事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。また、有価証券報告書に記載した事項は事業等に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。

 

(1)法令・税制の変更に係るリスク及び許認可等について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:大]

 当社の事業に関しては、主として不動産・建築等に関連する各種の法令や条例による規制を受けております。これらの変更によっては、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 また関連する各種税制の変更によっても、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社が事業に関し取得している許認可等は以下のとおりであります。当事業年度末現在、これらの許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、今後、何らかの理由により許認可等の取消等があった場合、当社の事業の活動に支障をきたすとともに当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

許認可等の名称

有効期間

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

許認可(登録)番号

賃貸住宅管理業登録

2021年8月13日から

賃貸住宅管理業法第23条

国土交通大臣登録(02)第0000400号

2026年8月12日まで

宅地建物取引業免許

2019年3月10日から

宅地建物取引業法第66条

国土交通大臣免許(7)第5066号

2024年3月9日まで

一般建設業許可(注)1

2019年5月9日から

建設業法第29条

京都府知事許可(般-1)第30640号

2024年5月8日まで

一般建設業許可(注)2

2019年9月9日から

建設業法第29条

京都府知事許可(般-1)第30640号

2024年9月8日まで

一級建築士事務所登録(注)3

2017年6月28日から

建築士法第9条

京都府知事登録(29A)第01479号

2022年6月27日まで

住宅宿泊管理業者登録

2018年6月15日から

住宅宿泊事業法第42条

国土交通大臣登録(01)第F00072号

2023年6月14日まで

(注)1.一般建設業許可は、塗装工事業であります。

2.一般建設業許可は、建築工事業及び大工工事業、屋根工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、鋼構造物工事業、内装仕上工事業であります。

3.提出日現在、一級建築士事務所登録は更新手続き中であります。

 

(2)不動産市況動向等に係るリスク

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:中期的  影響度:大]

 賃貸住宅需要は景気の動向やそれに伴う雇用環境等に影響を受けやすく、景気の後退やマンションの供給過剰等により、不動産市況が停滞あるいは下落した場合、賃貸住宅用不動産の入居率又は賃料水準が低下することが考えられます。

 この場合、不動産管理事業においては、管理物件にかかわる管理収入が、不動産賃貸事業においては、自社物件の家賃収入が減少する等、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、地価動向等に伴い不動産価格が下落し、保有資産の価値が低下する等の影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3)情報セキュリティに関するリスク

[発生可能性:中  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:大]

 当社は、事業を行うにあたりオーナー様、入居者様等の個人情報や当社と取引関係にある企業の営業上の情報及び当社の経営に関する情報等を保持・管理しておりますが、コンピュータウイルスの感染や外部からシステムへの不正アクセスによるサイバー攻撃の被害に遭い、これらの個人情報や営業上の情報、当社の経営に関する情報等が漏洩又は消失等した場合は、信用の毀損、損害賠償や業務の中断、復旧費用等の発生により、業績に影響を与える可能性があります。

 なお、当社は、2022年5月に、当社サーバーに対する第三者による不正アクセス事案(以下「本不正アクセス」といいます。)が発生し、基幹システムの稼働停止、一部データの喪失などの被害が確認されましたが、外部調査機関による調査の結果、本不正アクセスによる情報窃取、外部流出の痕跡は確認されませんでした。

 当社は、EDRによる検知アラート・収集情報の全体調査及び能動対処等により不正アクセスやマルウェア感染に対する24時間監視体制を築いて、情報セキュリティの脅威に向けた対策を講じております。

 また今後、アカウント管理の厳格化、社内セキュリティ教育の実施などを行い情報セキュリティ体制の強化に努めてまいります。

 

(4)外国人留学生、訪日外国人観光客について

 [発生可能性:高  発生可能性のある時期:短期的  影響度:中]

 当社の事業は、外国人留学生などの外国人顧客の動向により少なからず影響を受けております。

 これらの外国人顧客は、日本の留学生受入政策、観光政策、経済状況、為替相場の状況、外交政策による対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があり、これらの状況の変化により外国人顧客が減少した場合、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)減損会計の適用について

