Rest-of-the-World

 

総販売数量(注7)

1,838

1,970

7.2%

 

GFB販売数量(注8)

1,102

1,243

12.7%

 

自社たばこ製品売上収益

4,652

5,819

25.1%

 

 

自社たばこ製品売上収益

(参考:ドルベース)

4,367

5,268

20.6%

(13.6%)

※()内は、為替一定ドルベース 前年度比増減率

 

(注7)製造受託、水たばこ製品及びE-Vapor製品を除き、Fine cut tobacco、シガー、パイプ、スヌース、ク

レテック及び加熱式たばこを含めております。

(注8)当社グループのブランドポートフォリオの中核を担う「ウィンストン」「キャメル」「メビウス」

「LD」の4ブランドをGFB(グローバル・フラッグシップ・ブランド)としております。

(注9)当社グループの海外たばこ事業をより深く理解していただくために、当該セグメントを4地域(South

and West Europe、North and Central Europe、CIS+、Rest-of-the-World)に区分けしております。

South and West Europeにはフランス、イタリア、スペイン等、North and Central Europeにはドイツ、

英国等、CIS+にはルーマニア、ロシア等、Rest-of-the-Worldにはイラン、台湾、トルコ等を含んでおり

ます。

 

※ 当年度における米国ドルに対する為替レートは、以下のとおりです。

為替レート

2020年12月期

2021年12月期

増減

増減率

USD/円

106.76

109.90

3.14

2.9%安

USD/RUB

72.07

73.66

1.59

2.2%安

USD/GBP

0.78

0.73

△0.05

7.3%高

USD/EUR

0.88

0.85

△0.03

3.8%高

USD/CHF

0.94

0.91

△0.03

2.8%高

USD/TWD

29.47

27.94

△1.53

5.5%高

USD/TRY

7.01

8.84

1.83

20.7%安

USD/IRR(注10)

258,747

247,776

△10,971

4.4%高

 

(注10)IAS第29号に従い、超インフレ経済下にある子会社の財務諸表をUSDへ換算する際には、2020年12月末時点及び2021年12月末時点のレートを適用しております。また、USDから日本円へ換算する際も、同様のレートを適用しております。(2020年12月末時点:USD/円:103.50、2021年12月末時点:USD/円:115.02)

 

〔医薬事業〕

(単位:億円)

医薬事業

2020年12月期

2021年12月期

増減率

売上収益

790

804

1.8%

調整後営業利益

172

111

△35.4%

 

<売上収益及び調整後営業利益>

売上収益は、海外ロイヤリティ収入が減少したものの、当社連結子会社である鳥居薬品株式会社が増収となり、前年度比1.8%増となりました。

調整後営業利益は、研究開発費の増加及び鳥居薬品の減益等により、前年度比35.4%減となりました。

 

〔加工食品事業〕

(単位:億円)

加工食品事業

2020年12月期

2021年12月期

増減率

売上収益

1,493

1,472

△1.4%

調整後営業利益

△8

40

-

 

<売上収益及び調整後営業利益>

売上収益は、前年度に一時的に増加した冷食・常温事業の家庭用製品の需要が相対的に減少したことに加え、外食向け製品の販売減少等により、前年度比1.4%減となりました。

調整後営業利益については、前年度に計上したベーカリー事業における工場・店舗等の減損損失の剥落及び販管費低減等により40億円(前年度は8億円の損失)となりました。

 

(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況

① 財政状態の状況

〔資産〕

当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,928億円増加し、5兆7,742億円となりました。これは、現金及び現金同等物の増加があったことに加え、ポジティブな為替影響によるのれんの増加があったこと等によるものです。

〔負債〕

当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,062億円増加し、2兆8,881億円となりました。これは、海外たばこ事業において販売数量が増加したことに伴う営業債務の増加があったこと等によるものです。

〔資本〕

当連結会計年度の資本合計は、前連結会計年度末に比べ2,866億円増加し、2兆8,861億円となりました。これは、配当金の支払いがあったものの、在外営業活動体の換算差額の増加があったことに加え、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による利益剰余金の増加があったこと等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当年度末現在における現金及び現金同等物は、前年度末に比べ1,829億円増加し、7,217億円となりました(前年度末残高5,388億円)。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

