課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針・経営戦略等

 当社グループでは、株主、投資家、顧客、従業員、取引先、債権者、地域社会等の全てのステークホルダーの皆様に価値を提供する企業として持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

 当社グループは、当社のスポンサーグループであるスターアジアグループと業務提携契約を締結し、当社グループとスターアジアグループとが両者の強みを活かし協働し、人的・物的リソースを有効活用して持続的かつ安定的に成長することについて合意しております。

 現在のホテル事業は、宿泊特化型ホテル『ベストウェスタン』及び『ココホテル』と中長期滞在型ホテル『バリュー・ザ・ホテル』の3ブランドを事業の中核に据えており、全国的な展開を行っております。当社グループにおいて運営するホテルでは、ハイリスク・ハイリターン型の長期固定賃料支払の賃貸借契約タイプの運営から、運営委託契約を中心とした”Fee-For-Service” (サービスの対価としてのフィー)モデルへの移行に注力しており、低単価・低稼働でも利益が捻出できる経営体質とすべく、既存店舗と近接するエリアへの出店による人的資源の共有化やエリア単位で一括して業務を外注する等、損益分岐点の引き下げを図ることで利益率の高いホテル運営を目指しております。

 また、今後はこれまで行っておりましたホテル事業に加え、不動産事業として既存ホテルとは一線を画す競争力のあるホテル開発や、ホテル開発を通じて得られる情報によって、その延長線上で考えられる様々な不動産の開発にもチャレンジしてまいります。

 加えて、当社では、未曽有のコロナ禍において、一時的にホテル物件の取引市場では買手がほぼ不在となっている状況で、投資収益率及び競争力の高いホテル物件を割安に購入できる機会が増えているため、今後、ホテル運営の受託とともに、ホテル物件の取得を推進し、ホテル物件の所有者でありホテル運営者であるオーナー・オペレーターモデルへのシフトを行ってまいります。割安なホテル物件の取得や出資を通じて、ホテル需給環境の回復に伴い、ホテル運営による収益拡大のみならず、将来的な物件売却益の実現により、高い投資リターンを享受することが期待できます。

 現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大及びその収束時期が当社グループの事業活動に与える影響につきまして、現時点で合理的に予測することが困難な状況ではありますが、株主価値の最大化を図るため中長期的な最低目標として自己資本利益率(ROE)15%を目指しております。

 

(2)経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境につきましては、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の実施などにより国内における経済活動が制限されたことや同感染症に関わる水際対策強化の影響により国内への入国の制限が行われたことなどにより、宿泊需要は引き続き低水準となっており、観光庁が公表している宿泊旅行統計調査によると、2021年において日本人延べ宿泊者数が2019年比35.3%減、外国人延べ宿泊者数が2019年比96.4%減となっております。当社グループにおきましても運営ホテル数及び客室数の増加はありましたが、連結売上高は2019年度比31.9%減となっております。また、翌連結会計年度におきましても同感染症の感染拡大が、当社グループの事業活動に与える影響につきまして、現時点で合理的に予測することが困難な状況でありますが、一定期間にわたり影響が継続するものと考えております。一方で、今後は、Go To トラベルやワクチン接種者の増加などにより国内の移動制限が緩和され、海外へのレジャー旅行需要が国内旅行需要に振り替わるなど宿泊需要の回復も想定されます。

 当社は、新型コロナウイルス感染症の影響により訪日外国人が著しく低下しているものの、日本独自の国民性、食文化、歴史、風土といった観光資源には高い国際競争力があり、中長期的にはこれまでよりも多くの外国人の方々が日本を訪問する時期が来ると考えております。日本政府においても、2030年に訪日外国人6,000万人を目指す方針を堅持しており、当社グループは、コロナ禍により大変厳しい状況ではございますが、このような状況を成長戦略実現のための千載一遇の機会と考えております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、当社グループにおける経営方針・経営戦略等及び経営環境を踏まえて、下記の課題を認識し対処してまいります。

 ホテル事業における業績の改善のため、引き続き、コロナ禍における社会情勢の変化に対応した医療従事者向けプランやテレワーク向け等の販売プランの造成及び推進、レストラン部門の外注化及び法人契約の拡大等を行い、レベニュー・マネジメントチームを中心とした各地域の同感染症の回復状況に応じた客室販売戦略及び料金戦略の立案、実行を行ってまいります。また、ホテル運営における業務プロセスの効率化、自動化を行いローコストオペレーションに努めてまいります。

 ホテル事業におけるアフターコロナの業績拡大のため、フィー収入型ホテルやオーナー・オペレーターモデルホテル等の損益分岐点の低いホテルを中心にスターアジアグループとのリレーションも活用しつつ、運営するホテル数の増加を図ってまいります。

 不動産事業につきましては、同感染症の影響により変化するホテル業界に対して、不動産事業の観点から開発やリノベーションの検討を行ってまいります。

 財政基盤を強化するため、翌連結会計年度以降もコロナ禍の状況が一定期間続くことが想定されるため、金融機関を中心に資金の借入れ等を行っていきたいと考えております。

 

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