業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況
 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響の拡大と長期化が懸念され、個人消費の低迷等、先行き不透明な状況が継続しましたが、顧客の住替えニーズや住宅への関心の高まりから事業環境としては比較的堅調に推移致しました。

当社グループにおいては、効率的な営業活動を行うため、インターネットと紹介・リピートという2つの集客ルートの強化に注力してまいりました。その結果、当連結会計年度においては、全成約外部顧客のうち52.2%が住宅情報サービスや自社HP等のインターネットサービスをきっかけとした成約、26.3%が当社グループの協力業者・リピート顧客・紹介顧客による成約となり、これらが全体の78.5%を占めております。

仕入れについては、販売用自社物件の在庫余力を積み増すことができ、当連結会計年度末の棚卸在庫総額は 5,030,423 千円となり、前年同期と比べ 1,847,084 千円の増加(対前年増加率 58.0 %)となりました。

 以上の結果、連結売上高が 11,129,334 千円(前年同期比 135.6 %)となり過去最高を更新いたしました。また、連結営業利益は 1,471,674 千円(前年同期比 218.9 %)、連結経常利益は 1,419,119 千円(前年同期比 222.0 %)、親会社株主に帰属する当期純利益は 937,198 千円(前年同期比 218.2 %)となり、いずれも過去最高となりました。

 

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 a.sumuzu事業

 当社グループは主に、不動産や住宅に関する情報メディア「sumuzu(スムーズ)」運営による戸建住宅用の土地売買と建築請負紹介を主力事業としています。企業理念である「唯一無二の豊かさを創造する」を基本姿勢として、富裕層顧客からのリピート取引及び紹介案件の獲得を強みとした事業展開を行っております。また、不動産流通の段階から自社が携わり、注文住宅希望者に対しては設計段階まで社内の建築士をはじめとした自社コーディネーターがサポート及びコンサルティングを行うことで、通常の不動産業の域を超えたサービス提供をおこなっており、今期からは、既存事業で獲得した経営資源の活用が可能であり、強いシナジーが見込める収益用不動産の販売への取り組みを本格化しました。

 その結果、不動産販売件数、仲介件数を伸長することができ、売上高は 11,075,950 千円(前年同期は 8,151,521 千円)となりました。また、セグメント利益は 1,730,503 千円(前年同期は 880,139 千円)となりました。

 b.賃貸事業

 当社グループの賃貸事業は、収益用不動産を購入し、賃料収入を継続的に得ることで安定収益の基盤を形成しております。居住用及びテナント向けの収益物件においては新型コロナウィルス感染症拡大の影響による退去などはなかったものの、リゾート施設における賃料収入においては、前年に引き続き低調に推移しました。

 その結果、売上高は52,252千円(前年同期は54,430千円)、セグメント利益は8,031千円(前年同期は23,026千円)となりました。

 

 財政状態の状況

当連結会計年度末の資産合計は 12,768,811 千円となり、前連結会計年度末に比べ 3,747,464 千円増加いたしました。また、当連結会計年度末の負債合計は 7,120,595 千円となり、前連結会計年度末に比べ 2,919,426 千円増加いたしました。 その結果、当連結会計年度末における純資産合計は 5,648,215 千円(前連結会計年度末に比べ 828,037 千円の増加)となり、自己資本比率は 44.2 %(前連結会計年度末は 53.4 %)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末と比べ、 862,213 千円増加し、 4,505,747 千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は 332,094 千円(前連結会計年度は 699,397 千円の支出)となりました。

主な資金の増加要因としましては、税金等調整前当期純利益1,431,050千円の計上であります。他方、主な資金の減少要因としましては、棚卸資産の増加額1,635,995千円、法人税等の支払額176,968千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は 876,716 千円(前連結会計年度は 36,451 千円の支出)となりました。

主な資金の増加要因としましては、保険積立金の解約による収入 20,061 千円であります。また、主な資金の減少要因としましては、有形及び無形固定資産の取得による支出881,806千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は 2,071,212 千円(前連結会計年度は 688,357 千円の収入)となりました。

主な資金の増加要因としましては、棚卸資産の仕入れに伴う短期借入金の純増額 1,325,100 千円及び有形固定資産取得に伴う長期借入金の増加額 1,183,200 千円であります。また、主な資金の減少要因としましては、配当金の支払額112,903千円であります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは生産を行っていないため、生産実績の記載はしておりません。

 

b.仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

sumuzu

10,104,946

137.8

合計

10,104,946

137.8

 

