業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景とした生活様式の変化や各地での緊急事態宣言発出による経済損失、食品原料価格や海運コストの高騰など、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

食品業界におきましても、ドラッグストア等の食品の取り扱い強化や食品ECの市場規模拡大により、企業間の競争はますます厳しい状況となりました。

このような状況の中でも、当社グループの主力事業である「業務スーパー」の新規出店は前年実績を大きく上回りました。また、当社の強みである「食の製販一体体制」を活かしたPB商品が数々のメディアやSNSに取り上げられたことで、多くのお客様にご来店いただき、既存店も堅調に成長を続けております。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高362,064百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益27,311百万円(同14.5%増)、経常利益29,087百万円(同23.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益19,592百万円(同30.2%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、前連結会計年度において「クックイノベンチャー事業」を構成しておりました株式会社クックイノベンチャー、株式会社ジー・コミュニケーション、株式会社ジー・テイスト(現 株式会社焼肉坂井ホールディングス)及びその他連結子会社11社について、2020年4月1日をみなし売却日として連結の範囲から除外しております。このため、当連結会計年度より当該報告セグメントを廃止しております。

また、当連結会計年度より、従来「神戸クック事業」としていた報告セグメントの名称を「外食・中食事業」に変更するとともに、当社グループの事業展開、経営管理体制の実態等の観点から事業セグメントの区分方法を見直し、「その他」に含まれていた焼肉事業を「外食・中食事業」に含めております。

 

(業務スーパー事業)

当連結会計年度における業務スーパー事業において、NB商品だけではなく自社グループ工場で製造する商品や自社直輸入商品等のPB商品をベストプライスで販売する「業務スーパー」の出店状況は、出店77店舗、退店6店舗、純増71店舗の結果、総店舗数は950店舗となりました。

新規出店の内訳といたしましては、直轄エリア52店舗、地方エリア25店舗であります。出店に関しましては関東地方や九州地方を中心に新規出店を進めると同時に、営業年数が長くなり老朽化してきた店舗の移転等を積極的にFCオーナーに勧めております。

商品戦略につきましては、引き続きコストパフォーマンスの高いNB商品の提供に加え、自社グループ工場の設備増強や自社直輸入商品の充実等に注力いたしました。消費者の節約志向が根強い中、顧客ニーズをとらえたこれらの商品が多くのお客様のご来店に繋がりました。

この結果、業務スーパー事業における当連結会計年度の売上高は355,466百万円(同11.0%増)となりました。

 

(外食・中食事業)

当連結会計年度における外食事業において、日本最大級の大型バイキングチェーンである「神戸クック・ワールドビュッフェ」の出店状況は、出店1店舗、退店3店舗、純減2店舗の結果、総店舗数が15店舗となりました。厳選したお肉と店内手作りのデザートを心ゆくまで楽しめる焼肉オーダーバイキングである「プレミアムカルビ」の出店状況は、出店7店舗、退店0店舗、純増7店舗の結果、総店舗数が10店舗となりました。

また、中食事業において、日常の食卓代行をコンセプトとして安全・安心・出来立て・価格等にこだわった惣菜店である「馳走菜」の出店状況は、出店24店舗、退店0店舗、純増24店舗の結果、総店舗数は49店舗となりました。

「神戸クック・ワールドビュッフェ」では、一部店舗で新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、適宜営業時間の短縮や臨時休業を実施いたしました。それにより、売上高が前年実績を下回りました。一方、「プレミアムカルビ」につきましては、営業時間の短縮を行ったものの、店舗数の増加や焼肉業態の人気により順調に推移しております。また、「馳走菜」につきましては、「業務スーパー」の来店客数の増加や新型コロナウイルス感染症対策の実施が功を奏し、好調に推移いたしました。

この結果、外食・中食事業における当連結会計年度の売上高は3,889百万円(同55.0%増)となりました。

 

(エコ再生エネルギー事業)

当連結会計年度におけるエコ再生エネルギー事業において、新たに大阪府で1ヵ所の太陽光発電所が2021年5月から稼働しております。そのため、稼働中の発電所と発電量は、太陽光発電所が17ヵ所で約32.1MW、木質バイオマス発電所が1ヵ所で約6.2MWとなっております。

この結果、エコ再生エネルギー事業における当連結会計年度の売上高は2,668百万円(同11.1%増)となりました。

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末と比べ8,562百万円増加し、156,737百万円(前年比5.8%増)となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比べ6,293百万円減少し、95,862百万円(同6.2%減)となりました。その主な要因は、借入金の返済等による現金及び預金の減少12,010百万円、商品受注量の増加や輸入商品の納期遅れに備えるための商品及び製品の増加3,752百万円であります。

固定資産は、前連結会計年度末と比べ14,855百万円増加し、60,874百万円(同32.3%増)となりました。その主な要因は、国内自社グループ工場の設備増強や新社屋建設による有形固定資産の増加13,448百万円であります。

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ10,387百万円減少し78,518百万円(同11.7%減)となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比べ4,140百万円増加し、51,047百万円(同8.8%増)となりました。その主な要因は、買掛金が2,996百万円増加したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末と比べ14,528百万円減少し27,471百万円(同34.6%減)となりました。その主な要因は、長期借入金が15,155百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産額は、前連結会計年度末と比べ18,949百万円増加し、78,218百万円(同32.0%増)となりました。その主な要因は、利益剰余金が16,349百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比べ9.8ポイント上昇し、48.8%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度の267円42銭に対し、350円49銭となりました。