当年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、5,989億円の収入(前年度は5,198億円の収入)となりました。これは、国内外におけるたばこ税及び法人税の支払いがあったものの、主にたばこ事業による安定したキャッシュ・フローの創出があったこと等によるものです。

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

当年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、975億円の支出(前年度は54億円の収入)となりました。これは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出があったこと等によるものです。

 

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

当年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、3,531億円の支出(前年度は2,974億円の支出)となりました。これは、社債の発行による収入があった一方で、社債の償還及び配当金の支払いによる支出があったこと等によるものです。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

当社グループは、国内たばこ事業、海外たばこ事業、医薬事業及び加工食品事業において広範囲かつ多種多様な製品の生産・販売を行っており、その品目・形式・容量・包装等は多種類であること、また主要な製品については受注生産を行っていないことから、各セグメントの生産規模及び受注規模を金額及び数量で表示することはしておりません。

このため生産、受注及び販売の実績については、「(1)経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。

 

なお、当社グループの売上収益総額に対する割合が100分の10以上の相手先に対する売上収益及びその割合については、以下のとおりです。

 

相手先

2020年12月期

2021年12月期

金額(億円)

割合(%)

金額(億円)

割合(%)

Megapolisグループ

2,108

10.1

2,584

11.1

 

(注)海外たばこ事業において、ロシア等で物流・卸売事業を営むMegapolisグループに対して製品を販売しております。

(4)重要な会計方針

① IFRSの適用

当社グループは、1999年にRJRナビスコ社から米国外のたばこ事業を取得、2007年にGallaher社を買収し、70以上の国と地域で事業を展開、また130以上の国と地域で製品を販売するグローバル企業として着実な成長を続けてきました。こうした中で、日本において国際的な財務・事業活動を行っている上場企業に対して、2009年度よりIFRSの任意適用が認められたことを踏まえ、当社グループは、2011年度よりIFRSを適用することとしました。これにより、当社グループは資金調達手段の多様化、経営管理面での品質向上を目指してまいります。

 

② 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断

当社グループの連結財務諸表は、収益及び費用、資産及び負債の測定並びに決算日現在の偶発事象の開示等に関する経営者の見積り及び仮定を含んでおります。これらの見積り及び仮定は過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。

見積り及び仮定は経営者により継続して見直しております。これらの見積り及び仮定の見直しによる影響は、その見積り及び仮定を見直した期間及びそれ以降の期間において認識しております。

上記のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」をご参照ください。

 

(5)目標となる経営指標について

当社グループは、経営理念である「4Sモデル」の追求による、中長期に亘る持続的な利益成長が最も重要であると考えております。持続的利益成長の基盤である事業そのもののパフォーマンスを計るためには、為替影響、一時的要因及び特殊要因を除くことが適切と捉え、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中長期に亘る年平均mid to high single digit成長を全社利益目標としております。

2021年12月期の為替一定ベースの調整後営業利益は、前年度比22.9%増と厳しい事業環境の中でも前年を上回りました。

2021年12月期の経営成績等の状況に関する分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に示しております。

全社利益目標の達成に向けた経営方針等の詳細については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

(6)経営成績等に重要な影響を与える要因

当社グループの海外たばこ事業の拡大に伴い、その寄与分につき、為替の変動が連結財務諸表に影響を与えております。2021年12月期においては、為替一定ベースの調整後営業利益は前年度比22.9%増となった一方、為替影響を含めた調整後営業利益は前年度比25.4%増となり、ポジティブな為替影響を受けました。2022年12月期においては、ネガティブな為替影響を想定しております。

当社グループは、為替リスクを緩和すべく、収入通貨と支払通貨を合致させるナチュラルヘッジの実施に努めております。また、一部の為替リスクに対しては、デリバティブ又は外貨建有利子負債等を利用したヘッジを行っております。

以上を含む、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」をご参照ください。

 

