課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針(経営方針)

当社グループは「食を通じた新たな価値の創造と提供」をミッションに、「新たな価値を生み出すブランド創出」、「新たな価値を提供する多様な販売手法の構築」、「新たな価値を支える経営基盤の確立と持続的成長」という3つの中長期戦略を実行しております。戦略に紐づく各課題へ積極的に取り組み、生産・流通・販売の3機能が相互に価値を発揮する事業ポートフォリオの構築に努めております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、2023年3月期から2025年3月期までの3年間を対象とする中期経営計画を策定し、 「新たな価値を創造し、提供するグローバル食品・飲料メーカーへ」をグループテーマに掲げ、 2025年3月期には、連結売上高880億円、連結営業利益20億円、連結経常利益18億円をそれぞれ達成することを目標としております。

収益指標や財務指標については、収益指標を営業利益率2.3%、EBITDAマージン5.1%、ROE(自己資本利益率)7.7%としております。また、財務指標を純有利子負債のEBITDA倍率3.1倍、純有利子負債の純資産倍率1.1倍としております。

 

(3) グループ方針

① 持続的成長モデルの確立

・消費者のライフスタイルの変化に応える商品・サービスの提供

・デジタルトランスフォーメーション(DX)による生産・流通・販売機能の競争力強化

・製販一体型モデルの深化による事業の生産性と収益性の向上

・「食」を通じて健康増進や豊かな生活を実現する新規事業(ウエルエイジング事業)の推進

② 事業リスクの耐性強化

・安定的な生産と供給を確保する様々なリスクへの耐性強化

・グループ会社の収益率基準の設定

・財務体質の強化(フリーCFの黒字化と負債比率の低減)

③ 当社が目指すSDGsの実現

・乳業や醸造工場で排出されるCO2削減による環境保全や地域貢献の実現

・生産及び販売部門で発生するフードロスや食材廃棄の低減

・グループ各社における障がい者雇用や人材の多様化を推進

 

(4) 部門別の重点目標

① 生産部門

(乳業事業)

・ノンデイリーと機能性飲料の開発強化による商品ポートフォリオの拡充と収益性向上

・設備投資と人員体制の増強による生産性の向上

 

(醸造事業)

・醸造技術を生かし付加価値の高い機能性飲料や調味料の開発強化

・海外市場向け商品開発を強化し輸出比率を高める

 

② 流通部門

・ブランド・商品ポートフォリオ戦略:消費者のライフスタイルやニーズに適ったブランド・商品ポート

 フォリオの拡充

・ソリューション機能強化:取引先の課題解決と新たな価値創造の実現

・デジタルマーケティングの強化:電子取引、通販等のデジタルマーケティングの強化 

 

③ 販売部門

・ブランド・商品ポートフォリオ戦略:高付加価値を有するブランドを中心に事業ポートフォリオの再構築

・製販一体型モデルの推進:優良ブランドの料飲から小売商品に至るトータル展開を推進

 

④ 全社

・新中期経営計画の実現によりプライム市場への市場替えを目指す

 

(5) 経営環境及び対処すべき課題

当連結会計年度におけるわが国経済は、前期に引き続き新型コロナウイルス感染症の流行による影響を大きく受けました。ワクチン接種の普及等により、経済活動は持ち直しの動きがみられたものの、新たな変異株の流行や不安定な世界情勢による原油価格や穀物価格の高騰などにより、企業業績が左右される非常に厳しい経営環境が続いております。

当社グループは、新しい経営方針である「新たな価値を創造し、提供するグローバル食品・飲料メーカーへ」の実現のため、「新たな価値を生み出すブランド創出」、「新たな価値を提供する多様な販売手法の構築」「新たな価値を支える経営基盤の確立と持続的な成長」の3つの戦略を遂行するにあたり対処すべき課題は以下の通りと考えております。

① 最適な事業ポートフォリオの構築

2021年11月に公表した新中期経営計画「Next JFLA 2025」に基づき、当社グループは新たな成長に向けた事業体制を整えております。当計画のテーマである「新たな価値を創造し、提供するグローバル食品・飲料メーカーへ」の実現のために、機動的なアライアンスや事業再編の実施を通して最適な事業ポートフォリオの構築を進めてまいります。

 

② 経営基盤の強化

当社グループの更なる事業拡大及び持続的な成長を遂げていくためには、最適な事業ポートフォリオの構築に加え、財務健全性向上の観点から適正な自己資本比率や資本効率の向上等の取り組みにより経営基盤の強化を図っていくことが必要であると認識しております。

 

③ 既存事業の深化と転換

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当社グループを取り巻く事業環境は急速な変化を遂げる中、このような環境下で持続的な成長を遂げていくために、当社の中核事業である生産事業では、強みである発酵・醸造技術を活かした高付加価値の機能性飲料・食品の開発並びに製造販売に注力してまいります。流通事業では、Eコマースやセールスドライバーの強化によるD2C機能の強化や欧州を中心とした海外パートナー企業との国内市場ニーズに呼応・合致した商品共同開発などに注力してまいります。販売事業では、販売機能を有し一定の知名度があるブランドの強化をする一方で、既存の来店型外食事業は縮小し、デリバリー・テイクアウト複合型事業モデルの推進やオンライン販売やクラウドキッチンの整備と構築などにより、商品開発と生産機能を有する販売事業への再編を進めてまいります。

 

④ 新規事業の創出と既存事業との融合

当社グループは、2021年1月から健康増進に関する新規事業「ウェルエイジング事業」を開始しております。パフォーマンス向上を目的とした事業に当社の強みである発酵・醸造技術を活かした高付加価値の機能性飲料・食品の開発との融合により競争優位性が発揮できる独自のポジションを確立してまいります。

 

 

⑤ コーポレート・ガバナンス体制の強化

当社グループの持続的な成長及び企業価値向上を実現するために、コーポレート・ガバナンス体制の強化が重要であると認識しております。経営の透明性及び健全性確保の観点から、リスク管理の整備やグループ全体の横断的なコンプライアンス体制による法令遵守の徹底に努め、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。

 

⑥ 財務上の課題

当連結会計年度末における有利子負債は23,431百万円(前連結会計年度末比1,449百万円減少)となっております。また、主要な財務指標は、自己資本比率14.4%となっております。グループの事業拡充を優先すべく有利子負債については増加傾向でありましたが、目標とする経営指標や中長期的な会社の経営戦略を踏まえ、今後は従来以上に有利子負債削減と財務指標に重点を置いた事業運営を行ってまいります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得