(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の進展により経済活動にも緩やかな回復の兆しがみられましたが、新たな変異株が急速に感染拡大したことによって依然として収束の見通しが立たず、厳しい状況が続いております。
小売業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による景気の下振れリスク、個人所得や雇用の悪化リスクに加えて、原材料及びエネルギー価格の高騰に伴う仕入価格の上昇など、引き続き先行きは不透明で厳しい経営環境にあります。
このような状況のもと、当社グループが営むホームセンター事業については、社会的なインフラとしての役割を果たすべく、お客さま及び従業員の安全と健康を最優先に考え、感染拡大防止策を講じながら営業を継続してまいりました。
販売面においては、前期の新型コロナウイルス対策商品の需要や特別定額給付金による需要の反動減等の影響により減収となりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大前より商品強化と売場拡大に取り組んできた効果もあって、ガーデニング用品やDIY用品、レジャー用品は好調に推移しており、前々期比では増収となっております。DCMブランド商品につきましては、商品開発・販促強化などに取り組んだ効果もあり、好調に売上を伸ばしつつ、売上高構成比率も引き上げることができました。
当社グループの新規出店については9店舗、退店については3店舗を実施しました。これにより、当連結会計年度末日現在の店舗数は669店舗となりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して416億9千8百万円減少し、4,491億5千1百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して482億2千5百万円減少し、2,084億1千6百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して65億2千7百万円増加し、2,407億3千5百万円となりました。
ロ.経営成績
営業収益は4,447億5千0百万円(前年同期比94.4%)、営業利益は306億4千9百万円(前年同期比101.3%)、経常利益は303億1千7百万円(前年同期比102.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は188億9百万円(前年同期比101.2%)となりました。
ハ.セグメント別の状況
当社はホームセンター事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
ニ.主要商品部門別の状況
(園芸部門)
前期からのガーデニングの需要は継続しており、植物や用土、プランターなどが好調に推移しました。DCMブランド商品は新規に展開したハーブ苗や花苗が好調でした。その結果、売上高は666億6千1百万円(前年同期比99.4%)となりました。
(ホームインプルーブメント部門)
木材や鉄など原材料の高騰により価格上昇の影響を受けましたが、合板や仮設資材などの需要は継続しました。DIY関連商品では、作業衣料や工具は好調に推移しましたが、全体的には前期の反動を受けました。その結果、売上高は966億1千4百万円(前年同期比98.1%)となりました。
(ホームレジャー・ペット部門)
レジャー用品の需要は継続しており、テントや調理用品などキャンプ用品を中心に好調に推移しました。一方、室内スポーツ・トレーニング用品、カー用品は前期の反動を受けました。その結果、売上高は637億7千9百万円(前年同期比95.1%)となりました。
(ハウスキーピング部門)
新型コロナウイルス感染対策としてのアルコール除菌関連商品やハンドソープなど、ハウスキーピング部門全体で前期の反動を大きく受けました。一方、マスクは機能性マスクやカラーマスクが好調に推移しました。その結果、売上高は1,010億4千7百万円(前年同期比91.8%)となりました。
(ホームファニシング部門)
在宅勤務継続の影響により、ビジネスチェアやデスクなどのオフィス家具が好調に推移しました。インテリア用品ではラグ等好調に推移したものもありましたが、カーテンやテーブルクロス、収納用品など全体的には前期の反動を受けました。その結果、売上高は248億3千0百万円(前年同期比89.4%)となりました。
(ホームエレクトロニクス部門)
物置や収納庫など前期に敬遠されたエクステリアは好調に推移しましたが、家電製品関連は特別定額給付金や新型コロナウイルス対策商品の需要の反動減が大きく影響して全体的に低調でした。その結果、売上高は471億2千1百万円(前年同期比92.0%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは37億2千0百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ489億6千3百万円支出が増加いたしました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益の約6億円の改善や法人税等の還付額の増加などであります。