当社グループは、創業以来、生活の根幹となる食の分野において、皆様に愛される製品づくりに努めてまいりました。「消費者的視点に立った経営」を企業理念として、時代が求める優れた製品づくりを目指しております。日本の食文化の素晴らしさを尊び、その新しい価値の創造を提案の柱とすることを基本方針としております。
また、社是でもある「社会的存在価値ある企業」として当社グループが社会に貢献するためには、SDGsへの取り組みも重要なテーマと考えております。当社グループは事業活動を通じて、「大森屋にできることから始める」をコンセプトと位置づけし、社会貢献・環境・働きがいを中心にした取り組みを行っております。この取り組みを通じて「つくるひとが楽しい、食べるひとがうれしい」社会が実現し継続しつづけられるように貢献してまいります。
(2)経営環境
当社グループは、日本古来の食材である海苔を主原料とした食品を中心に、ふりかけ製品やお茶漬け海苔、即席スープなどの加工食品を製造販売しております。主原料である海苔は、気候変動の影響や生産漁家の減少等から国内での収穫量は減少傾向にあり、仕入価格が収穫量等の要因によって変動するリスクが顕在化しております。また、食品業界を取り巻く環境は、加速する少子高齢化時代を迎え、先行き非常に厳しい状況にあります。
当社グループを取り巻く市場環境は、消費者の生活防衛意識の高まりから、依然として節約志向、低価格志向が続いております。
新型コロナウイルス感染症による影響につきましては、業務用海苔製品についてはコンビニエンスストアのおにぎり等の惣菜需要が回復傾向にあり、進物品が冠婚葬祭等での需要減により売上高が減少しましたが、家庭用海苔製品については内食需要の増加により好調に推移しており、現時点ではグループ全体として影響は軽微であると考えております。しかしながら、事態が長期化した場合には、全世界的な景気悪化に伴う国内外の販売量減や、原材料価格の高騰、物流機能の不安定化等が想定され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
このような状況の中、当社グループといたしましては、新型コロナウイルス感染リスクの抑制に取り組み、安全・安心な製品の安定供給に努めるとともに、生産活動の効率化やコスト削減を強力に推し進め、新製品の開発に注力し、売上目標・利益目標の達成と経営効率の向上に向けての努力を続けてまいります。今後とも「消費者的視点にたった経営」を経営理念として、優れた価値ある製品を提供し、どのような環境の変化にも対応できる販売競争力のある強固な企業体質の確立と経営効率の向上を図ってまいります。
施策といたしましては、前年度に引き続き以下の5点を掲げております。
① 多様化、個性化する消費者の支持を得られる新製品の開発を強力に推進していくこと。
② 新販路、新しいマーケットの更なる開拓強化を推し進めていくこと。
③ 2000年に全工場・全製造品目で「ISO9002」の認証を取得、2003年に「ISO9001:2000年版」の認証を取得、2009年には「ISO9001:2008年版」の認証を取得いたしましたが、今後も更に製品の安全性、品質の安定性、顧客への安心感を高めていくこと。
④ 生産性の向上と全社的経費削減を継続して実行していくこと。
⑤ 中国をはじめとする海外マーケットを開拓すること。
以上を積極的に取り組み、強固な企業体質の確立と業績の向上に邁進してまいる所存であります。
(4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、株主資本の効率的運用及び収益性の追求の観点から、自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標ととらえ、その向上を目指して経営に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるROEは、6.2%と前年同期比3.1ポイント増加し、当初の目標としておりました4.0%も上回る結果となりました。これは、高付加価値製品の販売増により営業利益が改善したことや旧本社土地建物の売却による固定資産売却益(特別利益)の発生により利益額が予想を上回ったことによるものであります。引き続きこの指標について改善されるよう取り組んでまいります。
なお、次期(2023年9月期)の連結業績見通しにつきましては、売上高14,180百万円、営業利益340百万円、経常利益350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は220百万円を見込んでおります。
また、2022年9月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、2022年9月期(予想)は当該会計基準を適用した後の金額となっており、対前年同期比は記載しておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
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