なお、当社は2020年11月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。上記の1株当たり純資産額につきましては、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11,574百万円減少し、56,710百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は21,261百万円となり、前連結会計年度に比べ1,718百万円の収入の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の増加6,506百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は17,407百万円となり、前連結会計年度に比べ92百万円の支出の増加となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出の増加5,982百万円、前連結会計年度に行った連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却を当連結会計年度は行わなかったことによる支出の減少5,136百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は16,526百万円となり、前連結会計年度に比べ12,822百万円の支出の増加となりました。これは主に当連結会計年度は資金調達を行わなかったことによる長期借入れによる収入の減少11,660百万円、長期借入金の返済による支出の増加1,518百万円等によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

イ 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2020年11月1日  至  2021年10月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

業務スーパー事業

31,905

120.3

外食・中食事業

エコ再生エネルギー事業

1,999

103.1

その他

34

合計

33,939

119.3

(注)1.金額は株式会社神戸物産、大連福来休食品有限公司、神戸物産(安丘)食品有限公司、KOBE BUSSAN EGYPT Limited Partnership、Kobebussan Myanmar Co.,Ltd.、株式会社オースターフーズ、株式会社ターメルトフーズ、秦食品株式会社、株式会社マスゼン、株式会社肉の太公、株式会社麦パン工房、宮城製粉株式会社、株式会社神戸物産エコグリーン北海道、株式会社グリーンポートリー、珈琲まめ工房株式会社、豊田乳業株式会社、関原酒造株式会社、菊川株式会社、株式会社朝びき若鶏における製造原価によります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ 受注実績

当社グループは市場動向の予測に基づく見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。

 

ハ 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日 至 2021年10月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

 

業務スーパーFC事業

283,498

110.7

業務スーパー直営小売事業

2,459

110.6

業務スーパー事業

285,957

110.7

外食・中食事業

2,833

141.1

エコ再生エネルギー事業

その他

合計

288,791

110.9

(注)1.当連結会計年度における輸入実績は、58,286百万円であり、前年同期比112.4%であります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

ニ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日 至 2021年10月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

 

業務スーパーFC事業

352,414

111.0

業務スーパー直営小売事業

3,051

113.3

業務スーパー事業

355,466

111.0

外食・中食事業

3,889

155.0

エコ再生エネルギー事業

2,668

111.1

その他

40

52.2

合計

362,064

106.2

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当期販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2019年11月1日

至  2020年10月31日)

当連結会計年度

(自  2020年11月1日

至  2021年10月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社G-7スーパーマート

65,704

19.3

71,408

19.7

 

当連結会計年度における地域別FC店舗数は次のとおりであります。

業務スーパー

店舗数

直轄

エリア

関西(252)

滋賀県(15)京都府(38)大阪府(96)兵庫県(65)奈良県(20)和歌山県(18)

関東(257)

埼玉県(58)千葉県(45)東京都(82)神奈川県(72)

九州(52)

福岡県(30)佐賀県(3)長崎県(6)熊本県(8)大分県(4)宮崎県(1)

北海道(18)

北海道(18)

地方エリア(368)

青森県(11)岩手県(16)宮城県(12)山形県(13)福島県(14)茨城県(20)

秋田県(5)栃木県(16)群馬県(12)新潟県(20)富山県(6)石川県(9)

福井県(6)山梨県(7)長野県(13)岐阜県(4)静岡県(46)愛知県(26)

三重県(8)鳥取県(3)島根県(1)岡山県(19)広島県(35)山口県(8)

徳島県(2)香川県(12)愛媛県(8)高知県(4)鹿児島県(3)沖縄県(8)

兵庫県洲本市(1)

直営店(3)

兵庫県(2)大阪府(1)

合計

950店舗

 

神戸クック・
ワールドビュッフェ

店舗数

直轄

エリア

関西(3)

大阪府(1)兵庫県(1)奈良県(1)

その他(5)

福岡県(4)静岡県(1)

地方エリア(6)

栃木県(1)群馬県(1)富山県(1)石川県(1)福井県(1)岐阜県(1)

直営店(1)

兵庫県(1)

合計

15店舗

 

馳走菜

店舗数

直轄

エリア

関西(14)

滋賀県(1)京都府(4)大阪府(4)兵庫県(3)奈良県(2)

関東(9)

埼玉県(2)千葉県(1)神奈川県(6)

九州(13)

福岡県(6)佐賀県(2)長崎県(1)熊本県(1)大分県(2)宮崎県(1)

北海道(1)

北海道(1)

地方エリア(8)

宮城県(3)新潟県(3)静岡県(1)愛媛県(1)

直営店(4)

神奈川県(1)大阪府(1)兵庫県(2)

合計

49店舗

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国で一般に公正妥当と認められている会計基準に従って作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりです。

 

②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載しております。

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち、主なものは商品仕入れのほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、食品製造工場や再生エネルギー事業等への設備投資、M&A等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入を基本としております。また、多額な資金需要が発生した場合には、これらに加えエクイティファイナンス等による調達手段についても検討することとしております。

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得