課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社グループは、自らのクリエイティブ魂に火をつけ、プロダクト及びサービスを通じて顧客体験価値を最大化し、クリエイティブな炎を燃え上がらせることを体現することを目指し、Mission「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げ、コマース事業とプラットフォーム事業とをそれぞれ継続的に進化・成長させることに取り組んでおります。

 

(2) 経営戦略及び対処すべき課題

今後の事業展開において、各事業が更なる事業拡大・成長を目指すに当たり、様々な課題を認識しております。当社グループは、これらの課題に以下のとおり迅速に対処してまいります。

① 全社的な課題

a.優秀な人材が働きやすい環境の整備

継続的な成長の原資である人材は、当社グループにとって最も重要な経営資源と認識しております。当社グループの商品開発力やその他業務の遂行能力を維持し、継続的に発展、強化していくためには、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長機会を提供していく必要があります。当社グループにおいては、デザイナー、開発エンジニア等のクリエイティブ人材を継続的に採用し、商品クオリティの向上、開発スピードの向上等によって、ユーザーのニーズに対応していくことが重要であります。2020年にフルテレワーク可能な人事制度を構築し、様々なテレワークに関するツールを導入したほか、2021年には従前のオフィスワークとテレワーク両方に最適なオフィスに転換するなど働きやすい環境を整備しました。今後も、テレワークが普及している状況ではあるものの、社内コミュニケーションの活性化も並行して図っていくことで、デジタルだけでなくリアルな場で生みだされる価値も大切にしていきます。

b.コンプライアンス体制の維持向上

近年、企業活動においては高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。当社グループでは、コンプライアンスマニュアルの制定、コンプライアンス担当役員の選任、法務部門の設置等、コンプライアンスを徹底する体制の強化を実施しておりますが、お客様からの信頼性向上のため、今後も社内教育を通してコンプライアンス体制の維持向上を図っていく方針であります。

c.ESGの推進

当社グループは、Missionとして「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げており、そのMissionに基づき、ESGに関するマテリアリティ(重要課題)を特定しております。各マテリアリティ達成に向けて、事業活動を通じて取り組むべき目標とそのアクションプランを中期経営計画や当社ホームページにて公表しております。具体例といたしましては、SDGsの目標12『つくる責任・つかう責任』を果たせるような持続可能性のあるプロジェクトである「RUKAMO」において滞留在庫・産業廃棄物の課題解決に取り組んでいるほか、主力商品であるスマートフォンケースのリサイクルを行うプロジェクトである「Hameeエコタマプロジェクト」等を企画・実施しております。しかしながら、アクションプランについては充分でないとの認識もあり、引き続き、アクションプランの拡充に取り組んでまいります。

d.新型コロナウイルス感染症対策

新型コロナウイルス感染症の急速な拡大に伴い、これに対応するべく、当社グループでは災害対策本部の設置、在宅勤務制度の導入、感染防止策の周知徹底等を行うことにより従業員をはじめとするステークホルダーの安全を確保し、政府・各自治体の方針・要請に基づいた感染予防・感染拡大防止に努め、事業を継続させていきます。

 

② コマースセグメント

a.単一市場、単一カテゴリー(スマートフォンアクセサリー)への依存度

コマースセグメントの売上構成は、8割以上が日本国内市場であり、そしてそのほとんどがスマートフォンアクセサリーカテゴリーとなっております。事業基盤をより安定させるために、グローバル展開の加速と、カテゴリー拡張や新規事業創出が必要だと認識しています。

これに対処するべく①EC運営ナレッジ、②自社で企画・開発・製造を行い卸販売、EC小売の2つの販売チャネルをバランス良く保持しているサプライチェーン、③認知度の高いiFaceブランドといった強みを活かした、カテゴリー拡張、新規事業創出を積極的に行いつつ、グローバル展開を更に加速させていきます。新しい経営戦略として、下記3点を柱として取り組んでいきます。

1.New Business戦略(カテゴリー拡張・新規事業創出)

2.DX・SX戦略

3.グローバル戦略(海外売上シェア拡大)

1.New Business戦略(カテゴリー拡張・新規事業創出)