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 当社が所有する固定資産において、不動産市況の悪化による賃料水準の低下、空室率の上昇、金融情勢の悪化等により事業の恒常的なキャッシュ・フローの将来にわたる収益性の著しい低下や保有資産の時価の著しい下落が認識された場合、減損会計を適用することとなり、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)競合について

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:長期的  影響度:中]

 不動産管理事業においては、既存競合他社が多数存在し、競争激化による影響を受けやすい業界構造となっております。当社は、管理物件はもとより自社物件についても管理を行っているため、スケールメリットによる原価低減及びノウハウの蓄積等により不動産管理については高い競争力を有していると自負しておりますが、競合他社の動向によっては当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 不動産賃貸事業においては、人口減少のもと賃貸物件の供給過剰状態が加速する可能性があり、家賃の値下げなど競合する物件の動向によっては当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)新型コロナウイルス感染症について

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:中期的  影響度:中]

新型コロナウイルス感染症の影響については、変異株による感染拡大の懸念があるもののワクチン接種が進んでいることなど感染拡大の防止に向けた動きがみられ、当事業年度末現在においては新型コロナウイルス感染症の影響は比較的軽微でありました。

しかしながら、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、再度緊急事態宣言が発出され社会・経済活動が制限されるような状況になった場合などについては当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

当社の事業においては今後の動静を注視し、必要な対応策を適時に講じるよう努めてまいります。

 

(8)自社物件の賃借人との賃貸借契約について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 不動産賃貸事業において、自社物件の賃借人との賃貸借契約の期間満了時に契約が更改される保証はなく、また賃借人が一定期間前の通知を行うことにより賃貸借期間中であっても賃貸借契約を解約できることとされている場合もあるため、賃貸借契約の解約が増加した場合、後継賃借人が見つかるまでの間、家賃収入が減少する等、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)不動産の欠陥・瑕疵について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 不動産賃貸事業において、当社が不動産の取得を行うにあたっては不動産の権利、構造、環境等に関する欠陥や瑕疵等により予期せぬ損害を被る可能性がないよう、当該不動産の綿密な調査を行い、慎重な対応に注力しておりますが、取得した不動産に欠陥や瑕疵等があった場合には、瑕疵の修復などの追加費用等が生じる場合があります。

 一方で、当社の保有する不動産を売却する場合において、当該不動産の欠陥や瑕疵等について当社の責任が問われた場合には、買主より契約解除や損害賠償請求を受け、また、瑕疵の修復などの追加費用等が生じることにより当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)地域偏在に係るリスク

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 当社が保有・管理している不動産は、京都府、滋賀県、大阪府、兵庫県、愛知県、東京都、神奈川県に所在しておりますが、その大多数が京都府にあります。このため、この地域の条例の規制(例えば京都市の景観条例による建築物、屋外広告物等の規制)がより厳しくなった場合、これらに対応するための費用が発生する可能性があり、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化等により、管理収入、家賃収入が減少する等、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)資金調達及び返済のリスクについて

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 不動産賃貸事業において、当社は物件取得の資金調達に際して、特定の金融機関に依存することなく、案件ごとに金融機関に融資を打診し、融資実行後に物件を取得しております。しかしながら、何らかの理由により計画どおりの資金調達ができなかった場合には、当社の事業展開が影響を受ける可能性があります。また、有利子負債の主な返済原資は保有する不動産(賃貸マンションや駐車場等の自社物件)の家賃収入ですが、家賃条件が想定から悪化した場合、あるいは、入居率が想定より下回った場合等には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)有利子負債への依存について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 自社物件を購入する際にその全額を借入金にて調達し購入していることから、当社の負債比率は一般的に適正とされる比率よりはかなり高い水準となっております。今後、金利の急激な変動や金融情勢の変化により計画どおり資金調達ができない場合には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)自然災害、人災等に係るリスク

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 地震、風水害等の自然災害や、事故、火災、戦争、暴動、テロその他の人災が発生した場合、管理物件、自社物件が、毀損、滅失又は劣化してしまい、管理物件ないし賃貸物件等が減少することにより管理収入・家賃収入が減少し、自社物件については修復のための費用負担が発生する可能性があり、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)レピュテーションリスクについて

