有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 主要原材料の仕入について
a.仕入価格変動のリスク
当社グループの主要原材料である原料海苔は、海産物であるため生産地の天候や海況により収穫量が左右され、仕入価格が変動することがあり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、不測の事態に備え、国内各地の生産地から仕入が可能な体制をとっております。
b.資金負担のリスク
原料海苔はおおよそ11月から3月にかけて収穫され、その時期に約1年分の使用量を仕入れる必要があり、その仕入資金として一時的に多額の資金が必要となります。そのため、期中において金融機関からの借入金が発生いたします。
当社では機動的かつ安定した資金調達を可能とするため、複数の金融機関と当座貸越契約を締結しております。
c.輸入制限に係るリスク
現在海苔は輸入制限品目に指定され、海外からの輸入(現在、海外の主な生産国は韓国、中国であります。)は制限されておりますが、将来的に輸入枠が拡大あるいは撤廃されることも考えられます。その場合、国内産との競合により、仕入価格・販売価格に影響を与える可能性があります。
当社では、現在、主として国内産の原料海苔を使用しておりますが、不測の事態に備え、海外からの輸入ルートも確保しております。
d.資材の高騰のリスク
原油価格及び為替の変動により、容器類、包装資材等の資材の仕入価格が変動し、当社の業績に影響を与える可能性があります。当社グループではこうしたリスクに対して、事前の価格交渉、適切な時期での価格決定によりリスクを回避する努力を行っております。
(2) 製品の安全性について
当社では、安全・安心な製品を安定的に提供することを第一と考え、ISO9001の認証を取得するなど品質管理の強化に努めており、原材料・製品の検査体制の強化にも取り組んでおります。しかし、予見不可能な原因により製品の安全性に疑義が生じ、製品回収や製造物責任賠償が生じた場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(3) 海外事業におけるリスクについて
中国をはじめとする海外での販路開拓を目的に、2013年3月に子会社「大森屋(上海)貿易有限公司」を設立いたしましたが、現地における政情不安や国際紛争の発生、法的規制や商習慣の違い等に起因する予測不能な事態が発生した場合や為替の変動により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するために、現地法人との定期的なミーティングを通じて事業運営についての意思疎通を図っております。また、世界各地の経済、政治状況を把握し、市場分析を通して経営戦略の立案を行い、営業推進・リスク対応の両観点からの管理体制の整備を図っております。
(4) 食品業界に係る法的規制などの導入・変更
当社は食品製造販売会社であり、食品表示法、食品衛生法、製造物責任法、容器包装リサイクル法など様々な法的規制の制約を受けます。当社グループといたしましては、関連諸法規の遵守に万全の体制で臨んでおりますが、これらの法律への抵触あるいは新たに当社グループの事業に関係する法律が制定された場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するために、当社グループでは、国内外の法令の遵守、公正な取引等に取り組んでおり、社内にリスク管理委員会を設け、関連法令の遵守に努めております。
(5) 新型コロナウイルス等感染症リスク
新型コロナウイルス感染症については、現時点ではその収束時期は不透明な状況にあります。
当社グループでは、顧客、取引先及び社員の安全第一を考え、また感染を防ぐため、出張を伴う営業活動や展示会等への参加の自粛、工場見学の停止、在宅勤務や時差出勤の奨励等の対応を実施しております。
当社グループの業績及び財政状態への影響については、業務用海苔製品については需要が減退しているものの、家庭用海苔製品については好調に推移しており、現時点ではグループ全体として影響は軽微であると考えております。しかしながら、事態が長期化した場合には、全世界的な景気悪化に伴う国内外の販売量減や、原材料価格の高騰や物流機能の不安定化等が想定され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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