既存事業(スマートフォンアクセサリ)で培った強みを活かせる領域で、カテゴリー拡張、新規事業創出を積極的に行っていきます。スマートフォンアクセサリーを中心としたモバイルライフ事業をベースの事業として、コスメブランドByURを中心としたコスメティクス事業、ゲーミングモニターブランドPixioを中心としたゲーミングアクセサリー事業を注力事業として積極的に投資を行っていきます。またそれ以外の領域に関しても、社内新規事業創出制度やM&Aを通じてカテゴリー拡張、新規事業創出に取り組んでいきます。

2.DX・SX戦略

カテゴリー拡張、新規事業創出によって増加した顧客とのタッチポイントを、デジタルで強く長く繋がり、それらを連携させてさらに収益が生み出せるよう、事業全体のDXに取り組んでいきます。また強みである上流~下流までのサプライチェーンの自社コントロールをさらに強化し、各機能ごとに顧客ニーズを的確に反映できるような改善サイクルを生み出せるよう組織全体でDXを進めていきます。またモノづくりには必ず発生してしまう、不稼働在庫を極力削減するサプライチェーンの構築や、自社プラスチック製品の再利用の仕組みの構築といったSXにも取り組み、収益安定性、成功再現性、持続成長可能性をアップさせていきます。

3.グローバル戦略(海外売上シェア拡大)

国内市場依存からの脱却を図るため、日本⇔韓国で培った経営ノウハウ・資源を活かし、Hamee Global Inc.が主軸となって主にアメリカ市場をターゲットに海外販売シェアの拡大を図ります。アメリカでは、低反発玩具(スクイーズ等)、音楽玩具(オタマトーン)を現地向けに企画・開発を行い、小売、卸販売を拡販しつつ、自社企画商品であるiFaceを中心としたスマートフォンアクセサリーを展開し、3年後の海外販売シェア20%を目指します。

b.ブランド力の強化

当セグメントが属するスマートフォンアクセサリー市場は今後も大きく変化し、競争も激化することが予想されます。そのような環境の中で、主力ブランドでありコアコンピタンスでありコスメティクスをはじめとするカテゴリー拡張の要であるiFaceが今後も顧客から選ばれるブランドであるべく、その価値向上を図るため、一層のブランディング強化を行います。iFaceは発売から10周年を迎える事が出来ました。スマートフォンアクセサリーブランドとして10年の歴史を積み上げてきた、オンリーワンな強みを最大限活用し、更なる成長を目指します。

 

③ プラットフォームセグメント

a.強固な顧客基盤の構築

ネクストエンジンは主として(EC流通額)中規模事業者に対して支持されているサービスであり、5,400社を超える顧客にご利用いただいています。今後も引き続き、以下の取り組みを推進し、顧客によるEC事業の成長実現を通じて、総契約社数の拡大を目指します。

・無料インバウンド強化のためのプロモーション活動

・サポート体制の充実化と代理店の活用による契約率の向上

・高機能化と二律背反の関係にあった初期設定の煩雑さを軽減

・スムーズなデータ連携とEC事業者の作業時間短縮化

・APIを豊富に開発することで他社サービスとの連携幅を更に拡大

・新規顧客の増加へ対応しつつ、顧客満足度を維持するための、コールセンターのアウトソース

・不十分な運用習得による解約の抑制

更に、コロナ禍における環境の変化として(EC流通額)小規模事業者が広がりを見せており、今後も拡大することが見込まれており、ネクストエンジンが更なる成長加速を目指す上で、中規模事業者を中心としているサービスから、今後3年間は小規模事業者向けにサービスを拡張・充実させることで、顧客基盤を強化し、総契約社数の更なる拡大を目指します。小規模事業者の興味関心は経営上の至上命題である「売上拡大」と「ECナレッジ」と想定し、小規模事業者向けにサービス/機能拡張及び、ネクストエンジンコミュニティの形成に注力し、強固な顧客基盤を構築していきます。

b.好循環なビジネス構造の実現

また先述の強固な顧客基盤の構築においてアプローチする小規模事業者へ、その興味関心である「売上拡大」という課題に対し、また中規模事業者であっても同様の課題を持っている事業者に対して、コンサルティング事業による制作、ECコンサルティング等を提供、またネクストエンジンの初期設定代行をコンサル事業が行う等シナジーを更に追求し、フロントと管理両面に対して、一体化されたサービス体制を構築し、ロングタームで顧客成長を伴走できるプラットフォームへ成長するべく、「好循環なビジネス構造」の実現を目指していきます。

 

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