課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは2022年1月にCI(Corporate Identity)を行い、企業理念を「唯一無二の豊かさを創造する」としました。

不動産の仕入れから販売、売買に係る仲介、注文住宅のマッチング、建築後のアフターフォローに至るまでのプロセスをワンストップソリューションで提供する住宅用不動産事業を展開しております。事業の軸は富裕層顧客を対象とした住宅事業であり、高いデザイン性とコストパフォーマンスを両立する注文住宅の実現をコンセプトに、一般的な不動産売買事業者の事業領域に留まらない高品質なサービス提供を行っております。

 

(2) 経営環境及び経営戦略

2020年初頭より本格化した新型コロナウイルスの影響は、依然としてわが国の経済環境に大きな影響を及ぼしており、2019年に消費税率引き上げによる消費減退の影響があった点を踏まえると、コロナショック以前と比べ経済環境が本格的に回復しているとは言えない状況であります。

一方、当社が属する不動産業界では、このコロナ禍において「家」が持つ役割がより多様になってきています。仕事場という役割の付加、家で家族と過ごす時間の増大、娯楽として家で過ごす時間の長期化などに伴い、その重要性も並行して増大しており、顧客の住替えニーズは増大していることから、不動産の流通市場は活況を呈しています。

こうした状況下において、あらゆる業界・分野においてテクノロジーの活用が一般的となり、不動産業界も大きな変革の時を迎えています。人員体制の拡充やエリア拡大、収益用不動産事業の強化と並行して、IT化による、より便利・安全で満足度の高い不動産取引の実現及び価値の提供を行っていきます。

 

① 人員増強と教育による強い営業組織の構築

当社グループが行う不動産事業において、サービスを提供する営業人員のサービスレベルやスキルは、事業の成長において非常に重要なファクターであると認識しています。そのため、積極的な人員採用と教育を行い、併せて適正な評価制度や労務環境を整備することによって人員拡大を図っていきます。

 

② 顧客情報の整備とマーケティングへの活用

当社グループには、創業以来の富裕層顧客のデータ、及び購入見込顧客情報の豊富な蓄積があります。当該データの分析・活用を促進することで、成約率の向上、リピート・紹介率の向上によって売上・利益の向上を図り、かつ高い在庫回転率を維持することで、より強固な財務体質を構築していきます。

 

③ 建築請負マッチングコンサルティングの強化
当社グループでは、対面での営業活動とインサイドセールスを連携させ、注文住宅のコンサルティングサービスを提供しております。コンサルティングサービスによって、より高い付加価値を提供することで、顧客紹介や顧客単価の向上を見込むことができます。関係部門の営業連携を強化するとともに、設計士をはじめ、優秀なコンサルタントの採用、育成を行っていきます。

 

④ 事業エリアの拡大
現在当社グループでは東京城南6区(世田谷・目黒・大田・品川・渋谷・港)を中心に事業を展開しており、目黒、桜新町、自由が丘の3拠点体制となっています。当社グループはこの城南エリアにおいてさらなる富裕層顧客の支持を獲得し、紹介・リピート割合を増加させる計画です。また今後は、東京都内の富裕層顧客のシェア拡大を目指すとともに、培ってきた事業ノウハウをベースに他の富裕層エリアでの事業展開を想定しております。

 

 

⑤ 安定的かつ継続的な仕入れの実施
当社グループにとって、自社保有の販売物件を有することが大きな競争力の1つであります。そのため、販売物件の安定的かつ継続的な仕入れが、当社グループの重要な経営課題であります。蓄積データの分析による顧客ニーズの把握、事業エリアの特長に応じた物件開発のほか、既存の仕入れルートの強化に加え、新たな仕入先も積極的に開拓してまいります。

 

⑥ 内部管理体制の強化
継続的に当社グループが成長を遂げていくためには、経営上のリスクを適切に把握し、当該リスクをコントロールするための内部管理体制の強化が重要な課題と考えております。具体的には、監査役と内部監査担当者との積極的な連携、定期的な内部監査の実施、有効かつ効果的な監査役監査の実施、社内経営陣によるコンプライアンス委員会の開催を通じて内部管理体制を強化してまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループにおいては、下記の数字を重要な経営指標としています。

① グループ社員1人あたりの売上高

 当社の主力事業である「sumuzu」事業においては、仕入れから販売までグループ内で一貫して行うことができるという強みを有しており、連結グループにおける社員1人あたりの「sumuzu」事業売上高(不動産の開発分譲、不動産売買・仲介、オーダーメイド住宅のマッチング、収益用不動産の開発・販売)を重要な指標としております。

 

② グループ社員1人あたりの営業利益

 当社グループにおいては、「sumuzu」事業における仕入れから販売、オーダーメイド住宅のマッチングまでを包括的に行うこと、及び紹介顧客・リピート顧客の成約を特に重視した営業戦略をとっており、高利益体質の構築に重点をおいております。そのため、連結グループにおける社員1人あたりの営業利益を重要な指標としております。

 

③ 土地成約案件に占める建物請負紹介成約比率

 当社グループは、建築業者と注文住宅希望者との請負マッチングコンサルティングを当社の重要なサービスとして位置付けております。土地選定の段階から、建築請負先の決定までサポートする営業手法は、当社グループの高い顧客満足の源泉の一つと考えております。そのため、当社では土地成約案件に占める建物請負紹介成約比率を重要な指標としており、2022年3月期の建物請負紹介成約比率は21.4%(注)となっております。

(注)建物請負紹介成約比率については、当社内の成約データをもとに、2022年3月期(2021年4月1日~2022年3月31日)における建築請負紹介件数を、同期間における一般顧客への土地売却件数で除して算出したものです。

 

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