一方、主な減少要因は、前連結会計年度末が金融機関の休日であったため一部の支払いが当連結会計年度になったこと及び法人税等の支払額の増加などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは74億8千9百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ85億1千2百万円支出が減少いたしました。主な要因は、無形固定資産の取得による支出の増加と有形固定資産の取得による支出の減少などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは246億2千0百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ370億4千2百万円支出が増加いたしました。主な要因は、長期借入れによる収入の減少によるものであります。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ358億3千0百万円減少し、441億4百万円となりました。
③ 仕入及び販売の実績
当社グループ(当社、連結子会社5社及び持分法適用関連会社1社、以下同じ)は、ホームセンター事業を主たる業務としているため、生産及び受注の実績は記載しておりません。また、投資情報の有用性の観点から、連結子会社を基礎とした地域別のセグメントに代えて、事業部門別に仕入及び販売の実績を記載しております。
イ.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
事業部門 |
当連結会計年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) (百万円) |
前期比(%) |
ホームセンター事業 |
|
|
園芸 |
45,440 |
105.3 |
ホームインプルーブメント |
59,069 |
96.1 |
ホームレジャー・ペット |
43,372 |
101.8 |
ハウスキーピング |
74,025 |
96.0 |
ホームファニシング |
14,616 |
91.7 |
ホームエレクトロニクス |
32,437 |
96.4 |
その他 |
16,890 |
66.5 |
ホームセンター事業計 |
285,853 |
95.5 |
商品供給高 |
11,052 |
109.9 |
合計 |
296,905 |
96.0 |
(注)1.記載金額には消費税等は含まれておりません。
2.ホームセンター事業の部門別の主な取扱商品は、次のとおりであります。
部門 |
取扱商品 |
園芸 |
園芸用品、大型機械、農業・業務資材、屋外資材、植物他 |
ホームインプルーブメント |
作業用品、金物、工具、塗料、補修、木材、建築資材他 |
ホームレジャー・ペット |
カー用品、スポーツ、玩具、自転車、レジャー、ペット用品他 |
ハウスキーピング |
日用消耗品、文具、ダイニング・キッチン、バス・トイレタリー、 ヘルスケア・ビューティケア、食品他 |
ホームファニシング |
インテリア、寝具、家具収納他 |
ホームエレクトロニクス |
家庭電器、冷暖房、電材・照明、AV情報機器、住宅設備、エクステリア他 |
その他 |
テナント植物、テナントペット、灯油、工事費、サービス料他 |
ロ.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
事業部門 |
当連結会計年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) (百万円) |
前期比(%) |
ホームセンター事業 |
|
|
園芸 |
66,661 |
99.4 |
ホームインプルーブメント |
96,614 |
98.1 |
ホームレジャー・ペット |
63,779 |
95.1 |
ハウスキーピング |
101,047 |
91.8 |
ホームファニシング |
24,830 |
89.4 |
ホームエレクトロニクス |
47,121 |
92.0 |
その他 |
25,769 |
82.0 |
ホームセンター事業計 |
425,825 |
94.0 |
商品供給高 |
11,897 |
108.1 |
合計 |
437,722 |
94.3 |
(注)記載金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態
当連結会計年度末における資産残高は、店舗数の増加などにより棚卸資産が増加した一方、前連結会計年度末が金融機関の休日であったため仕入債務の支払いが当連結会計年度になったことにより現金及び預金が減少したことなどから、資産合計は前連結会計年度末に比較して416億9千8百万円減少し、4,491億5千1百万円となりました。
負債残高は、前連結会計年度末が金融機関の休日となった影響により仕入債務が減少したこと及び借入の返済が進んだことなどから、負債合計は前連結会計年度末に比較して482億2千5百万円減少し、2,084億1千6百万円となりました。
純資産残高は、自己株式の取得や配当金の支払による減少の一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などから、純資産合計は前連結会計年度末に比較して65億2千7百万円増加し、2,407億3千5百万円となりました。
ロ.経営成績
(売上高)
前期の新型コロナウイルス対策商品の需要や特別定額給付金による需要の反動減等の影響により、売上高は4,377億2千2百万円(前期比94.3%)となりました。
(売上総利益)
