課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、運輸、不動産、流通、レジャー・サービスの異なる4つのセグメントが連携し相互に補完しながらリスクに強い体制を構築し、地域に密着した総合生活産業を営む企業グループとして持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。グループ基本理念、グループ経営指針は以下のとおりであります。

 

 (グループ基本理念)

三重交通グループは、お客さまの豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献します。

 

 (グループ経営指針)

1 お客さまのよろこびの追求

  “お客さまのよろこび”を追求し、新たな価値を提供します。

2 地域社会への貢献

  価値ある事業を展開し、地域の発展に貢献します。

3 絶えざる自己革新

  過去にとらわれず、常に未来に挑戦します。

4 誠実な企業活動

  誠実な企業活動を行い、よき企業市民としての信頼を深めます。

5 グループ総合力の発揮

  互いに協力・連携し、グループの総合力を発揮します。

6 いきいきとした企業風土

  いきいきと働ける環境を築き上げ、社員の活力を高めます。

 

(2) 中期経営計画

当社グループでは、令和元年度を初年度とする4カ年の「三重交通グループ中期経営計画(2019-2022)」を策定しております。

「新たな時代に進み続ける ~Keep on Going『令和』~」をテーマに掲げ、「2030年のありたい姿」を長期目標として描き、事業構造の変革スピードを緩めることなく、グループの総合力を結集した計画目標を設定して、それを実現することにより、さらなる成長と事業の強化を目指します。基本方針及び重点施策と主な成果は以下のとおりであります。

 

(基本方針)
  □ 安全・安心・安定・快適なサービスの提供
  □ 成長分野の深耕と創造
  □ 持続的な安定経営への努力
  □ 市場の変化に対応した事業モデルの構築
  □ ICT・AI等の有効活用

 

 

(重点施策)

 

主な成果

「安全・安心・安定・快適」の追求

・バス車両へのドライバー異常対応システム(EDSS)の導入拡大

・連節バス「神都ライナー」の導入

・バスロケーションシステムのエリア拡大

・一部コミュニティバスでの交通系ICカード利用開始

東京・名古屋・関西での事業を展開

・名古屋市交通局市バス港明営業所の運行受託拡大

・「名古屋三交ビル」開業

・「(仮称)第2名古屋三交ビル」の建築開始
・売却型賃貸マンションの開発推進

三重エリアでの事業を深化

・高糖度ミニトマトの生産開始

・自動車販売事業の新車販売を起点とした安定化を推進

・亀山市に新サービスステーション開業

環境エネルギー事業と三交イン事業の推進

・「津メガソーラー杜の街中勢バイパス発電所」全施設運転開始
・「三交イン京都八条口」開業

・「三交イン名古屋新幹線口」リニューアル
・「三交インGrande名古屋」開業

・アパートメントホテル「FAV HOTEL ISE」の運営受託開始

ICT・AI等の活用を推進

・自動運転バス、MaaSの実証実験に参画

・RPAや経費精算システム導入によるオペレーション自動化推進
・業務効率化、事業継続計画(BCP)対策等テレワークの推進

・遠隔接客サービスの導入

・グループアプリの公開

 

 

(3) 目標とする経営指標等

当社グループの長期的かつ安定的な成長を実現するため、グループ各社の力を最大限に引き出すとともに、グループの保有する経営資源を成長性、収益性の高い事業分野に適正配分することにより、適切な事業構成の維持と企業価値の向上を図ることを経営上の目標としております。

 

(経営計画目標値)

 

令和5年3月期(計画)

営業収益

115,000百万円

営業利益

8,300百万円

経常利益

8,000百万円

親会社株主に帰属する

当期純利益

5,300百万円

自己資本比率

35%程度

ROE(自己資本純利益率)

9.0%程度

ROA(総資産営業利益率)

4.0~5.0%

有利子負債/EBITDA倍率 ※

6倍以下

D/Eレシオ

1.5倍以下

 

※EBITDA=営業利益+減価償却費

 

中期経営計画の最終年度である令和5年3月期における経営計画目標値は上記のとおりでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けていることから、最終年度の業績は営業収益920億円、営業利益48億円、経常利益46億円、親会社株主に帰属する当期純利益30億円の見込みであります。引き続き、長期目標である「2030年のありたい姿」に向かってグループの総合力を結集し、持続的な成長・発展に向け取り組みます。

 

 

 

(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループを取り巻く経営環境は、コロナ下での新しい生活様式の浸透やデジタル化の進展に加え、環境課題への取組みが世界的に加速するなど、新しい時代への変革期にあります。

