業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 なお、2020年1月6日に行われた株式会社プロキャリアエージェントとの企業結合について前連結会計年度末において暫定的な会計処理を行っていましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にあるものの、感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種の促進や、検査・治療薬が普及し、行動制限緩和の動きがみられるなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって持ち直しの動きが続く事が期待されております。しかしながら、今後の国内外における新型コロナウイルス感染症の新たな変異株の感染拡大が経済活動に与える影響や、金融資本市場の変動の影響を注視する必要があり、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 不動産業界におきましては、金融緩和政策の継続を背景として、不動産投資家の投資姿勢は引き続き旺盛であり、その市場動向は堅調に推移していくことが期待されるものの、マンション用地価格の上昇やウッドショックによる資材不足や価格高騰等の影響を注視していく必要があります。

 このような環境のもと、当社グループは、アセットマネジメント事業におけるフロー収益と、プロパティマネジメント事業におけるストック収益に加え、連結子会社である株式会社プロキャリアエージェントにおける人材サービス事業及び株式会社グッドライフエネルギーにおけるエネルギー事業との連携により、各事業間のシナジー効果創出に努めるとともに、営業力、技術力及びサービス品質の向上に努め、収益力の向上及び企業価値の最大化を図って参りました。

 その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は下記のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,034百万円増加し、4,222百万円となりました。主な要因は、仕掛販売用不動産が1,096百万円、現金及び預金が1,083百万円増加した一方、販売用不動産が889百万円、未成工事支出金が125百万円減少したことによります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ325百万円増加し、697百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が338百万円及び投資その他の資産が21百万円増加した一方、無形固定資産が34百万円減少したことによります。

 この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ1,360百万円増加し、4,920百万円となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ323百万円増加し、1,766百万円となりました。主な要因は、未成工事受入金が236百万円、未払法人税等が73百万円及び1年内返済予定の長期借入金が57百万円増加した一方、工事未払金が92百万円減少したことによります。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ811百万円増加し、857百万円となりました。主な要因は、長期借入金が805百万円及びリース債務が11百万円増加したことによります。

 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,134百万円増加し、2,624百万円となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ225百万円増加し、2,295百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が217百万円増加したことによります。

 

b.経営成績

 当連結会計年度においては、前連結会計年度から開発を行っていた10物件が竣工したことにより、当連結会計年度末において当社が企画・開発に携わった物件の竣工棟数は累計113棟、管理戸数は3,870戸となりました。

 この結果、売上高は7,390百万円(前連結会計年度比56.5%増)、営業利益419百万円(同93.4%増)、経常利益421百万円(同85.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益217百万円(同78.6%増)となりました。

 

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 当社グループは、当連結会計年度より、報告セグメントを「不動産投資マネジメント事業」から、「不動産投資マネジメント事業」、「エネルギー事業」の2つの報告セグメントと、「その他」の3区分のセグメントに変更しております。

 なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分により作成することは実務上困難なため、前年同期比情報については開示を行っておりません。

 

(不動産投資マネジメント事業)

 当事業は、資産形成・運用をお考えのオーナー様に対し、賃貸マンション用地の仕入、企画・設計、施工及び売却をサポートするアセットマネジメント事業と、賃貸仲介及び賃貸管理サービスを提供するプロパティマネジメント事業によって構成されております。

 アセットマネジメント事業につきましては、当連結会計年度において10物件が竣工するとともに、引き続き積極的な用地取得とDM発送等による顧客層の拡大に注力したことにより、当社開発に係る新規設計契約16件(うち用地販売を伴うもの12件)及び連結子会社である株式会社グッドライフ建設において建築に係る工事請負契約15件を受注し、当連結会計年度末における進行中の工事は17件となりました。

 プロパティマネジメント事業につきましては、新築一棟マンション10物件の引渡に伴う管理受託件数の増加のほか、業務オペレーションの見直しを行い、RPA及びコールセンターの導入により業務の効率化を図るとともに、管理物件の入居率の維持・向上を目指し、入居者アプリの導入や、新電力への切り替えに伴う電気代の削減提案及び屋上の有効活用を目的としたアンテナ設置やエレベーター保守費用の削減提案など、入居者様及びオーナー様の満足度向上につながる提案を積極的に行って参りました。

 この結果、不動産投資マネジメント事業の売上高は7,293百万円、セグメント利益は590百万円となりました。

 