定番商品の商品構成の見直しや、DCMブランドの売上構成比の上昇をすすめたことなどにより、売上総利益率は33.7%と前期に比べ0.4ポイント改善しましたが、売上総利益は1,473億8千6百万円(前期比95.3%)となりました。
(営業利益)
販促活動の正常化により広告宣伝費の増加はありましたが、全体的に販売費及び一般管理費をコントロールしたことから、前期に比べ76億5千8百万円減少し、営業利益は306億4千9百万円(前期比101.3%)となりました。
(経常利益)
借入金返済による支払利息の減少などにより、経常利益は303億1千7百万円(前期比102.6%)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
減損損失19億5百万円の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は188億9百万円(前期比101.2%)となりました。
ハ.中期経営計画の進捗状況
当社グループは、2023年2月期を最終年度とする中期経営計画(2020年度~2022年度)を策定しており、その進捗状況については次のとおりであります。
|
2021年度 (2022年2月期)実績 |
2021年度 (2022年2月期)計画 |
達成状況 |
売上高 |
437,722百万円 |
432,000百万円 |
101.3% |
営業利益 |
30,649百万円 |
22,000百万円 |
139.3% |
営業利益率 |
7.0% |
5.1% |
1.9ポイント |
経常利益 |
30,317百万円 |
21,300百万円 |
142.3% |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
18,809百万円 |
13,600百万円 |
138.3% |
ROE |
7.9% |
6.6% |
1.3ポイント |
当社グループは、営業利益率、ROEを重要な指標として位置付けております。
当連結会計年度における営業利益率は7.0%(前期比0.5ポイント増加)、ROEは7.9%(前期比0.7ポイント減少)となりました。
ニ.資本の財源及び資金の流動性
1)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末が金融機関の休日であったため仕入債務168億1百万円の支払いが当連結会計年度になったこと及び法人税等の支払額の増加などから37億2千0百万円の支出(前連結会計年度は452億4千3百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、新規出店や改装などによる有形固定資産の取得による支出59億9千9百万円、ソフトウエアなどの無形固定資産の取得による支出31億4千8百万円などにより、74億8千9百万円の支出(前連結会計年度は160億2百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出130億8千9百万円、自己株式の取得による支出54億9千3百万円、配当金の支払いによる支出48億3千0百万円などにより、246億2千0百万円の支出(前連結会計年度は124億2千1百万円の収入)となりました。
2)契約債務
2022年2月28日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
年度別要支払額(百万円) |
||||
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
社債 |
10,000 |
- |
10,000 |
- |
- |
長期借入金 |
103,879 |
30,111 |
36,267 |
37,500 |
- |
リース債務 |
15,660 |
906 |
2,573 |
1,883 |
10,297 |
3)財務政策
(資金需要)
当社グループの資金需要は、営業活動については、商品販売に必要な運転資金(商品仕入、販管費等)が主な内容であります。
投資活動については、店舗の出店・修繕、生産性向上のための設備投資などが主な内容であります。加えて、企業買収及び事業等の譲受け並びに資本業務提携等(以下「M&A」といいます。)による資金需要が随時発生いたします。
(財務政策)
当社グループは、運転資金については内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。
設備投資については、営業キャッシュ・フローの範囲内で実施することを基本としておりますが、不足が生じた場合並びにM&A実行時は、長期借入金・社債等により調達を行っております。
長期借入金、社債等の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の返済時期等を勘案し、調達規模、調達手段を適宜判断して実施しております。
現時点では、M&Aによる規模拡大を重要視しており、機動的に対応できるよう手許資金を厚くする方針であります。平常時はグループファイナンスにより、当社グループ内での余剰資金の有効活用・有利子負債の圧縮を図っております。
株主還元については、安定した配当を維持することが重要であると考えております。安定配当をベースに1株当たり利益の増加にあわせて増配等を行ってまいりたいと考えております。自己株式については、事業計画の進捗状況、業績見通し、株価・金融市場動向等を総合的に勘案して取得を検討していく方針であります。
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