(7)財務活動の基本方針

当社グループの財務活動の基本方針は、以下のとおりです。

① グループ内キャッシュマネジメント

グループ全体の資金効率を最大化するため、法制度上許容され、かつ経済合理性が認められることを前提として、主としてキャッシュマネジメントシステム(CMS)によるグループ内での資金貸借の実施を最優先としております。

 

② 外部資金調達

短期の運転資金については、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー又はその組み合わせ、中長期資金については、金融機関からの借入、社債、株主資本又はその組み合わせにより調達することを基本としております。

安定的で効率的な資金調達のために、複数のコミットメント融資枠を設定する等、取引する金融機関と資金調達手段の多様性を維持しております。

③ 外部資金運用

外部資金運用においては、安全性と流動性を確保した上で、適切な収益を求め、また投機的取引を行ってはならないことを定めております。

 

④ 財務リスク管理

当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・市場価格の変動リスク)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。主要な財務上のリスク管理の状況については、定期的に当社の社長及び取締役会への報告を行っております。

また、当社グループの方針として、デリバティブは、実需取引のリスク緩和を目的とした取引に限定しており、投機目的やトレーディング目的の取引は行っておりません。

なお、財務リスク管理の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 33.金融商品 (2)リスク管理に関する事項 ~(8)市場価格の変動リスク」までをご参照ください。

 

(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資金需要

 設備投資、運転資金、外部資源の獲得、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式取得並びに法人税の支払い等に資金を充当しております。

 重要な資本的支出の予定及び資金の調達方法については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。

 

② 資金の源泉

 主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行により、必要とする資金を調達しております。

 

<キャッシュ・フロー>

 「(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

<有利子負債>

 当社グループの当年度末現在の有利子負債の返済・償還予定額は以下のとおりです。

(単位:億円)

 

帳簿価額

1年以内

1年超~2年以内

2年超~3年以内

3年超~4年以内

4年超~5年以内

5年超

短期借入金

706

706

-

-

-

-

-

1年内返済予定の長期借入金

423

423

-

-

-

-

-

1年内償還予定の社債

300

300

-

-

-

-

-

長期借入金

1,547

-

119

233

1

1

1,201

社債

6,210

-

600

-

968

-

4,733

合計

9,186

1,429

719

233

969

1

5,934

(注)リース負債を除いております。

(長期負債)

社債(1年内償還予定を含む)は、前年度末現在7,023億円、当年度末現在6,510億円、金融機関からの長期借入金(1年内返済予定を含む)は、それぞれ2,050億円、1,970億円です。長期リース負債は、前年度末現在494億円、当年度末現在433億円です。

当年度末現在、長期債務格付は、ムーディーズ・ジャパン㈱ではA2(安定的)、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱ではA+(安定的)、㈱格付投資情報センター(R&I)ではAA(安定的)となっており、同日現在、国際的なたばこ会社の信用格付としてはそれぞれ最高レベルです。

格付は、事業を行う主要市場の発展及び事業戦略の成功、並びに当社グループではコントロールできない全般的な景気動向等、数多くの要因によって影響を受けます。格付は随時、撤回あるいは修正される可能性があります。格付はそれぞれ、他の格付と区別して単独に評価されるべきものです。JT法のもと、当社により発行される社債には、当社の一般財産に対する先取特権が付されております。この権利により、国税及び地方税並びにその他の法定債務を例外とし、償還請求において社債権者は無担保債権者よりも優先されます。

 

(短期負債)

金融機関からの短期借入金は、前年度末現在516億円、当年度末現在706億円です。コマーシャル・ペーパーの発行残高は、それぞれありません。短期リース負債は、前年度末現在171億円、当年度末現在172億円です。

 

③ 流動性

当社グループは、従来営業活動により多額のキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでおります。営業活動によるキャッシュ・フローは今後も安定的で、通常の事業活動における必要資金はまかなえると予想しております。また、当年度末現在、国内・海外の主要な金融機関からの4,780億円のコミットメント融資枠があり、そのすべてが未使用です。更に、コマーシャル・ペーパープログラム、アンコミットメントベースの融資枠、国内社債発行登録枠及びユーロMTNプログラム等があります。

 

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