課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「新しい道を切りひらく」を合言葉に、「持続可能な原材料及び製造への取り組み」と「特許を含む新技術による組み立て」をベースに商品の開発、一貫製造及び販売を行っております。

当社グループにおけるミッション(使命)、社是(私たちが最も大切にする価値観)、行動指針(正々堂々と仕事をしていくための4つの指針)は以下のとおりです。

(a) ミッション(使命)

STIフードホールディングスは、

社員の幸せと社会のより豊かな未来のために、

国内外の食料資源を大切にし、

価値ある食文化創造の責任を果たします。

(b) 社是(私たちが最も大切にする価値観)

正々堂々

(c) 行動指針(正々堂々と仕事をしていくための4つの指針)

変革創造 当たり前の徹底と、過去や常識の否定。

その両立こそが新しい価値を生みだす。

自主自立 仕事を自ら作り出し、

仕事によって自分自身を成長させよ。

誠心誠意 自分を尽くす。懸命に向き合う。

すべてを注ぎ込まないと、何事も成し遂げられない。

一致団結 全員の知恵と技術と想いをひとつにする。

そして初めて、限界は超えられる。

 

(2)経営戦略等

食の安全・安心への要請、天然水産資源の維持、安全な養殖水産資源の獲得という社会課題、急速な高齢化及びライフスタイルの多様化などを背景に、当社グループは、以下の施策を講じながら、持続可能なバリューチェーンを創造するとともに、日本の食文化に根差す伝統的なうま味を活かした製品の開発と提供を行うことで、世代を超えた永続企業として、継続的な成長を目指します。

(a) 持続可能な原材料及び製造への取り組み

(b) フードロス・廃棄の削減

(c) 環境に配慮した設備導入

(d) 更なる成長のための3温度帯におけるバーティカルインテグレーション(垂直的統合)の深耕

(e) 消費者の健康志向に応える新たな商品の開発

(f) 手作り料理感が高まる惣菜等の中食開発

(g) 高齢者向け惣菜開発

(h) 知的財産権の取得

(i) M&Aの推進

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、サービスの競争力を維持し、財務活動を含めた全事業の業績を向上させていくことが重要であると認識していることから、重視している経営指標については、売上高経常利益率としております。

 

(4)経営環境

①業界の動向

国内においては、高齢世帯・共働き世帯の増加の一方、世帯人数の減少等が生じ、社会構造変化が進むとともに、そのライフスタイルや価値観が多様化しています。この変化に応じ、また、コンビニエンスストアのビジネスモデルの変化及び食品メーカーなどの技術革新を背景に、中食市場が急成長し、国内の食市場全体を牽引している状況であります。

 

②今後の見通し

 当社グループをとりまく環境は、国内における少子高齢化の進行により社会構造変化が進むとともに、新型コロナウイルス感染症拡大による社会経済活動への影響から、そのライフスタイルや価値観が多様化している状況に加え、世界においては、異常気象による天然資源、食料等の不足が深刻化していると考えられます。

 このような環境の中、”食”の安全・安心に対する要請はさらに高まるとともに、引き続き中食市場の成長が、食品市場を牽引するものと考えており、当社グループでは、この中食市場における惣菜の中でも特に水産素材へのニーズは高まっていくものと認識しております。一般的に魚を素材とする調理は、その下処理や魚臭、焼成煙、調理器具の後片付けの手間などもあり家庭では敬遠されやすいものでありますが、近年の健康志向等を背景に、ヘルシーで栄養価の高い魚(例えば、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を多く含む青魚等)はその価値をあらためて見直されております。一方で、市場における魚を素材とする惣菜商品は少ないため、「簡便性」「即食性」「美味しさ」「ヘルシー感」「値ごろ感」を兼ね備えた魚を素材とした惣菜商品への需要は、今後も高まる傾向にあります。

また、足元における新型コロナウイルス感染症拡大による市場環境の変化への柔軟な対応を含め、食品メーカーとして消費者と従業員の安全と安心のために、安定した製造・供給を継続すべく、当社グループ全体で食品メーカーとして社会的に重要な使命の遂行に努めております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

①新規商品の開発、生産体制の増強、販路の拡大について

今後も継続的な成長を見込むためには、開発・生産・販売それぞれの拡充が重要であると考えております。

中食への更なる取り組みとして市場においてニーズの高い惣菜や高齢者向け惣菜の開発、フードロス・廃棄削減への取り組みとして新技術による鮮度延長や冷凍食品開発への注力、健康志向への取り組みとして余分な添加物を含まない商品開発等、新たな商品の開発を目指しております。

また、市場における需要の高まりや多様化するニーズへの対応に加え、既存工場から遠隔地域への出荷量増加に伴う物流費の上昇などにも対応すべく、最適な立地における生産工場の増設や、地域活性を目指した既存工場における生産ラインの拡充などに努めてまいります。

販路拡大につきましては、既存得意先を通じた顧客ニーズの深耕を図ることによる展開地域・商品の拡大に加え、当社グループの方針と合致する新たなパートナーの探求による国内新市場の開拓、更には当社グループとして直接顧客への販売ができる体制の構築を目指しております。また、新型コロナウイルス感染症の収束状況を見極めながら、海外市場の調査を行い、将来的な海外展開拡大の礎の構築に努めてまいります。

 

②人材の確保・育成について

事業部門においては、商品の差別化を図るための独自技術の開発や、これを活かした新商品開発の推進、開発業務をEngineerととらえたSE(=Seafood Engineerの略)層の拡充を図るための開発営業担当など、優秀な人材の確保を図ってまいります。

さらに、コーポレート・ガバナンス体制の更なる充実のため、当社グループ管理部門の人材強化を図ってまいります。

また、将来にわたる成長力、収益力強化のために、人材育成も不可欠と考えており、社内研修プログラムや福利厚生制度、人事制度などの充実に努めてまいります。

 

③安全・安心を追求した品質管理

当社グループは食品メーカーとしての社会的責任を果たすため、品質管理体制をより強化してまいります。具体的には、CO2を排出しない冷凍機の導入等、環境に配慮する製造設備の改善を継続するとともに、原材料の調達から製造・販売に至るまでの各プロセスにおけるトレーサビリティの更なる充実を図ってまいります。

 

④内部管理体制の強化

当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスクマネジメントのための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、業務改善を推進して効率化を図るとともに、事業等のリスクを適切に把握・対処し、コンプライアンスを重視した経営管理体制に重点をおくことで、経営の公平性や透明性を確保し、内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

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