文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、いい住まいの提供を通じ、人々の暮らしを良くすることが当社グループの存在意義であると考え、お客様、パートナーの皆様、取引先の皆様、そして従業員、当社グループに関わる全ての人々に「GOOD LIFE(いい人生)」を送っていただきたいという想いから、「GOOD LIFE」を経営理念として定めております。
(2)経営環境
わが国経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にあるものの、感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種の促進や、検査・治療薬が普及し、行動制限緩和の動きがみられるなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって持ち直しの動きが続く事が期待されております。しかしながら、今後の国内外における新型コロナウイルス感染症の新たな変異株の感染拡大が経済活動に与える影響や、金融資本市場の変動の影響を注視する必要があり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境である一方、マンション用地価格の上昇や建築費の高騰等、懸念材料はあるものの日本銀行の金融緩和政策の継続を背景として、国内の投資用不動産に対する底堅い需要が想定されるため、その市場動向は堅調に推移しております。
建設業界においては、建設工事受注高は引き続き高水準で堅調に推移しております。一方で、建設技術者の有効求人倍率は前年同様に高い水準が維持されており、これに伴い労働人口の減少に伴う建設技能労働者の不足が深刻化する恐れがあります。
(3)中長期的な経営戦略
当社グループの安定的かつ持続的な成長には、入居者様及びオーナー様満足度の向上に努め、賃貸マンションの用地仕入、企画・設計、施工、売却を行う「アセットマネジメント事業」によるフロー収益と、賃貸仲介、賃貸管理を行う「プロパティマネジメント事業」、当社グループが開発及び管理する物件に対してプロパンガスの供給を行う「エネルギー事業」からなるストック収益を継続的に確保して参ります。
これらの事業活動は現在、福岡、熊本、沖縄エリアで展開しており、今後もより注力するエリアとして事業の発展へと努めて参ります。なお、2020年11月に事業エリアの拡大を目的として東京エリアへ進出しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済の先行不透明感が続く環境下において、当社グループの事業エリアを拡大することは適切ではないと判断し、2022年3月をもって東京支社を閉鎖し、既存の九州エリアに注力することといたしました。
アセットマネジメント事業においては、2022年12月期の重点施策である用地の仕入れをより一層強化して参ります。当社グループの事業は主に投資用新築一棟賃貸マンションをワンストップで提供するビジネスモデルであることから、その入口である用地の仕入れを強化することで、以降の工程である、企画・設計、施工、賃貸仲介、賃貸管理、売却にまで好影響をもたらすと考えております。
プロパティマネジメント事業においては、他社管理物件の委託先替え強化に伴う管理戸数の増加とアセットマネジメント事業の加速によって増加する開発棟数及び管理戸数に加え、業務オペレーションの見直しによる業務効率化や、ITの活用等による生産性の向上により、管理物件の適切な運営管理による入居率の維持向上が入居者様及びオーナー様の満足度向上へつながると考えております。
エネルギー事業においては、当社グループが開発及び管理する物件に対してプロパンガスの供給を行い、プロパンガス供給物件を増やし当社グループにおける増収増益の確度の高いストック収益を積み上げて参ります。
これらに加え、経営理念である「GOOD LIFE」を提供するために当社グループが開発する賃貸マンション「LIBTH」のブランド認知、商品品質の向上を目的としてのブランディング戦略やIoT化等の新商品開発を行って参ります。また、経営基盤の強化として、IT推進による業務効率化、人材の確保及び育成の強化に努めて参ります。
(4)目標とする経営指標
当社グループでは、ROE(株主資本利益率)を経営指標として重視しております。これは、投資効率を向上させる観点からROEの要素である総資産回転率を高水準に維持することが重要であると認識しているためです。加えて、中長期的な経営戦略である九州エリアに特化した用地の仕入れを加速させるため、借入による資金調達を行いながら事業の拡大を行って参ります。これまでは自己資本比率50%超の維持を目標としておりましたが、今後の自己資本比率については概ね35%程度を目安とし、攻めの戦略と安定した経営基盤の確立を目指して参ります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、安定的な収益性の向上かつ持続的な成長に資する体制整備が最も重要であると認識し、以下の経営課題に取り組んで参ります。
(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
用地仕入の体制の強化、人材の確保と育成強化