(注)1.セグメント間の取引を相殺消去した後の金額を記載しております。

 

c.受注実績

当社グループは受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。

 

 

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

sumuzu

11,075,950

135.9

 仲介・販売手数料

596,502

98.5

 不動産販売

10,459,464

139.3

 その他

19,983

56.1

賃貸

52,252

96.0

その他

1,131

79.3

合計

11,129,334

135.6

 

(注)1.セグメント間の取引を相殺消去した後の金額を記載しております。

     2.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績の分析

(売上高及び売上総利益)

当連結会計年度の売上高は、不動産販売の販売件数の増加に伴い前連結会計年度比35.6%増の11,129,334千円となりました。その一方、特に上半期において利益率の高い取引が増加したことにより販売用不動産の売上に対する売上原価が減少し8,281,607千円となりました。この結果、売上総利益は前連結会計年度比59.0%増の2,847,726千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比23.0%増の1,376,051千円となりました。主な要因は人員増強などにより増加した給料及び手当、また棚卸資産増加に伴う物件取得のための登記費用として租税公課が増加しました。この結果、営業利益は前連結会計年度比118.9%増の1,471,674千円となりました。

 

(営業外損益及び経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は前連結会計年度比4.4%減の668千円、営業外費用は前連結会計年度比57.4%増の53,223千円となりました。営業外費用の主な要因は棚卸資産増加に伴う物件取得時に発生する借入利息として支払利息が増加しました。この結果、経常利益は前連結会計年度比122.0%増の1,419,119千円となりました。

 

(特別損益及び税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度の特別損益は、生命保険の解約による保険解約返戻金が前期に比べ6,467千円減少し、特別利益12,502千円計上されました。この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比117.5%増の1,431,050千円となりました。

 

(法人税、住民税及び事業税並びに親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は、税金等調整前当期純利益の増加による課税所得の増加等により、前連結会計年度比135.8%増の547,933千円となりました。この結果、当期純利益は前連結会計年度比118.2%増の937,198千円となりました。

 

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因分析について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、瑕疵担保責任、法的規制などが挙げられます。詳細につきましては、「第2 事業等の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③ 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、3,747,464千円増加の12,768,811千円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ、2,825,341千円増加の9,770,837千円となりました。これは主に販売用自社物件の在庫余力を積み増すため、棚卸資産が1,847,084千円増加したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ、922,122千円増加の2,997,973千円となりました。これは主に2022年1月に新たに開設した目黒本社ビル及び収益用不動産取得に伴い建物及び構築物が536,094千円、また賃料収入が見込める収益用不動産取得に伴い土地が348,877千円増加したことによるものであります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、2,919,426千円増加の7,120,595千円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ、2,256,294千円増加の5,310,132千円となりました。これは主に販売用不動産の仕入れに伴い短期借入金が1,325,100千円増加したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ、663,131千円増加の1,810,463千円となりました。これは主に収益用販売不動産の仕入れに伴い長期借入金が677,643千円増加したことによるものであります。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、828,037千円増加の5,648,215千円となりました。

これは主に当期純利益の増加に伴い利益剰余金が824,230千円増加したことによるものであります。

 

④ キャッシュ・フローの分析

「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.資金需要の主な内容

当社グループの資金需要は、営業活動に関しては、仕入れのための費用と人件費等の一般管理費が主な内容となっており、投資活動に関しては、事業用設備の取得が主な内容となっております。

 

b.財政政策

当社グループは、運転資金、投資資金についてまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について銀行借入による資金の調達を実施しております。

 

⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成にあたっては、経営者による見積りや仮定を用いることが必要となります。当社は合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性の存在により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループにおいては、「有形固定資産の減損損失の認識の要否」、「棚卸資産の評価」における会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が特に重要であると考えております。これらの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

⑦ 経営指標に照らした分析

a.グループ社員1人あたりの売上高

当連結会計年度のグループ社員1人あたりの売上高は、グループ全体の売上高が増加したため、前連結会計年度比4.0%増の152,456千円となりました。

 

b.グループ社員1人あたりの営業利益

当連結会計年度のグループ社員1人あたりの営業利益は、グループ全体の営業利益が増加したため、前連結会計年度比67.9%増の20,159千円となりました。

 

c.土地成約案件に占める建物請負紹介成約比率

当連結会計年度の土地成約案件に占める建物請負紹介成約比率は、前連結会計年度比7.8%減の21.4%となりました。引続き、建築業者との請負マッチングを強化し、不動産販売件数の増加に伴う建物請負紹介成約比率の増加を見込んでいます。

 

 

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