業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

 ① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、国内でのワクチン接種が進み、秋以降には経済活動は徐々に正常化し、景気に持ち直しの動きが見られました。しかしながら、年明けから新たな変異株の感染が拡大し、新規感染者数は高止まりしており、いまだ終息時期が見通せない状況にあります。また、ロシアのウクライナ侵攻によりエネルギーや原材料の価格が高騰するなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

住宅関連業界におきましては、世界的な木材の供給不足とそれに伴う価格高騰や半導体不足による住設機器の納入遅延が続いておりますが、景気や消費者マインドの悪化が小幅に止まったこと、ハウスメーカーやビルダーが販売を活発化させていること、消費者の戸建住宅への選好が在宅時間の増加に伴い高まっていると思われることなどにより、当連結会計年度における新設住宅着工戸数は、前期比6.6%増の86万5千戸となりました。また、当社グループの主なターゲットである持家・分譲戸建住宅の着工戸数につきましては、前期比8.4%増となりました。

このような状況の中で、当社グループは、耐震、ゼロエネルギー住宅等の高機能商材の普及促進、リフォーム・リノベーション需要の取り込み、非住宅市場の開拓等、成長分野での販売強化を図ってまいりました。

また、2021年10月には札幌市に本社を置き、主として寝具、衣料品、タオル等の繊維商品の卸売を行なう寺田㈱を新たに子会社化し、東日本での事業拡大に加えて、環境アメニティ事業における仕入、販売の連携等を通して、グループシナジーの一層の追求を図ってまいりました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は、111,875百万円(前期比9.9%増)となりました。利益面につきましては、営業利益は3,064百万円(前期比57.7%増)、経常利益は3,547百万円(前期比61.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、負ののれん発生益の計上もあり、3,451百万円(前期比92.5%増)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、売上高は3,230百万円減少し、営業利益は262百万円減少しております。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

 <建材事業>

新設住宅着工戸数が増加し、快適な水回りや空気環境等の実現のためのリフォーム需要も拡大する事業環境でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、展示会等につきましては引き続き開催せず、会員制サイトやウェブ会議システム等のインターネットを利用した販売促進等に注力してまいりました。また、2021年7月には、福岡県において新築・リフォーム工事を行なう丸光トーヨー㈱を新たに子会社化いたしました。

この結果、当事業の売上高は69,453百万円(前期比2.2%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は2,406百万円減少しております。営業利益につきましては、収益認識会計基準等の適用により251百万円減少したことから、1,335百万円(前期比3.0%減)となりました。

 

 <環境アメニティ事業>

北海道、東北及び関東地区を中心に営業活動を行なっている環境アメニティ事業において、家庭用品の販売が前期の巣ごもり需要の反動により減少しました。

しかしながら、2021年10月に新たに子会社化した寺田㈱の業績が寄与し、当事業の売上高は16,144百万円(前期比7.3%増)となりました。営業利益につきましては、M&A関連費用が発生したことなどから69百万円(前期比69.1%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1百万円減少し、営業利益は1百万円減少しております。

 

 <加工事業>

世界的な木材の供給不足とそれに伴う価格高騰が続く中で、資材の確保と適正な価格での販売に注力してまいりました。また、2021年5月には、管理部門の集約による効率化のため、ヨドプレ㈱と㈱西日本プレカットセンターを統合いたしました。

この結果、当事業の売上高は17,434百万円(前期比29.6%増)、営業利益は1,633百万円(前期比131.8%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は945百万円減少し、営業利益は9百万円減少しております。

 

 <エンジニアリング事業>

2020年7月に子会社化した㈱アイエムテック及び長豊建設㈱の業績が寄与し、当事業の売上高は、6,146百万円(前期比117.2%増)、営業利益は525百万円(前期比311.6%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は122百万円増加しましたが、営業利益に与える影響はありません。

 

 <その他>

産業資材の販売を行なっている太平商工㈱の事業を報告セグメントに含まれない事業セグメント「その他」に区分しております。

産業用電気絶縁材やLEDトンネル用照明器具の販売が増加したことにより、当事業の売上高は3,156百万円(前期比6.6%増)、営業利益は82百万円(前期比200.8%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響はありません。

  

 

 ② 財政状態の状況

 (資産)

流動資産は前連結会計年度と比べ5,383百万円(14.2%)増加し、43,231百万円となりました。「未成工事支出金」が2,050百万円減少しましたが、「受取手形、売掛金及び契約資産」が2,652百万円、「商品」が1,978百万円、「現金及び預金」が1,463百万円、「電子記録債権」が1,177百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。

固定資産は前連結会計年度と比べ546百万円(2.9%)増加し、19,602百万円となりました。「差入保証金」が272百万円、「のれん」が147百万円、無形固定資産の「リース資産」が102百万円それぞれ減少しましたが、「土地」が944百万円、「建設仮勘定」が113百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。

 

 (負債)

流動負債は前連結会計年度と比べ3,786百万円(10.9%)増加し、38,673百万円となりました。「その他」が1,050百万円減少しましたが、「支払手形及び買掛金」が2,833百万円、「電子記録債務」が1,651百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。

固定負債は前連結会計年度と比べ523百万円(10.8%)減少し、4,346百万円となりました。「退職給付に係る負債」が154百万円、「その他」が127百万円それぞれ増加しましたが、「長期借入金」が698百万円、「リース債務」が106百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。

