課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、資本・人材・ノウハウ等を集中投下し、業務オペレーションの均一化や経営の効率化に積極的に取り組む一方で、国産食材・串打ちをはじめとする店内調理等といった品質・味へのこだわりにより付加価値を創出し、お客様に感動していただける店舗づくりを追求していくことで他社との差別化を図り、持続的な成長の実現と収益基盤強化を目指すことを基本方針としております。

 

(2)経営環境及び経営戦略等

当社グループの属する外食業界におきましては、少子高齢化に加え、お客様の嗜好の多様化、業種・業態を超えた企業間競争の激化など厳しい経営環境が続いておりました。

そのような中、当社グループは日本一、そして世界の「鳥貴族」を目指し、関西圏、関東圏及び東海圏の3商圏に「鳥貴族」を617店舗展開しております。「経営基盤の再構築と更なる飛躍への挑戦」と位置づけた中期的な経営戦略のもと、マーケティング機能の新設と商品・機器等の開発機能強化により、既存店の売上高向上に取り組むとともに、アメーバ経営による採算管理強化と不採算店舗の整理にも取り組んでおります。

今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により外食業界は甚大な打撃を受け、とりわけ居酒屋においては、来店客数の減少だけではなく、休業や時短営業をせざるを得ない事態に直面いたしました。しかし、居酒屋の存在価値が無くなったとは考えておらず、むしろウィズコロナにおける人との接触制限や働き方・コミュニケーションのデジタル化の進展を踏まえると、アフターコロナの時代にこそ「人と人とが顔をあわせるコミュニケーションの場」「人と人とがつながる場」という居酒屋ならではの存在価値が求められると考えております。

当面の間におきましては、衛生管理及び新型コロナウイルス感染症対策の徹底した実施と徹底したコスト管理による財務基盤の維持を優先し取り組むとともに、外食産業において感染症の影響を受けにくいファーストフード業態としてチキンバーガー専門店『TORIKI BURGER』のチェーン展開に注力し取り組んでまいります。

これらの経営戦略を進めるにあたり、当社は持株会社体制へと移行し、持株会社はグループの理念と目指すべき方向を示し挑戦を支える役割を担い、事業を推進する権限と責任を事業会社に委譲することで、激変する環境のもとでも生き抜く経営体制の構築、新事業の創出、人財開発を行ってまいります。

 

(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、既存店の売上高を維持向上することが重要であると考えており、既存店(新規開店した月を除き、12ヶ月以上経過した店舗)の売上高、客数、客単価の前年同月比を客観的な指標としております。また、財務の健全性、安定性を維持するための運転資金の確保と資金効率のバランスを勘案し、自己資本比率40%を財務上の指標としております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、当社グループの事業は大きな影響を受けており、これらに対処するための最優先すべき事項といたしまして、「鳥貴族」全店では日頃からの衛生管理に加え、お客様や従業員の安全に十分注意し感染拡大防止策を徹底し、お客様に安心してご利用いただけるよう努めてまいります。さらに不測の事態が発生した場合でも十分な運転資金を確保できるように努め、既存店売上高の早期回復と徹底した採算管理により、財務状況の改善に努めてまいります。

また、中・長期の経営目標を達成するため、他社との差別化を図り、持続的な成長の実現と収益基盤強化のため、引き続き以下の課題について重点的に取り組んでまいります。

 

① 内部管理体制の強化

チェーンストアとしての多店舗展開におけるリスクの管理、衛生管理のさらなる向上、コンプライアンス遵守体制の強化を重要事項とし、営業部エリアマネージャーの店舗巡回等や本部を中心にした内部統制の改善を実施してまいります。また、財務報告に関連する内部統制の強化及びアメーバ経営による経営管理システムの構築も重要課題と認識しており、必要に応じて人員の増強を図る方針であります。

② 既存店売上高の維持向上

外食業界は成熟した市場となっており、個人消費支出における選別化、中食・コンビニエンスストア等を代表とする業界を超えた顧客獲得競争の激化等により、厳しい経営環境となっております。

当社グループにおいては、ブランド力をさらに強化し既存店売上高を維持向上させるため、クオリティ(商品品質)・サービス(接客力)・クレンリネス(衛生管理)の強化を全従業員に周知徹底し、お客様満足度の向上に努めてまいります。

③ 商品力の向上

食の安全に対するお客様の意識は一層高まりつつあります。当社グループでは、国産食材にこだわり、産地との良好な関係を構築・維持することで、今まで以上に安全かつ良質な食材の確保に取り組んでまいります。また、お客様のニーズの変化にも迅速に対応できる商品開発や人気メニューのさらなる付加価値向上に取り組んでまいります。

④ 新規出店・投資効果の維持向上

新たな収益を確保するためには、投資効果のさらなる向上が重要課題であると考えております。『鳥貴族』業態につきましては、関西圏、関東圏及び東海圏の3商圏以外の新たな地域への出店も視野に入れ、出店初期投資額の削減、並びに、店舗運営の効率化を行うとともに、マーケティング調査の強化により当社グループが競争優位となりうる出店候補地を確保し、継続的な成長を目指します。また『TORIKI BURGER』業態につきましては、早期に店舗モデル及びビジネスモデルを確立し、投資計画の精度を高めることで投資効率の向上を目指し取り組んでまいります。

⑤ 人財の採用・教育強化

今後、当社グループの成長には、優秀な人財の確保が必要不可欠と考えております。当社グループの企業理念を理解し、賛同した人財の採用を最重要課題とし、中途採用だけでなく新卒採用にも積極的に取り組んでまいります。また、外食産業に限らない経験豊富な人財の招聘等により、変化する経営環境に対し柔軟に対応できる組織を目指します。人財教育に関しては各役職・階層別に応じた研修プログラムを充実させ、特に重要な位置づけとなる店長に対しては教育プログラムを強化し、店舗運営力のさらなる向上に取り組んでまいります。

 

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