研究開発活動

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発部門は、なとり「新おつまみ宣言」の実現に向け、素材の風味を活かし、手軽に食べられ、楽しさを演出する独創性あるおつまみの創出と、既存品の改良を継続的に行い、おつまみの可能性を追求しております。そのために新技術を開発・導入し、日々急激に変化するマーケット動向を見据え製品開発のスピードアップに取り組みながら、お客様にとって安全・安心でおいしい食品の開発を推進しております。

 

(1) 研究の目的及び主要課題

当社グループでは、食品総合ラボラトリーを中心に「安全・安心で高品質な製品」を生み出すべくマーケティング部門、原材料調達部門、生産部門、営業部門等の関係部署との密なる連携により研究開発活動を展開しております。

研究開発の主要課題は、素材の持つ良さを最大限に引き出すことです。素材の味・香り・食感・色などを最大限に活かすことで、従来には無かった新たな価値を持った新製品をお客様に提供することを目指しております。また、お客様の嗜好の変化に合わせて既存品の改良を進めて、愛され続ける製品になることを目指しております。

さらに、現在のコロナ影響の先行きが見通せない状況においては、お客様の「安心」を求める心理や、「家飲み」など家庭での消費傾向が強まっていることから、それらに対応した製品開発の強化を行っております。

「水産加工製品」「畜肉加工製品」「酪農加工製品」「チルド製品」を重点ジャンルと位置付け、開発資源を集中的に投入し、各製品群のさらなるアイテム充実を目標として、様々なバリエーション展開を進めております。

さらに基盤研究の推進にも注力し、当社グループで取り扱っている様々な原材料や加工・保存方法に関する研究・調査を進め、データ蓄積や新技術開発を目指しております。また、基盤研究から生み出されたシーズの新製品開発への導入も強力に進めております。

なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は649,774千円であります。(すべて食品製造販売事業に係るものであります。)

 

(2) 研究開発体制

研究開発活動の中心的役割を担う食品総合ラボラトリーは、「製品開発」・「製品評価」・「基盤研究」の3つの機能を持ち活動しております。

「製品開発」に関しては、水産、畜肉、酪農、農産の各種原材料の特性を活かし、独自の加工技術を駆使したスピーディーな新製品開発に特化しております。

「製品評価」に関しては、理化学・微生物検査を駆使し、製品・原材料の安全性確保を目的に活動しております。また、美味しさの数値化についても取り組んでおります。

「基盤研究」は新たな加工・保存技術の探求や今後取り組むべき課題の抽出等、製品開発に有用な情報創出を目的に活動しております。

また、食品総合ラボラトリーから独立した組織である品質保証部を中心として、工場の衛生管理・品質管理に関する監視及び特許・商標等の知的財産の取得・管理を行っております。

 

(3) 研究開発活動

研究開発成果は、以下のとおりであります。

① 製品開発

現在、当社製品を購入していただいている主要なお客様は50代以上の方ですが、幅広い年齢層のお客様に購入していただけるように、若年層向けの製品開発にも取り組んでおります。SNSを通じたキャンペーンの実施や、若年層のライフスタイル・感覚に合わせた開発、おつまみだけでなく、おやつ用途にもなる商品を開発しております。「チーズ鱈」については、発売40周年を記念し、感謝の気持ちを込め、キャンペーンを実施し、若者層含めた幅広い層の認知向上、市場定着化を図りました。その他定番製品についても、より品質を上げるべく、改善・改良を進めております。

長引くコロナ禍において、「家飲み」のニーズにも変化が出てきております。より本格的な品質へのこだわりや、新しい「家飲み」の楽しみ方など、おうち時間をポジティブに過ごす「充実志向」に対応し、品質へのこだわりや楽しさを感じていただける製品開発にも取り組んでおります。

また、SDGsへの取り組みとして、持続可能な環境と社会の実現に貢献するため、環境に配慮した原料や包装材料の使用、廃棄ロス削減のための賞味期限の年月表示、賞味期間延長にも取り組んでおります。

そして、「安心」意識の高まりを受けての個包装製品や主力ブランドの拡充、「健康志向」の高まりを受けてのおつまみの健康訴求を行うとともに、利便性や経済性をさらに追求した開発や、おつまみの用途開発として非常食市場を見据えた製品開発も進めてまいります。

 

② 製品評価

理化学・微生物検査・高度分析機器を駆使し、製品・原材料の安全性確認、賞味期間の設定、衛生管理への提言等を行っております。あわせて安全・安心に関わる新しい検査・分析技術の導入も積極的に進め、当社グループ工場への水平展開も進めております。

また、味覚センサーやアミノ酸分析等さまざまな分析を用いて、商品の味や物性を数値化し、時間経過による味の変化や自社・他社品との味の違いなどを明確にし、製品開発や営業活動への適切なサポートを行った実績をあげております。また、賞味期間設定のための保存試験期間の短縮化にも取り組んでおります。

 

③ 基盤研究

基盤研究は、各種原材料素材に関して加工・保存時の品質変化や栄養成分の調査・研究を進め、さらなるおいしさや健康価値を持つ製品開発のための基盤データ収集や、賞味期間延長、品質向上のための研究等も行っております。

開発の課題解決につながる共同研究や、他企業との協同による新しい切り口の開発などオープンイノベーションを強力に進めております。

いか製品を中心とした咀嚼の探求も継続して進めており、食育活動の一環として当社ホームページ等に情報を掲載し、咀嚼を通していか製品等の健康価値を訴求しております。

また、マーケティング部門で行ったweb調査等を活用し、将来のマーケットニーズや属性別の嗜好性に基づいた新製品開発を推進しております。

 

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