「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大防止への取り組みやワクチン接種が進み、経済活動の制限も徐々に緩和され、持ち直しの動きが続いております。しかしながら、新たな変異株の出現やウクライナ情勢の緊迫化により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
外食業界におきましては、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が9月末で解除された以降、売上高は緩やかに回復していましたが、1月以降、新たな変異株の出現により再びまん延防止等重点措置が適用されることとなりました。また、外出及び会食の自粛、在宅勤務へのシフトに代表される勤務スタイルの変化、お客様の消費行動の変化、原材料価格・原油価格の高騰や人手不足など、業界を取り巻く環境は厳しい状況が続いております。
このような状況のなか、当社グループは新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に関する社会的責任を果たすべく、引き続き営業店舗における感染予防対策を徹底し、お客様と従業員の安全・安心を第一として、営業に努めてまいりました。withコロナへの対応としましては、食事需要及びご家族での利用に対応するとともに、テイクアウトスペースの設置、テイクアウト及びデリバリーメニューの強化、配膳ロボット、卓上サーバーの導入、スマホオーダーへの対応を進めてまいりました。また、お客様のニーズの変化に対応するため、FC店を中心として、ハイブリッド業態(例えば、はなの舞+焼肉牛星など、1店舗の中に2つの業態を取り入れた店舗)の店舗づくりを進めました。コントラクト事業におきましては、感染拡大防止に努めながら、引き続き、安全安心な「また行きたくなる店舗づくり」を心掛けております。
販売費及び一般管理費(以下、販管費)につきましては、新型感染症対応による損失を販管費から特別損失に振り替える前の金額で、4,023百万円(前年同期比23.8%減)減少いたしました。これは、昨年度から販管費の見直しを実行することにより削減・節約した各費目について、その継続に努めたことによります。これにより、損益分岐点の引き下げを行うことができました。
また、資金面におきましては、上述の販管費コントロールに加え、雇用調整助成金、感染拡大防止協力金及び上期中に実行した借入金などにより、手元資金を確保しております。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は10,108百万円(前年同期比23.6%減)、営業損失は4,582百万円(前年同期は6,100百万円の営業損失)となり、経常利益は3,252百万円(前年同期は4,553百万円の経常損失)となりました。これは、営業外収益に雇用調整助成金1,540百万円及び新型感染症拡大防止協力金6,314百万円を計上したこと等によります。新型感染症拡大防止協力金は、当該協力金の支給申請により計上していますが、902百万円が2021年3月31日までに係る協力金であり、5,411百万円が2021年4月1日から2022年3月31日までに係る協力金となっております。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、1,227百万円(前年同期は9,004百万円の純損失)となりました。これは、特別損失に新型感染症対応による損失1,277百万円、投資有価証券評価損404百万円、減損損失383百万円を計上したほか、繰延税金資産の回収可能性の見直し等により法人税等調整額△260百万円を計上したこと等によります。
当連結会計年度の店舗数につきましては、以下のとおりであります。
財政状態につきましては、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて2,816百万円増加し、22,900百万円となりました。流動資産、固定資産それぞれの状況は次のとおりです。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて4,329百万円増加し、12,585百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が3,757百万円、未収入金が599百万円増加したこと等によります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,512百万円減少し、10,314百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が233百万円、無形固定資産が527百万円、差入保証金が813百万円減少したこと等によります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,307百万円増加し、16,413百万円となりました。流動負債、固定負債それぞれの状況は次のとおりです。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて353百万円減少し、12,243百万円となりました。この主な要因は、店舗閉鎖損失引当金が158百万円、資産除去債務が299百万円減少したこと等によります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,661百万円増加し、4,169百万円となりました。この主な要因は、有利子負債が1,970百万円増加した一方で、預り保証金が107百万円減少したこと等によります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,509百万円増加し、6,487百万円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を1,227百万円計上したこと等によります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます)は、営業活動により1,894百万円増加、投資活動により72百万円減少、財務活動により1,935百万円増加した結果、前連結会計年度末より3,757百万円増加し、10,016百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果増加した資金は、1,894百万円となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益が1,048百万円、減価償却費424百万円、減損損失383百万円、のれん償却額501百万円、投資有価証券評価損404百万円、法人税等の還付額が275百万円があった一方で、新型感染症拡大防止協力金に係る未収入金が1,146百万円増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果減少した資金は、72百万円となりました。主な内訳は、差入保証金の回収による収入が815百万円あった一方で、固定資産の取得による支出が425百万円、固定資産の除却による支出が480百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果増加した資金は、1,935百万円となりました。主な内訳は、長期借入れによる収入が2,060百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が32百万円、リース債務の返済による支出が91百万円あったこと等によるものです。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