当社グループは、用地情報の大半を不動産会社等の情報提供者から入手しておりますが、今後の継続的な成長を図るためにも更なる情報ルートの拡充が必要不可欠であると認識しております。そのため、既存情報提供者との良好な取引関係を維持するとともに、効率的な用地情報取得のために、営業支援ツール(SFA)の導入など、情報ルートの可視化、強化に努め、優良な情報の確保を進めることにより用地仕入の体制を強化する方針であります。
また、人材の確保と育成強化について当社グループでは、用地仕入の経験者及び建築技術者の人材を継続して確保、育成することが中長期的な戦略として重要であると考えております。そのため、人材を積極的に採用するための投資や入社後も定期的に教育研修の機会を与え、専門能力や知識の維持向上を図って参ります。
(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
①事業エリアの集中と新規事業の参入
当社グループは、現在福岡、熊本、沖縄へとエリアを拡大し事業を行っておりますが、今後も既存の九州エリアに注力することで業容の拡大と当社サービスの提供を行って参ります。
また、当社グループでは、新たな事業展開や質の高いサービスを提供するための一環として、業務提携やM&A等を有効に活用することとしておりますが、M&A等は将来予測を基に実施するものであり、不確実性が伴います。M&A等を実施する場合には、対象企業の財務内容や契約関係、関連資産等について、詳細な調査・検討を行うことで不確実性を極力排除するように努めておりますが、M&A後に、偶発債務等の発生や同事業の経済環境の変化等により計画どおりの事業展開を行えなかった場合は、のれんや関係会社株式の減損処理が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②販売手法の多様化
当社グループでは、投資用新築一棟賃貸マンションを「LIBTH」ブランドとして主に個人富裕層の投資家に販売を行っております。集客にあたっては当社の主要な事業エリアである九州地域に在住の方を対象として、既存オーナー様からの紹介、DM発送及び自社ホームページを活用したインバウンドマーケティングを行っております。今後販売棟数を増加させていくためには、より多くの不動産投資家の開拓と販路の拡大をしていく必要があると認識しております。このために、投資物件情報を掲載する自社サイトの構築、SNSの活用等を計画しております。
③商品品質の向上とラインナップの拡充
当社グループは、現在、主に個人富裕層向けに資産形成を目的とした投資用新築一棟賃貸マンションを主体とした事業を行っております。今後は相続や節税といったオーナー様の多様な投資ニーズに対応していくために、投資用新築一棟賃貸マンション以外の商品開発を進めることにより、最適な投資提案を通じてオーナー様の資産価値向上に貢献して参ります。
また、現在提供している賃貸マンションのIoT化やセキュリティの強化による商品品質の向上を行い、入居者様、オーナー様の満足度向上を追求して参ります。
④コンプライアンスの徹底
当社グループでは、不動産投資マネジメント事業、家賃滞納保証業務、有料職業紹介事業及びプロパンガス販売事業を行っていることから、現在、一級建築士事務所登録、宅地建物取引業免許、特定建設業許可、有料職業紹介事業許可、液化石油ガス販売事業登録及び液化石油ガス保安機関認定を取得しており、各種法規制等の下に事業展開しております。法令遵守は企業存続の基本であり、前提であることから、関係諸法令を遵守することは当然のことであるとの認識で事業活動を行っております。
当社グループでは、今後も、全社的にコンプライアンスを徹底することが必要であると考えており、経営陣のコンプライアンスに対する認識強化に加え、独立役員の牽制機能の強化(独立役員全員が出席する会議体の運営)、全社員を対象にした定期的な研修等を継続して実施して参ります。また、今後も新たな事業展開によって、子会社や関係会社が増加することに比例して、不正行為等による法令違反の発生リスクが増加していくと想定されるため、組織が健全かつ効果的に運営されるように、内部統制の実効性を高める為の環境、体制を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、経営の公正性・透明性を確保して参ります。
⑤新型コロナウイルス感染症の拡大による影響
当社グループは、新型コロナウイルス感染症に対して対応ガイドラインを策定しております。時差出勤やシフト勤務を推奨し、企業訪問やオーナー様へ対面での面談を極力控え、WEB会議や電話折衝を中心にお客様からのご相談や接客を行うことでお客様と従業員の安全確保を最優先に考慮しております。また、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出された場合は原則として各自治体の要請に従うこととしております。
そのため、新型コロナウイルス感染症の収束に時間を要し、経済活動への影響が長期間にわたる場合や緊急事態宣言の発出等により、当社グループの営業活動が著しく制御される場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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