本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、前連結会計年度より決算期を3月31日から12月31日に変更しました。また、国内子会社の決算期も3月31日から12月31日に変更しました。これに伴い、当連結会計年度(2021年1月1日から2021年12月31日まで)と、比較対象となる前連結会計年度(2020年4月1日から2020年12月31日まで)の期間が異なるため、対前期増減率については記載しておりません。
(1) 経営方針、経営戦略等
当社は「JINUSHIビジネスを通じて安全な不動産金融商品を創り出し、世界の人々の資産を守る一翼を担う。」ことを経営理念として掲げ、安定的な収益が長期にわたって見込め、追加投資のかからない独自の不動産投資手法「JINUSHIビジネス」を基本戦略に事業を展開しております。また、不動産で資金を運用する機関投資家の皆様のニーズに応えることで社会に貢献し、結果として、高い成長と企業価値の向上を実現し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、株主価値を最大化する立場で収益性の高い事業展開を目指しております。そのため、売上高総利益率、売上高経常利益率、総資産利益率(ROA)、総資産回転率、自己資本比率、自己資本利益率(ROE)といった経営の収益性及び効率性に関する指標を重視した事業運営に留意しております。
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前期(2020年12月期) |
当期(2021年12月期) |
売上高総利益率 |
16.8% |
16.5% |
売上高経常利益率 |
7.2% |
8.9% |
総資産利益率(ROA) |
2.3% |
4.0% |
総資産回転率 |
0.41回 |
0.71回 |
自己資本比率 |
34.9% |
32.2% |
自己資本利益率(ROE) |
6.8% |
11.9% |
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、不動産投資事業、サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業、企画・仲介事業の3つの事業セグメントを展開しております。
「土地を買う。土地を貸す。貸している土地を売る。」低リスクで長期に安定した収益をもたらす安全な不動産金融商品を投資家に提供するという基本戦略「JINUSHIビジネス」を事業の成長エンジンに据え、引き続き事業用
定期借地権を使って、建物を所有せず、土地のみに投資し、安全な不動産投資を実現する不動産投資事業をメイン
に行ってまいります。
サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業では、安定収益を実現してまいります。
企画・仲介事業では、手数料収入を確保してまいります。
財務戦略としましては、リーマンショックの教訓を活かし、借入金の返済期間は概ね5〜30年超の長期借入金であり、開発案件にかかる借入金は財務制限条項が付いておらず、途中弁済(約定弁済を除く)も求められません。なお、当社グループにおける当連結会計年度末の現金及び預金残高(連結)は17,264百万円であり、常に積極的な土地の仕入活動を行うために、手元流動性を高めてまいります。
また、「中期経営計画(2022-2026)」を公表し、2026年12月期の計画数値を開示いたしております。
(2026年12月期の計画数値)
売上高 |
1,000億円 |
当期純利益 |
70億円 |
地主リート資産規模 |
3,000億円程度 |
ROE |
13%程度 |
自己資本比率 |
30%以上 |
(4) 経営環境及び会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は、足下では新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対して、個人消費は減少し、一部の企業の経済活動が停滞をきたすなど、景気の先行きについては引き続き慎重な姿勢がみられます。
不動産及び不動産金融業界におきましては、一部の商業施設や宿泊施設においては引き続き収益が低迷し、オフィスの空室率も高い水準で推移したものの、不動産投資マーケット全体では、低金利等を背景に、投資家の旺盛な投資マインドが継続し、引き続き安定した市場を形成しております。
このような経営環境のもと、当社グループの翌連結会計年度の方針としましては、引き続きJINUSHIビジネスを中心に新規販売用不動産の仕入に注力してまいります。
今回の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う個人消費の顕著な例として、生活必需品を取扱う業種の業績は好調に推移したことを踏まえて、スーパー、ホームセンター、ドラッグストアや物流施設をテナントとして誘致し、底地マーケットの拡大を行ってまいります。なお、新型コロナウイルス感染症拡大によって、当社グループの連結業績予想に影響を与えるような事象は生じておりません。
不動産市況が悪化した場合の対応(売却活動)につきましては、現在、日本の不動産市場において底地マーケットは既に確立されており、自然災害と収益ボラティリティに強く、長期にわたり安定した収益を得ることができる当社商品(販売用不動産)の売却は、十分に可能と考えております。
今回のコロナ禍でも当社のJINUSHIビジネスの商品性が投資家から再認識されており、リーマンショック時と同様に、JINUSHIビジネスの商品性は他のアセットタイプと異なり、自然災害に強く、収益ボラティリティが低く安定しているということをさらに認識していただけるよう引き続き努めつつ、新型コロナウイルス感染症の影響による金融資本市場の変動等を注視しながら、安定的な不動産投資手法であるJINUSHIビジネスの特徴を生かし、販売用不動産の売却を進めてまいります。
今後の土地の仕入れ活動につきましては、社会的ニーズも高い生活必需品を取扱うテナントを主とし、転用性の高い案件を慎重に選別しながら仕入れを行う方針です。
コロナ禍における資金繰りへの影響につきましては、当社グループが展開するJINUSHIビジネスは多くの金融機関にご理解並びに支持を頂いていることもあり、資金調達は順調に行えております。また、自己資金の活用により、JINUSHIビジネスによる不動産金融商品を長期保有し、安定的な賃料収入を得る長期賃貸事業を拡大させることにより、将来の予期せぬマーケット環境の変動に備えた安定した事業構造への変革を推し進めてまいります。
当社の2021年12月末時点における現金及び預金残高は17,264百万円と手元資金に不安はなく、加えて複数の金融機関との間で総額10,000百万円のコミットメントライン契約、及び総額29,600百万円の借入枠設定契約を締結していること、借入金について財務制限条項が付かず、5年から30年超の長期借入を実現していることから、当社の財務体質は極めて健全かつ盤石であります。
引き続き新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の影響等により、世界経済は不透明感が増すなか、不測の事態に備えるべく、金融機関とコミットメントライン契約を締結していることに加え、借入枠設定契約を締結し、さらに強固な財務体質の構築を進めてまいります。
なお、当社は新型コロナウイルスの感染防止対策を含む、危機管理の一環として地震等の災害マニュアルを作成して万一の事態に備えております。
例えば、会社の対応として、対策本部の設置、社員の安否確認、取引先等の被害情報の把握等であり、社員の行
動要領として、会社への安否の連絡、自宅待機、避難等の対策を実施しております。
新型コロナウイルスの感染防止対策としまして、2020年3月11日から時差出勤の導入、同年3月末から在宅勤務を導入し、恒常的に全役員・従業員が在宅勤務の出来る体制を整えましたので、災害時等で会社に出社が出来ない場合においても必要な業務の継続が可能となっております。また、37度以上の発熱が見られた場合の措置、全社員へのマスク及びウイルス検査キットの配布、マスクの着用、消毒液の設置、全ての事業所における除菌コーティング作業の実施など、社員の健康第一及び事業活動の継続を図れるように対応し、感染防止の対策を行っております。
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