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社は、法令遵守、サービスの品質・安全性の確保、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社を取り巻く環境や競合他社及び競合他社を取り巻く環境において何らかの問題が発生した場合、取引先、顧客の評価に悪影響を与え、それにより当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)ストック・オプションと株式の希薄化について

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:長期的  影響度:小]

 当社では、当社及び当社子会社の取締役及び従業員に対し、当社の業績向上に対する貢献意欲や士気を一層高めるとともに、株主との価値共有を推進することにより、企業価値向上に資することを目的とするため、ストック・オプション制度を設け、その一環として新株予約権を付与しております。当事業年度末現在、新株予約権による潜在株式数は340,000株であり、株式の総数(潜在株式を含む。)に対する潜在株式数の割合は7.07%となっております。今後、これらの新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(16)少子高齢化リスクについて

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:長期的  影響度:小]

 日本国内では少子高齢化が進んでおり、今後18歳人口の減少を受けて、学生数が減少する可能性があります。当社管理物件(自社物件を含む)は1R~1LDKといった単身者向けの比率が高いところ、未婚率の増加や単身世帯が増加傾向にあり、単身者向け物件の利用者は若年層(15歳~34歳)の単身者から、中年層(35歳~64歳)、高齢層(65歳以上)へと変化していることからも学生数の減少による影響は軽微であると想定されますが、京都市など特に学生人口が多い地域のマーケットが想定以上に縮小した場合は、当社の業績及び財務状況等に対して影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)外注業務について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社は管理物件、自社物件の大修繕工事、原状回復工事等については、ほぼ外注しているため、当社の選定基準に合致する外注先を十分に確保できない場合、外注先の経営不振や繁忙期等により工期が遅延する場合、あるいは、労働者の不足に伴い外注価格が上昇する場合等には当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)代表取締役への依存について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社の代表取締役である長田修は、当社の創業者であり、創業以来、経営者として経営方針や経営戦略を決定すると共に、新規事業の事業化に至るまでの重要な役割を担っております。

 当社では、役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、長田修に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により長田修の業務執行が困難になった場合には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)人材の確保及び育成について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社の将来の成長は優秀な人材をはじめ人的資源に大きく依存するため、専門性の高い不動産管理の知識と豊富な経験を有する人材の確保と育成が不可欠であります。したがいまして、これらの優秀な人材こそが当社の経営資源の核となるものであり、今後も優秀な人材の中途採用並びに、優秀な学生の新卒採用、人事制度の充実等により人材の育成に積極的に取り組んでいく方針でありますが、当社の求める人材の確保・育成が充分にできない場合や当社の役職員が大量に社外に流出した場合には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)業務運営に係るリスクについて

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社の事業の事務処理は煩雑で件数も膨大であり、業務運営上の事務処理リスク、また管理業務上の事務リスクや不正リスクなどのオペレーショナルリスクが存在します。

 当社では、これらのリスクの軽減を図るため、システム管理等の業務基盤の整備を進めるとともに、業務管理体制の強化を図っておりますが、事務処理における事故・不正等が発生することにより、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)新規物件が取得できない可能性について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 不動産賃貸事業においては、新規に物件を取得するにあたって当社の基準に見合う利回りが確保できる物件がない場合や、資金面で当社が求める基準での調達ができない場合においては、当社の事業計画どおりに新規に物件を取得することが難しくなることが考えられ、その場合には当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクについては、現在の事業エリアに限らず高利回りが期待できるエリアを開拓すること、売主様からの直接購入による取得費用の圧縮等で利回りを確保すること、資金調達においても間接的な調達に依存せず直接資金を調達する方法も取り入れることなどの対応策を講じることで低減できると考えております。

 

(22)訴訟の可能性について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社は当事業年度末現在において、重大な訴訟を提起されている事実はありませんが、事業活動の遂行過程において、取引先及び従業員等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となるリスクを有しております。これらの手続は結果の予測が困難であり、多額の費用が必要となることや、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらの手続において当社の責任を問うような判断がなされた場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(23)労務管理について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社は、法令に基づく適正な労務管理などにより、労務関連リスクの低減に取り組んでおりますが、労務関連のコンプライアンス違反(雇用問題、ハラスメント、人権侵害等)が発生した場合、争訟の発生、会社イメージの低下等により、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

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