事業の内容

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、非連結子会社1社(株式会社マチニワ)の計2社により構成されております。

当社は、「「場の発明」を通じて欲しい未来をつくる。」をミッションに掲げ、情報通信技術、デザインを高次に融合させることで、従来の事業展開においては実現し得なかった価値を提供すべく事業活動を行っております。

当社は、cowcamo(カウカモ)事業及び、不動産企画デザイン事業を展開しております。なお、当該2事業は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(1) cowcamo(カウカモ)事業

当事業では、ITを活用した中古・リノベーション住宅流通プラットフォーム「cowcamo」において、オンラインメディアを通じた物件情報流通サービス及び自社および外部のエージェント(※1)による仲介サービス、顧客ニーズや物件のデータを活用した売主・事業者向け支援サービスを主なサービスとして提供しております。

当事業の特徴は、中古住宅流通のバリューチェーン(※2)を、テクノロジーを用いて統合している点にあります。具体的には、中古・リノベーション住宅における一連の顧客体験の統合・刷新(特徴①-1)、住宅デザイン企画・メディア運営・エージェントサービスの一連のオペレーションの統合・最適化(特徴①-2)、顧客ニーズや物件のデザイン、物件の取引データなどの独自データの活用(特徴②)にあります。

当事業では、中古・リノベーション住宅に特化した住宅情報メディアサービスおよびエージェントによる仲介サービスを提供しております。主な収益源は、中古・リノベーション住宅の売買に関して売手及び買手から受領する売買仲介手数料、その他付随する手数料等、住宅取引の流通総額に対して課される手数料であり、広告掲載料等は受領しておりません。また、買主の要望等により、一部取引においては、在庫リスクをコントロールできる場合に限定して、当社が一時的に物件を仕入・販売する取引が発生するケースがありますが(仕入取引)、取引は仲介取引の割合が多数を占める状況にあります。

 

特徴①-1:中古・リノベーション住宅購入における一連の顧客体験の統合・刷新

当事業では、オンラインの住宅情報流通メディアを中心に、中古・リノベーション住宅の購入体験の統合・刷新を図っております。具体的には、従来の店舗やチラシ、物件情報検索サイトを通じた画一的な物件情報流通に対して、ソーシャルメディア等のチャネルに特化し、独自に撮影した画像や取材記事を中心としたコンテンツ型メディアとしての物件情報流通モデルを確立しております。また、会員向けに、当社独自の物件情報データベースからユーザーの嗜好にあった物件を選定・提案するネイティブアプリ(※3)や、住宅購入検討プロセスにおけるエージェントとのコミュニケーションをオンラインチャット上で行うことができるネイティブアプリを相次いで開発し、多数の会員を有する住宅購入サービスへと成長いたしました。

なお、「cowcamo」における2022年7月時点での会員数は36万人に達しております。

 

特徴①-2:住宅デザイン企画・メディア運営・エージェントサービスの一連のオペレーションの統合・最適化

一連の業務フローにおいて自社開発したシステムを活用することにより、高い生産性と顧客満足の両立を図っております。具体的には、顧客の個別的な嗜好性や住まい探しの状況を一元的に把握・管理することが可能な顧客管理システム、エージェントによる顧客への提案支援、顧客とのアポイントメント管理、業務の優先度管理等を支援する業務支援システム、顧客とのコミュニケーションを円滑化・効率化するチャットアプリなど、一連の業務フローが全て自社開発プロダクトによりシステム化されております。これにより、各々の業務プロセスにおいて高い生産性を実現するとともに、非熟練者でもオペレーションを遂行できることから事業拡大に柔軟に対応可能な組織の拡張性を実現していると考えております。当社の組織的な能力である特徴①-2により当社サービスの価値である特徴①-1の提供が実現していると考えております。

 

なお、仲介サービスだけでなく、顧客ニーズや物件のデータを活用した売主・事業者向け支援サービスの提供も行っております。主な収益源は、データに基づく中古・リノベーション住宅の企画提案、情報技術を用いた不動産流通の高度化等に関する助言・支援、独自ブランド企画及び販売ページ運用・維持にかかるシステム利用料等に対する対価を業務委託手数料として受領しております。

 

特徴②:顧客ニーズや物件のデザイン、物件の取引データなどの独自データの活用

売主・事業者向け支援サービスでは、前述したメディアサービス、エージェントサービスを通じて、顧客ニーズやリノベーションのデザイン、物件、取引情報等の多数のデータを蓄積しております。これらのデータを解析・活用することで、ユーザーのニーズの分析や、最適なリノベーション企画の立案、販売価格の推計等が可能となります。当事業ではこれらを応用し、当サービスを利用する売主・事業者に対してリノベーション物件の商品企画や販売支援などの業務支援サービスを提供しております。これにより、本サービスを利用する売主・事業主からの収益機会が拡大するとともに、cowcamoのユーザー・会員に適した物件の供給が増大し、サービス全体の価値向上に寄与するものと考えております。

 

(2) 不動産企画デザイン事業

当事業においては、リノベーションしたオフィス空間に様々なサービスを組み合わせた「働く場」をサブスクリプション型(※4)のサービスとして提供するワークスペースのシェアリングサービスを中心とした事業展開を行っております。同事業では、スタートアップ、個人事業主、クリエイターなどの"チャレンジする人・組織"を主要な顧客としたコワーキングスペース「co-ba(コーバ)」、成長中のスタートアップ向けに企業の成長や変化に合わせて柔軟にオフィススペースをレンタルすることができる「HEYSHA(ヘイシャ)」の2つのサービスを提供するほか、ワークスペースの仲介・設計等の受託サービスや、不動産領域における企画開発と事業創造も行っております。

不動産企画デザイン事業の特徴は以下の通りです。

 

① サブスクリプション型のビジネスモデル

オフィスの床のみを貸し出して賃料を得る従来のオフィス賃貸と異なり、既に内装や家具が施された空間に様々なソフトサービスを統合した「働く場」を一定期間単位で利用可能としたサブスクリプション型のモデルを採用しております。なお、「co-ba(コーバ)」は月単位または一日単位でのサービス利用料、「HEYSHA(ヘイシャ)」は月額のサービス利用料という形で収益を得ております。

 

② コミュニティプラットフォーム

「co-ba(コーバ)」「HEYSHA(ヘイシャ)」のメンバーは、オフィススペースの利用に加え、当社が運営する様々なイベントやメンバー向けオンラインサイトにて相互に交流することが可能となっております。

 

③ ネットワーク展開

自社開発のみならず各地において他事業者と連携することにより、ネットワーク拡大を行っております。

 

〔用語説明〕

(※1)

エージェント

 

エージェントとは、顧客の住まい探しから物件購入における仲介業務を行う不動産仲介者のこと。

 

 

(※2)

バリューチェーン

 

バリューチェーンとは、一連の事業活動を、個々の工程の集合体ではなく価値の連鎖として捉えること。

 

 

(※3)

ネイティブアプリ

 

Apple Inc.が運営する「App Store」やGoogle Inc.が運営する「Google Play」等のアプリマーケットよりプログラムをダウンロードして利用するアプリケーションのこと。

 

 

(※4)

サブスクリプション型

 

製品やサービスなどの一定期間の利用に対して、代金を支払う方式のこと。

 

 

 

 

 

[事業系統図]


 

 

 

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