(経営業績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、ワクチン接種の促進や景気対策等により、経済が持ち直し傾向となる動きはあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大により緊急事態宣言等が断続的に発出され、内需を中心に経済回復の低調が継続化し、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが関連する小売業界全体では、インバウンド需要及び個人消費の大幅な減少傾向は依然として続いており、売上の急減による利益悪化が顕著となりました。一方、当社グループが属するEC市場におきましては、新しい生活様式の定着によって、コロナ禍における消費行動のオンライン化、在宅勤務の増加やリモートによるコミュニケーションツールの利用拡大等が浸透した影響で、引き続き市場が拡大傾向にあります。
このような状況の中、当社グループの主力事業であります「ECマーケティング事業」につきましては、家具・家電・生活雑貨等の売上が好調であったことから、連結グループの売上高は前年同期を上回る水準で推移いたしました。一方で、利益面では、昨年度はマスク等医療用消耗品の大型受注による利益の反動があったことに加え、「商品企画関連事業」において、当社子会社のGenepa Vietnam Co.,Ltd.で、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け、工場の稼働制限による生産の大幅な低下や協力工場の操業停止等により納品が行えず、前年同期を大きく下回る水準で推移しました。
また、営業外収益において、円安の進行から主にGenepa Vietnam Co.,Ltd.に対する債権に係る為替差益57百万円が計上され、特別損失において、Genepa Vietnam Co.,Ltd.の工場の稼働制限等により臨時休業等による損失22百万円及び固定資産の減損損失144百万円が計上されることとなりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は13,224百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益は66百万円(前年同期比72.7%減)、経常利益は143百万円(前年同期比34.6%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は90百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益112百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①ECマーケティング事業
「ECマーケティング事業」につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で喚起されたEC需要や在宅勤務・巣ごもり需要等、消費者ニーズと消費行動のオンライン化の変化を的確に捉えることにより、家具・家電・生活雑貨等の売上が好調であったこと及び株式会社カンナートにおいてECサポート案件等の売上が大きく伸長したこと等により、売上高は前年同期比で9.7%増と増収となりました。一方、利益面におきましては、前連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の急拡大に伴い、マスク等を中心とする医療用消耗品の大型受注による特需が発生したことで利益が大きく増加した影響から、前年同期比で減収となりました。
以上の結果、売上高は10,865百万円(前年同期比9.7%増)、セグメント利益は360百万円(同15.2%減)となりました。
②商品企画関連事業
「商品企画関連事業」につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により工場の閉鎖や大幅な稼働制限などが続き、Genepa Vietnam Co.,Ltd.と協力工場に加えサプライヤーにおいて生産性が大幅低下したことから事業全体の売上高が大きく減収となりました。利益面につきましても、売上の大幅減少に加え、海外向け商談の中断、ウッドショックによる資材不足や資源価格全般の高騰等の影響により、前年を大きく下回る結果となりました。特に、工場立ち上げ期であるGenepa Vietnam Co.,Ltd.に対しては、渡航制限もあり充分な支援やバックアップが出来なかったことも業績の低迷に繋がりました。また、翌期以降についても引き続き新型コロナウイルス感染症による影響等が不確実であることから、Genepa Vietnam Co.,Ltd.の固定資産について減損損失を計上しております。
以上の結果、売上高は2,265百万円(前年同期比13.1%減)となり、セグメント損失は32百万円(前年同期は84百万円の利益)となりました。
③その他
「その他」につきましては、非物販事業としておしゃれなインテリア・雑貨の紹介、それらの実例の紹介及び家に関するアイデアを紹介するWEBメディア「イエコレクション」(https://iecolle.com)に掲載する記事数やPV数の拡大に向けた人員増加等の先行投資を継続して実行してまいりました。当連結会計年度におきましては、売上高が好調に推移したことにより、売上面・利益面での寄与があり、翌期以降も引き続き売上面・利益面で寄与することが見込まれております。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ108百万円減少し、3,598百万円となりました。
流動資産は3,340百万円となり、前連結会計年度末に比べ46百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、金融機関からの長期融資の返済により現金及び預金が479百万円減少しましたが、新型コロナウイルス感染症に伴う巣ごもり需要の影響による売上増加により受取手形及び売掛金が264百万円増加、新型コロナウイルス感染症に伴い、世界的に船便の数が減少したことで納期が翌期となった影響により原材料及び貯蔵品が126百万円増加、各モールにおける施策向けの在庫確保により商品及び製品が81百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は258百万円となり、前連結会計年度末に比べ155百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、Genepa Vietnam Co.,Ltd.において減損損失を計上したこと等により、機械装置及び運搬具が104百万円減少、工具、器具及び備品が26百万円減少、建物及び構築物が19百万円減少し、有形固定資産が137百万円減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ45百万円減少し、1,935百万円となりました。
流動負債は1,745百万円となり、前連結会計年度末に比べ50百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、未払法人税等が94百万円減少しましたが、各モールにおける施策向けの入荷により支払手形及び買掛金が141百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は190百万円となり、前連結会計年度末に比べ96百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、Genepa Vietnam Co.,Ltd.の追加設備投資を目的とした融資の返済により長期借入金が90百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べ63百万円減少し、1,663百万円となりました。主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が90百万円減少したこと等によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ479百万円減少し、790百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は432百万円(前連結会計年度は764百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失23百万円、たな卸資産の増加額198百万円、売上債権の増加額258百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は71百万円(前連結会計年度は111百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出56百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は23百万円(前連結会計年度は56百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の増加額70百万円の資金の増加要因があったものの、長期借入金の返済による支出90百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
(3)生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産高及び仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、生産高は製造原価、仕入実績は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間取引については、相殺消去しております。
当社グループは受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であります。また、マーケティング事業においては、一部需要動向を見込んだ商品仕入を行っております。そのため、受注実績に重要性がないため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主要な販売先の記載については、総販売実績に対する販売先別の販売実績割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。
見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績
経営状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上目標達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。当社グループでは売上高や経常利益について現在の水準からさらなる向上を図ってまいります。
③経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。また、経営者の問題認識、今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(3)資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは、依然として消費動向が不安定な難しい状況下ですが、「世代を越えた人と人との架け橋」の経営理念の下、引き続き消費者目線に立った価格設定、配送への適切な配慮及び品質とのバランスにこだわり、業績の改善に全力で取り組んでまいります。ECマーケティング事業におきましては、商品取扱高の増加に注力するとともに、利益成長を目指すためにECサポート事業及びメディア事業に注力していく方針であります。商品企画関連事業におきましては、ECマーケティング事業で蓄積されたビッグデータを活用し、商品提案及び新規顧客開拓を加速させ、売上高及び利益の拡大に努めてまいります。
新規EC事業への戦略的投資に関する資金及びM&Aに関する資金の需要への備えとして、前連結会計年度に引き続き2021年6月に取引銀行と期間を1年間とするコミットメントライン契約を締結しました。当該契約に基づく無担保・無保証の借入設定上限は総額1,000百万円です。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が会計上の見積りに与える影響については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
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