③ 仕入及び販売の状況
a. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
飲食事業を主要な部門ごとに分けると以下のとおりになります。
(注) その他の主な内容としては、ロイヤリティ収入、設備貸与収入等があります。
飲食事業におけるフランチャイズ店の店舗における売上は以下のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績は、経済情勢、お客様の嗜好・行動パターンの変化、自然災害、天候不順、他業種を含む企業間競争、原材料価格・人件費・家賃・水道光熱費などの上昇により影響を受けます。さらに現状におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響の長期化によっても影響を受けます。感染拡大防止策の徹底、withコロナ時代における食事需要及び家族利用への対応など、これらの要因に適時適切に対応することが重要であると認識しております。また、サービス産業の中心は人であり、人財採用と教育訓練体制の強化によってサービスレベルを向上し、お客様からありがとうをいただき続けることが、売上高及び利益の増加につながっていくものと考えております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高につきまして、1年を通じて新型コロナウイルス感染症による影響があったことにより、直営店売上高は26.3%減少し、7,573百万円となり、売上高合計は23.6%減少し、10,108百万円となりました。売上総利益につきましても、新型コロナウイルス感染症による影響により、23.8%減少し、7,029百万円となりました。販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度から継続して実行している各種経費の見直しや家賃の減額交渉などにより固定費等の削減に努めましたが、売上高の減少が著しく、営業損益は、4,582百万円の損失となりました。経常損益につきましては、雇用調整助成金1,540百万円及び新型感染症拡大防止協力金6,314百万円の計上等により、3,252百万円の利益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に新型感染症対応による損失1,277百万円、投資有価証券評価損404百万円、減損損失383百万円、繰延税金資産の回収可能性の見直し等により法人税等調整額△260百万円を計上した結果、1,227百万円の利益となりました。なお、出退店舗数につきましては、当社グループ合計で7店舗の新規出店をした一方、当社において直営店33店舗を閉店し、FC店及び連結子会社を含めた閉店店舗数は68店舗となりました。
資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて2,816百万円増加し、22,900百万円となりました。また、負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べて1,307百万円増加し、16,413百万円となりました。当社グループの資産のうち、主なものは、現金及び預金10,016百万円、未収入金1,639百万円、有形固定資産1,704百万円、無形固定資産4,080百万円、差入保証金3,797百万円となっております。また、負債のうち、主なものは、短期借入金10,000百万円、買掛金508百万円、未払金595百万円、長期借入金(一年内含む)2,273百万円、資産除去債務(長短含む)1,079百万円、預り保証金743百万円となっております。当連結会計年度末の資産が増加している主な要因は、有形固定資産、無形固定資産及び差入保証金が減少している一方で、現金及び預金、未収入金が増加していることによります。また、負債の金額が増加している主な要因は、資産除去債務(長短含む)、預り保証金が減少している一方で、長期借入金が増加していることによります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて1,509百万円増加し、6,487百万円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を1,227百万円計上したこと等によります。
以上の結果、2020年3月期からの中期3か年経営計画にて目標とした経営指標につきましては、ROE(自己資本利益率)が21.4%(目標8.0%以上)、売上高営業利益率は△45.3%(目標6.5%以上)となりました。また、当連結会計年度は期末配当を復配し、年間の配当金は1株当たり10円00銭、配当性向は15.7%(目標25.0%)となりました。なお、当面は営業利益、当期純利益、純資産額の改善が最優先であると認識しております。そのうえで、これらの目標とする指標について改めて策定してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入資金のほか、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。固定資金需要のうち主なものは、新規出店店舗への設備投資及び既存店の改装等、差入保証金の差入れ、配当金の支払い等であります。当社グループは、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、多額の資金需要に対応する場合等は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保及び財務の健全性・安定性を維持するため、銀行等から借入等を行う方針です。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フロー1,894百万円、投資活動によるキャッシュ・フロー△72百万円、財務活動によるキャッシュ・フロー1,935百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は、10,016百万円となりました。
コロナ禍であった当連結会計年度は、営業活動により得られる資金が著しく減少したため、運転資金として銀行から借入れを行うとともに、雇用調整助成金や時短協力金等の支給を受けております。今後につきましては、感染拡大の防止と経済活動の両立が定着するとともに、新型コロナウイルス感染症は、2023年6月頃にかけて徐々に収束していくものと予測しております。新型コロナウイルス感染症の収束後、コロナ禍における借入れについて、営業活動によるキャッシュ・フロー等により返済していく計画であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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