(エネルギー事業)

 当事業は、連結子会社である株式会社グッドライフエネルギーにおいて、当社グループが開発及び管理する物件を対象にプロパンガスの供給を行っております。

 積極的なプロパンガス供給会社の切替え提案及びガス供給設備の取得を行ったことにより、当連結会計年度末におけるプロパンガス供給棟数は67棟となっております。

 この結果、エネルギー事業の売上高は72百万円、セグメント損失は27百万円となりました。

 

(その他)

 その他事業の売上高は25百万円、セグメント損失は43百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の1,230百万円に比べ、1,083百万円増加し、2,313百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は635百万円となりました。これは主に、販売用不動産の減少額889百万円、税金等調整前当期純利益360百万円及び未成工事受入金の増加額236百万円の資金の増加と、仕掛販売用不動産の増加額1,096百万円及び仕入債務の減少額89百万円の資金の減少によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は393百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出390百万円の資金の減少によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の増加は841百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入957百万円の資金の増加と、長期借入金の返済による支出94百万円の資金の減少によります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、不動産投資マネジメント事業以外のセグメントについては、受注に相当する事項がないため、受注実績に関する記載はしておりません。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

不動産投資マネジメント事業

8,211

175.3

3,642

175.6

 (注)1.金額は、契約額によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

不動産投資マネジメント事業

7,293

エネルギー事業

72

 報告セグメント計

7,365

その他

25

合計

7,390

156.5

  (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。なお、前連結会計年度の報告セグメントごとの販売実績を変更後の区分により作成することは実務上困難であることから、前年同期比の数値は記載しておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社九州リースサービス

783

10.6

株式会社ベルライフ

648

13.7

438

5.9

合同会社SMS

618

13.1

76

1.0

  (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の変異株の感染が国内外において再拡大しているほか、英国に続き、米国でもFRBによる利上げが開始されることが確実視されており、グローバルに俯瞰すると、今後の社会経済活動や金融情勢は依然として不透明な状況にあります。また、ロシアによるウクライナへの侵攻など、地政学的リスクも予断を許さない状況にあります。

 一方で、日本国内においては、ワクチン接種率が約80%となり、3回目のワクチン接種も開始されたことから、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に端を発する社会経済活動の停滞は解消に向かい、持ち直しの動きが続くと期待されております。金融情勢に関しても、直ちに金融引き締めに転じるような状況になく、自己資本比率の高い会社に対しての信用供与は潤沢な状況にあります。

 このような外部環境は、事業エリアを既進出エリアである九州の3都市(福岡市、熊本市、那覇市)に絞り込む方針をとる当社グループにとって追い風になると考えております。2022年12月期を将来の増収増益基調の基盤を固めるための投資フェーズと位置付け、当社グループの重点施策として、不動産投資マネジメント事業における賃貸マンション用地の仕入れ強化と、それに伴い必要となる人材の採用と確保を掲げております。人材と採用については、賃貸マンション用地の仕入れを行う人材と、工事件数の増加に対応するため、連結子会社である株式会社グッドライフ建設における現場監督を担える人材について積極的に採用を行うこととしております。加えて、ITインフラの整備や、エネルギー事業におけるプロパンガス供給設備へ経営資源を投入することで、経営効率化を図り業績の向上を目指して参ります。

 一方で、従来行っていた事業の多角化路線を修正し、不採算の事業やシナジーのない事業については随時見直しを図り、不動産投資家に対してワンストップサービスを提供する当社グループのビジネスモデルの更なる強化と資金の効率的な運用を追求いたします。

 これら一連の選択と集中により当社グループの経営基盤を強化し、増収増益基調を確実にして企業価値を拡大して参ります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの主な資金需要は用地仕入資金建築資金設備投資資金及び運転資金でありますそれらの財源については自己資金及び金融機関からの借入金により調達しております

 このうち金融機関からの借入に関しましては収益用不動産の開発に係る用地仕入資金について借入が必要な場合においては短期借入金で調達し収益用不動産を建売にて販売を行う場合の用地仕入資金及び賃貸マンション建設資金並びにエネルギー事業におけるガス供給設備取得のための設備投資資金については長期借入金での調達を行っております

 当社グループはその健全な財政状態営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力及び借入金により当社グループの成長を維持するため将来必要な用地仕入資金建築資金設備投資資金及び運転資金を調達することが可能と考えております

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。

 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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