当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の促進等により、2021年9月には緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が全国的に解除され、経済活動の再開に向けた動きが見られました。しかしながら、2021年末以降は新型コロナウイルス感染症の変異株による感染者数が急拡大するなど、経済環境は不透明な状況で推移いたしました。
外食産業におきましては、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が解除されて以降、月を追うごとに売上は回復いたしましたが、未だコロナ以前の売上を割り込んでいる状況が続いています。当社が主に展開する居酒屋業態でも、年末年始には売上が前年を上回る回復傾向が見られたものの、1月から各地で再度のまん延防止等重点措置が適用されるなど、営業制限の連続で、年度を通じ売上はコロナ以前の水準を大きく下回っております。
このような状況の中で当社グループは、緊急事態宣言等の発出期間中は原則休業とし、営業再開時にはデリバリーサービスの強化やテイクアウトメニューの拡充を行うなど、早期の業績回復に向け努めるとともに、新型コロナウイルス感染症の予防対策として「大切なお客様へ10の取り組み」を策定し、従業員のマスク着用やアルコール消毒液による店内消毒、アクリル板を設置しての飛沫感染防止対策など、店舗の衛生管理を徹底して行ってまいりました。
鳥良事業部門においては、「鳥良」1店舗及び「鳥良商店」4店舗を退店し、当連結会計年度末現在の店舗数は43店舗となりました。その結果、鳥良事業部門における当連結会計年度の売上高は1,809百万円(前期比49.6%減)となりました。
磯丸事業部門においては、「磯丸水産食堂」を1店舗出店いたしました。一方で、「磯丸水産」4店舗を「磯丸水産食堂」へ、「磯丸水産」1店舗を「町鮨とろたく」へ業態転換したほか、「磯丸水産」を3店舗退店し、当連結会計年度末現在の店舗数は直営103店舗、フランチャイズ13店舗となりました。その結果、磯丸事業部門における当連結会計年度の売上高は5,687百万円(前期比44.9%減)となりました。
その他部門においては、「町鮨とろたく」を「磯丸水産」からの業態転換により1店舗出店いたしました。一方で、「いち五郎」を1店舗退店し、当連結会計年度末現在の店舗数は24店舗となりました。また、2021年5月より、公式オンラインショップ「磯丸水産お届けグルメショップ」を開設いたしました。その結果、その他部門における当連結会計年度の売上高は1,698百万円(前期比19.9%減)となりました。
フードアライアンスメンバー(連結子会社)においては、株式会社ジョー・スマイルが「こもれび家」及び「前川水軍」を各1店舗退店いたしました。また、株式会社クルークダイニングが「HOT SAND green」を「鉄板とハイボール」からの業態転換により1店舗出店いたしました。一方で、「からあげセンター」及び「café Salada taberu」を各1店舗退店いたしました。その結果、当連結会計年度末現在の店舗数は株式会社ジョー・スマイルが13店舗、株式会社クルークダイニングが19店舗(うち、フランチャイズ店が1店舗)となり、当連結会計年度の売上高は1,208百万円となりました。
なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金及び時短協力金等9,879百万円を「助成金収入」として営業外収益に計上しております。
以上の結果、当連結会計年度末の総店舗数は直営201店舗、フランチャイズ14店舗となり、当連結会計年度における当社グループの売上高は10,404百万円(前期比40.3%減)、営業損失は7,919百万円(前期は営業損失5,339百万円)、経常利益は2,202百万円(前期は経常損失4,900百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,745百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失5,650百万円)となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ8,438百万円減少し、16,096百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ6,777百万円減少し、7,145百万円となりました。これは主に、現金及び預金が5,851百万円、未収入金が406百万円減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,661百万円減少し、8,951百万円となりました。これは主に、有形固定資産が904百万円、無形固定資産が325百万円、及び投資その他の資産が431百万円減少したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ9,811百万円減少し、2,070百万円となりました。これは主に、短期借入金が9,145百万円減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ322百万円減少し、1,587百万円となりました。これは主に、長期借入金が175百万円、その他固定負債が214百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,694百万円増加し、12,438百万円となりました。これは主に、利益剰余金が1,745百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ5,849百万円減少し、5,751百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とその主な増減要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、3,299百万円となりました(前連結会計年度は4,824百万円の資金減)。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,897百万円、現金支出を伴わない減価償却費727百万円、減損損失325百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により得られた資金は、251百万円となりました(前連結会計年度は404百万円の資金減)。これは主に、新規出店や改装のための有形固定資産の取得による支出39百万円、資産除去債務の履行による支出204百万円があった一方、敷金及び保証金の回収による収入520百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、9,400百万円となりました(前連結会計年度は9,706百万円の資金増)。これは主に、短期借入金の純減9,145百万円、長期借入金の返済による支出213百万円があったことによるものです。
当社グループにおける資金需要のうち、主なものは設備投資、事業投資及び運転資金などであります。
当社グループは資金の流動性確保のため、市場環境を勘案して銀行借入による間接調達を行っております。
なお、重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
当社グループは飲食事業の単一セグメントであるため、事業部門別の状況を記載いたします。
当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりです。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。
(注) 1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.磯丸事業部門については、フランチャイズ店からのロイヤリティ収入が含まれております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たり、重要である会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。
また、連結財務諸表の作成にあたっては、固定資産の減損、繰延税金資産の計上等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。
これらの見積りは、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき行い、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症に関する仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による自治体からの再三の営業時間短縮要請、外出の自粛や集団での会食に対する警戒感の高まり等の影響により、大きな打撃を受けました。
他方、既存のテイクアウトメニューの拡充や既存業態へのデリバリーサービスの導入、デリバリー専業店の立上げ・既存店への併設を行うほか、固定費を含む全社的な経費の削減を推し進めるなど、早期の業績回復に向け努めてまいりました。
その結果、売上高は10,404百万円(前期比40.3%減)、営業損失は7,919百万円(前期は営業損失5,339百万円)、経常利益は2,202百万円(前期は経常損失4,900百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,745百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失5,650百万円)となりました。
当社グループの財政状態、キャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 財政状態の状況 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますのでご参照ください。
2023年2月期につきましては、新型コロナウイルス感染症の第6波の影響を受け、第1四半期は苦戦するものの、助成金制度の活用により損失をカバーできる見通しです。また、2022年4月以降は通常営業を再開し、売上高は徐々に回復すると見込んでおり、事態収束を前提に年度内の新規出店を視野に入れております。
以上を踏まえ、次期の連結業績につきましては、売上高24,500百万円、営業利益300百万円、経常利益2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,700百万円を計画しております。
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