課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、様々な年齢層の女性に向けた衣料品・靴及び雑貨等ファッション関連商品の販売を中心としたアパレル事業をメイン事業としております。

 前期までの“原点回帰-当たり前のことを当たり前に実行する”の方針の下で実施してまいりました、様々な取組みを今後も継続し、健全な利益を安定的に確保できる体制づくりを強化してまいります。

当社につきましては、これまでの“大量販売を前提にした恒常的な安売り体質”から脱却するための体制づくりを、企画サイド及び販売サイド両側から徹底してまいります。お客様の求めている商品をタイムリーに提供できる“商品力”をこれまで以上に向上させると共に、お客様にストレスのない環境でお買い物を楽しんで頂けるよう自社サイトの改善を継続してまいります。

ナラカミーチェジャパン株式会社につきましては、引き続き各実店舗の採算を見極め、必要に応じて縮小撤退も視野に入れつつ、実店舗及びEC店舗両方展開している強みを生かし、双方の在庫連携を含めたオムニチャネル化を更に進めると共に、ECの売上比率の更なる引き上げに努めてまいります。

 又、両社共通の方針として、最も重要な経営資源の1つの人材につきましては、年齢、性別、バックグラウンドなどに関わらず、問題意識が高く行動力を伴う人材を積極的に登用し、引き続き現場の気づきを経営にも活かせる、多種多様な人材が活躍できる風通しの良い組織づくりを目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループでは、「売上総利益率」、「営業利益率」等の各種利益率及び「営業キャッシュ・フロー」を重視しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、今後の中長期的な戦略として、業績の着実な成長を目標として掲げ、その目標に向けた戦略を展開してまいります。
 当社につきましては、前期より“メリハリ”をキーワードに、仕入、販売、店舗展開、ブランド展開、それぞれについての戦略を大幅に見直し、原価と販管費両面の削減施策と合わせて、収益構造の改善に努めてまいりました。前期までは体質改善のために、敢えて売上水準自体は追いかけずに一旦屈む形となりましたが、今後は引き続き前期の戦略を踏襲しつつ、新たなブランドの立ち上げ、大型商品の新規開発、2.5次元や多方面の個人や団体とのコラボの取組強化などにより、徐々に再びトップラインの引き上げに注力してまいります。
 ナラカミーチェジャパン株式会社につきましては、前期は不採算店舗を中心に実店舗の統廃合を進めることなどにより、販管費を大幅に削減するとともに、ECの売上比率向上、在庫の適正化にも注力して参りました。今後は、実店舗とEC店舗両方展開している強みを生かし、双方の在庫連携を含めたオムニチャネル化を更に進め、ECの売上比率の更なる引き上げの為に、AIを活用したECプロモーションやEC販売用の商品開発などにも取り組んでまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループではお客様の嗜好をとらえ、他社との競合において比較優位に立ち、持続的に成長するため、以下の内容を対処すべき課題としてとらえ、その対応に取り組んでまいります。

 

① 商品企画力の更なる向上

 当社グループの中核事業であるアパレル事業では、当社はEC販売に特化し、子会社のナラカミーチェジャパン株式会社は百貨店などの実店舗販売とEC販売を併用しており、販売チャネルや顧客層は異なりますが、アパレル事業に共通する重要な課題のひとつは、お客様の求める商品をタイムリーに提供する「商品企画力」と考えております。当社は引き続き各ブランドの個性を前面に押し出しながら、外部とのコラボも積極的に進めつつ、お客様のニーズやトレンドを意識した商品開発に注力してまいります。特に今後は、長年にわたり売れ続ける、所謂「大型商品」の新たな開発にも計画的に取組んでまいります。ナラカミーチェジャパン株式会社は、イタリアからの輸入商品の他に、これまでも日本のマーケットに合った独自の商品開発にも注力してまいりましたが、今後は更に展開アイテムを拡大するなどして、この独自商品の開発を強化してまいります。

 また、商品開発と密接な生産体制につきましては、当社はこれまでSPAモデルとクイックレスポンスによる生産体制を併用してまいりましたが、これらに加え、現在新たに受注生産の取組みも始めており、引き続き仕入精度の向上及び適正な在庫水準の維持に努めてまいります。

 

② 商品企画部門と販売部門の連携強化

 お客様の求める商品を、求める価格水準で求める適正数量だけマーケットにタイムリーに投入するためには、商品企画部門と販売部門の連携強化が不可欠と考えております。需要に見合った供給体制を強化するため、両部門による合同企画仕入会議を定期的に実施し、商品企画(入口)の段階から販売サイド(出口)の意向も加味する取組みを始めております。現在、本店自社サイトの他、様々なモールでの販売も展開しておりますが、販売チャネルにより顧客層も異なるため、売れる商品の種類や数量、受け入れられる価格水準も店舗により異なります。そのため、商品企画の段階から、どのような商品をいくらぐらいの単価でどの程度の数量、どのタイミングで仕入れするべきかにつき、各店舗責任者の意見を取り入れる、という当たり前の取組みを実施するようになってから、商品のヒット率が向上し、結果、プロパー消化率も格段に向上しております。今後ともこの取組みを強化し、精度を上げていくことにより、引き続き在庫抑制及び更なる利益率向上にも努めてまいります。

 

③ 販売力の強化

 販路をECに特化している当社におきましては、商品毎の適正な販売価格の見極めと、より多くのお客様に来店していただき、各店舗内を回遊していただくための仕組み作りを総合した「商品販売力」の強化も非常に重要だと考えております。前者の販売価格につきましては、個別商品毎に、直近の売れ行きや類似商品の動向、在庫数、在庫回転日数、季節指数などにより、週次で見直すことを徹底しており、今後も精度を上げてまいります。後者につきましては、本店自社サイトは2022年3月にシステムを刷新し、お客様の利便性向上のための様々な細かい見直しを週次で実施しており、モール各店につきましては、競合の動向を注視しつつランキング施策にフォーカスしております。販売力強化のためには、これらの細かい視点と取組み、常に流動的な状況を捉えるセンスが肝要であると考えておりますので、引き続き手間を惜しまずに試行錯誤を続けてまいります。

 

④ 品質管理体制の強化

 顧客満足度やリピート率の向上のためには、商品の品質管理体制の強化も重要な課題の1つと考えております。昨年、提携検品所の検品フローの精査や、現場の商品企画担当者のサンプルチェック研修実施などにより、各プロセスにおける品質確認体制の見直しを実施いたしました。今後ともこの取組みを継続していくことにより、不良品を未然に発見する体制の強化に取組んでまいります。

 

⑤ 多種多様な人材が活躍できる組織作り

 最も重要な経営資源の1つである人材につきましても、多種多様な人材が活躍できる組織作りを目指して、昨年、年功序列的な色彩を出来る限り排除した人事制度に刷新いたしました。年齢、性別、バックグラウンドなどに関わらず、問題意識が高く行動力が伴う人材を積極的に登用し、これまで必ずしもスムーズとは言えなかった経営層と現場のコミュニケーションの改善にも取組んでおり、今後とも現場の気づきを経営にも活かせる風通しの良い組織づくりを目指してまいります

 

 

⑥ コンプライアンス体制の強化

 近年、企業活動においてはより高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。お客様や社会からの信頼性向上のため、今後もコンプライアンス体制の強化を図っていく方針であります。

 

⑦ 財務上の課題について

 財務上の課題につきましては、2事業等のリスク(12)継続企業の前提に関する重要事象等の項をご参照ください。

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