 

 (純資産)

純資産は前連結会計年度と比べ2,666百万円(15.5%)増加し、19,814百万円となりました。「自己株式」が212百万円、「その他有価証券評価差額金」が153百万円それぞれ減少しましたが、「利益剰余金」が3,030百万円増加したことが主な要因であります。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度と比べ1,447百万円(13.5%)増加し、12,158百万円となりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、3,428百万円(前連結会計年度は2,193百万円)となりました。これは主として、「売上債権の増加額」が3,130百万円、「法人税等の支払額」が1,452百万円、「負ののれん発生益」が1,223百万円、「その他の流動負債の減少額」が1,133百万円であった一方で、「税金等調整前当期純利益」が4,779百万円、「仕入債務の増加額」が3,704百万円、「減価償却費」が757百万円、「棚卸資産の減少額」が491百万円であったことによるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、△532百万円(前連結会計年度は877百万円)となりました。これは主として、「投資有価証券の売却及び償還による収入」が136百万円であった一方で、「有形固定資産の取得による支出」が380百万円、「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」が224百万円であったことによるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,449百万円(前連結会計年度は△541百万円)となりました。これは主として、「長期借入れによる収入」が523百万円、「短期借入金の純増加額」が395百万円であった一方で、「長期借入金の返済による支出」が1,446百万円、「配当金の支払額」が420百万円、「自己株式の取得による支出」が222百万円であったことによるものであります。

 

 

 ④ 受注及び販売の実績

   a 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

建材事業

6,860

△11.7

1,189

△26.5

環境アメニティ事業

1,160

△27.0

100

△38.6

加工事業

15,981

40.9

1,483

80.3

エンジニアリング事業

5,149

62.4

2,298

△51.4

合計

29,152

22.1

5,072

△30.9

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

   b 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

建材事業

69,231

2.3

環境アメニティ事業

16,144

7.3

加工事業

17,239

29.5

エンジニアリング事業

6,104

116.5

その他

3,155

6.6

合計

111,875

9.9

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、新設住宅着工戸数の増加の影響等により、売上高は、111,875百万円(前期比9.9%増)となりました。収益認識会計基準等の適用による影響を除けば13.0%の増収となり、さらに、当連結会計年度及び前連結会計年度に実施したM&Aの寄与分を除けば8.6%の増収となります。また、営業利益は、3,064百万円(前期比57.7%増)となりました。収益認識会計基準等の適用による影響を除けば71.2%の増益となり、さらに、M&Aによる影響を除けば54.5%の増益となります。

当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりでありますが、その結果として、自己資本比率は前連結会計年度と比べ1.4%上昇し、31.5%となりました。

当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

 <建材事業>

売上高につきましては、主なターゲットである持家・分譲戸建住宅の着工戸数が増加し、リフォーム需要が拡大する事業環境の中、69,453百万円(前期比2.2%増)となりました。収益認識会計基準等の適用による影響を除けば5.7%の増収となります。

営業利益につきましては、収益認識会計基準等の適用により251百万円減少したことから、1,335百万円(前期比3.0%減)となりました。収益認識会計基準等の適用による影響を除けば15.3%の増益となります。

 

 <環境アメニティ事業>

売上高につきましては、2021年10月に新たに子会社化した寺田㈱の業績が寄与し、16,144百万円(前期比7.3%増)となりました。寺田㈱の寄与分1,682百万円を除けば、家庭用品の販売が前期の巣ごもり需要の反動により減少したことから、3.9%の減収となります。

営業利益につきましては、M&A関連費用90百万円が発生し、69百万円(前期比69.1%減)となりました。寺田㈱の寄与分13百万円及びM&A関連費用を除けば34.4%の減益となります。

 

 <加工事業>

「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 <エンジニアリング事業>

売上高につきましては、2020年7月に子会社化した㈱アイエムテック及び長豊建設㈱の寄与分の前期との差異が+2,752百万円となり、6,146百万円(前期比117.2%増)となりました。

営業利益につきましては、上記2社の寄与分の前期との差異が+342百万円となったことに加えて、M&A関連費用の前期との差異が△35百万円となり、525百万円(前期比311.6%増)となりました。

 

<その他>

「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 

 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 

  a キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、その結果として、手元流動性比率は前連結会計年度と比べ0.04ヶ月上昇し、1.30ヶ月となりました。

 

  b 資本の財源及び資金の流動性

資本政策につきましては、中長期的な株主価値の向上を図る観点から、M&A等の成長戦略及び財務の健全性強化のための内部留保の積上げと、株主の皆様への利益還元の拡充とのバランスを考慮することを基本としております。

成長戦略に伴うM&Aや設備投資のための所要資金につきましては、グループ内での営業活動による自己資金及び金融機関からの借入等で調達しております。なお、当連結会計年度末においては、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,369百万円となっており、一方、現金及び現金同等物の残高は12,158百万円となっております。

 

 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結財務諸表作成時点において過去の実績等を勘案し合理的に見積りを行なっておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 4 会計方針に関する事項」に記載しております。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により見積りに一定の不確実性が存在しますが、連結財務諸表作成時点における利用可能な情報・事実に基づいて最善の見積りを行なっております。

 

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