有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。また、当社は、グループ各社において発生するリスクを適切に管理するための基本的方針及び管理体制を「グループリスク管理規程」において定め、グループに影響を与えるさまざまなリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 事故や災害等の発生
運輸セグメントをはじめグループ各セグメントにおいて、お客さまの安全確保を最優先としていますが、不可避な要因により事故が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、国際的な情勢不安、景気の低迷のほか、地震や台風等の自然災害、感染症の流行等が、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、主要な会社において非常災害発生時においても事業の継続が図れるよう、事業継続計画(BCP)を策定しております。また、新型コロナウイルス感染症による事業リスクを最小限に抑えるため、全社で従業員に対する行動基準の策定、時差出勤等勤務体制の変更、ICT活用によるテレワークやWeb会議の推進等、感染拡大防止に努めております。
(2) 気候変動による事業運営への影響
当社グループでは、バス事業をはじめとして複数の事業を展開し、多くのエネルギーを消費しております。平均 気温が上昇することで、大型台風や集中豪雨、洪水等の異常気象が発生し、保有資産に対する損害や運営施設の休止、バス等の運行が不能になることなどにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、環境保全のため、気候変動を伴う温室効果ガスの排出抑制へ更なる取組みが要請される場合、対応のために大規模な投資や費用が発生する可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 少子高齢化や地域人口の減少
少子高齢化や都心部への人口移動等により、当社グループの事業地域における就労人口や通学人口が減少しており、今後もこの傾向が続く場合、バス利用者の減少等、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、中期経営計画に基づき、人口減少・少子高齢化社会においても成長戦略が描けるよう東京・名古屋・関西での事業展開を推進するとともに、三重エリアでの事業を深化するなど、持続的な成長に努めております。
(4) 人的資源の確保
労働力人口の減少により人材確保の競争は激しくなっております。このため、人件費が増加したり、在籍している従業員の流出や新たに必要な人材の獲得ができず、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、運輸セグメントでバス運転士の不足が課題となっております。要員確保のため、オンラインでの会社説明会の開催や社員寮の新築及び建替えによる環境整備を進め、未経験者や女性運転士の採用にも注力しております。また、不動産管理事業においては、外国人技能実習生の受入れを行うなど、多様な人材確保にも努めております。
(5) 営業拠点及び経営資源の集中について
関東圏から関西圏に及ぶ当社グループの営業エリアにおいて、主な地域は三重県を中心とした東海地区西部であり、営業拠点は津市、四日市市を中心とする三重県北中部に集中しております。当該地域の消費動向や、人口の増減、経済の動向とともに、大規模な地震・津波、風水害等が発生した場合、事業の継続に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、運輸及びレジャー・サービスセグメントでは、国内外において自然災害等が発生し、国内有数の観光地である伊勢志摩地域への観光客数が減少した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 原油価格や金利の変動
原油価格の上昇は、バス・タクシーの燃料費の増加につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。石油製品販売事業においては、原油価格の変動が市況販売価格に直接影響を与える構造ですが、他社との競合状況等により価格転嫁が行えない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、急激な金利上昇は、負債コストを増加させるほか、分譲事業等において顧客の購入意欲が減退するなどにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 経営計画の推移
中期経営計画に基づき、各種施策を推進しておりますが、計画どおりに進捗しない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 販売商品の瑕疵や欠陥
提供する商品の品質管理には万全を期していますが、万一販売した商品に瑕疵や欠陥が見つかった場合、営業停止や信用失墜により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 国のエネルギー政策変更
環境エネルギー事業では、太陽光発電の固定価格買取制度やエネルギー施策の変更等があった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 資産価値の下落等
グループ各社において、不動産、有価証券等の資産を保有しておりますが、資産価値の下落により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
従業員の退職給付債務については、年金資産の時価下落及び運用利回り、割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、年金資産の運用委託先における運用失敗等により、委託資産が消失する事態が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 法的規制等の変更
当社グループが営む事業に関連する法改正や許認可の要件変更等があった場合、それらへの対応に伴うコスト増や事業環境の変化等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) コンプライアンス違反
当社グループではコンプライアンス体制の整備、充実に努めておりますが、法令違反等の不祥事が発生した場合、信用の失墜、罰則金、損害賠償請求等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 情報システム障害
当社グループが所有しているコンピュータシステムに、ウイルス感染や外部からの不正アクセス等により重大な機能障害やデータ流出等が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 個人情報の漏洩
グループ各社において、個人情報を保有し、個人情報保護法等の法令並びにグループで制定する「情報セキュリティポリシー」に基づき管理していますが、不正アクセス等により個人情報の流出等の問題が発生した場合、信用の失墜や損害賠償請求等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 乗合バス事業における補助金
乗合バス事業においては、不採算路線においても社会的要請に応えるため、補助金制度を活用しながら運行を行っております。制度の改廃が行われた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 賃貸等不動産における空室及び賃下げ
賃貸事業では、入居者獲得の競争の激化等により、入居者や賃料が計画どおりに確保できなくなる可能性があります。既存テナントが退去し空室期間が長期化した場合、賃料を下げることもあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 建築コストの高騰
分譲・賃貸・建築事業等では、建築工事に必要な資材の価格や人件費が予想を超えて急激に高騰した場合、見積時期と発注時期の時間的差異により価格転嫁が間に合わず、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 長期間に渡る大規模な不動産開発
大規模な不動産開発では、完了までに長い期間を要することから、開発途中における想定外の費用発生や計画の遅延、変更、中止等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(19) 業績の季節的変動
分譲事業等では、季節的変動があり、第4四半期に営業収益の計上割合が高くなる傾向があるため、顧客への引渡しが遅れた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(20) その他の関係会社との資本関係
当社のその他の関係会社は、近鉄グループホールディングス株式会社及び同社の完全子会社である近畿日本鉄道株式会社であります。当連結会計年度末における当社議決権の所有割合は、近鉄グループホールディングス株式会社は39.1%、近畿日本鉄道株式会社は24.1%となっております。
今後、両社による株式の売却や当社の増資等により、両社の持株比率が変動した場合、経営に影響を及ぼす可能性があります。
これらの他にも様々なリスクがあり、ここに記載されたリスクが当社グループの全てのリスクではありません。
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