このような状況の中、当社グループは「お客さまの豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献する」という基本理念のもと、アフターコロナにおける人々の行動を意識し需要の獲得に取り組むとともに、ICTやAI等の技術を活用することで、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。


 各セグメントにおける優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と具体的な施策は以下のとおりです。

 

(運輸セグメント)

運輸セグメントにおいては、安全の確保を第一の使命とし、引き続き社員教育や健康管理を徹底してまいります。また、運行管理体制のさらなる強化や感染症対策を継続し、お客さまに安心してご利用いただける環境を提供します。

乗合バス事業では、新規路線の開設や不採算路線の見直しを行い、生産性の向上を図るとともに、バスロケーションシステムの拡充等により利便性を高めてまいります。また、自動運転バスやMaaS等の先進的な試みについて、関係各所と連携し研究を進めます。

貸切バス事業では、需要に合わせた体制を構築し、効率的な運営を目指します。また、旅行事業とともに政府や地方自治体が実施する観光支援策に取り組み、需要の創出、収益の確保に努めます。

旅客運送受託事業では、引き続き安全な運行を徹底し、信頼と信用の獲得に努めます。

 

(不動産セグメント)

不動産セグメントにおいては、より安定した経営体質構築に向け、ストック事業を強化します。

分譲事業では、長期分譲プロジェクトの早期販売を推進するほか、厳選した用地取得による計画的な販売を行い、収益確保に努めます。

賃貸事業では、令和4年1月に着工した「(仮称)第2名古屋三交ビル」の工事を進めるとともに、新規物件の取得や既存施設の稼働率向上に取り組み、利益の確保に努めます。

環境エネルギー事業では、既存太陽光発電施設の効率的管理と太陽光以外の再生可能エネルギーの研究を進めます。

不動産管理事業では、管理・営業体制を強化し利益率の向上を図り、新規受注の獲得に努めます。
 

(流通セグメント)

流通セグメントにおいては、消費行動が多様化する中、既存店舗の競争力強化に加え、新規店舗の出店、効率的な運営体制の構築を進めます。

石油製品販売事業では、事業エリアに応じた店舗戦略を進めるとともに、石油製品以外の自動車メンテナンスや車両販売等によるトータルカーサポートの充実を図り、安定した収益基盤の構築を目指します。

生活用品販売事業では、フランチャイズで展開する東急ハンズにおいて、新しい生活様式を意識した商品展開やお客さまにとって魅力ある店舗づくりを目指し、収益力の強化を図ります。

自動車販売事業では、新車・中古車の販売及び整備受注の拡大により収益力の強化に努めます。

 

(レジャー・サービスセグメント)

レジャー・サービスセグメントにおいては、ウィズコロナ・アフターコロナにおける顧客ニーズを把握し、安全・安心なサービスの提供を行うとともに顧客満足度の向上を目指します。

ビジネスホテル事業では、割引プランの設定や宿泊特典の充実による会員サービスの強化を進めるとともに、細やかな販売戦略や価格設定により、収益力の向上に努めます。

旅館事業では、施設規模を活用した多様なプランの創出により、集客力の向上を目指します。

索道事業の御在所ロープウエイでは、四季折々のイベントを企画し、御在所岳の魅力を伝えるとともに、展望レストランや山麓売店におけるメニュー・商品の充実に努め、収益の拡大を目指します。

ゴルフ場事業の三重カンツリークラブでは、交通アクセスの高い利便性のもと、県内外の幅広い顧客層に向けたイベントの開催に努め、来場者数の増加を目指します。

自動車教習所事業では、シニアドライバーに対する高齢者講習の充実を図るなど、収益機会の拡大に努めます。
 

(グループ全社)

新型コロナウイルスの感染拡大は、当社グループの経営環境に大きな影響を及ぼしていますが、安全・安心を最優先に、引き続き対応を進めてまいります。今後も当社グループが株主・投資家の皆さまをはじめ、お客さま、地域社会、取引先等あらゆるステークホルダーから信頼される企業集団であり続けるために、「グループ経営指針」及び「グループコンプライアンス行動規範」等に則り、社会的責任の遂行に努めてまいります。財務面ではキャッシュ・マネジメント・システムによるグループ内資金の有効活用により有利子負債を圧縮し、財務体質の強化に努めます。

また、世界全体で持続可能(サステナブル)な社会の実現に向けた取組みが進んでいます。当社グループにおいては、令和3年11月に「環境保全」「人権の尊重」「働きがいのある職場づくり・人材開発」「公正・適正な取引」「危機管理」の5つを柱とする「グループサステナビリティ基本方針」を策定しました。本方針に基づき、事業活動を通じてさまざまな社会課題に取り組み、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。

 

 

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