業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(平成31年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(32)の規定を当連結会計年度に係る有価証券報告書から適用しております。

 

 (1) 経営成績等の状況の概要

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

当連結会計年度におけるユニゾグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。

  ① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の経済情勢を振り返りますと、我が国経済は、一部の輸出に弱さが見られるものの、緩やかな回復基調を維持しました。国内の賃貸オフィスビル市場におきましては、東京都心5区の空室率が当期中に2%を下回る水準まで低下し、賃料も東京都心を中心に上昇が継続するなど、市場は徐々にピークに近づいている模様です。国内のホテル業界におきましては、訪日外国人宿泊者数の増加ペースがやや減速し、また、日本人宿泊者数が減少傾向にあります。一方、客室供給面では高水準のホテル新増設が続いています。今後の国内経済につきましては、一部の輸出に弱さが見られるものの、緩やかな回復基調を維持する公算です。但し、米中貿易摩擦の影響、中国経済の不透明感の強まり、英国のEU離脱交渉の展開、日米物品貿易協定(TAG)交渉の影響等に留意する必要があります。

米国経済は、個人消費と設備投資を中心とした成長が継続しました。米国の賃貸オフィスビル市場におきましては、主要都市の空室率は継続的に低下、一方、賃料は一部の都市で横ばい傾向であり、市場はほぼピークとなっている模様です。今後の米国経済につきましては、個人消費と設備投資を中心とした成長が継続するものの、減速に向かう公算です。長短金利の動向、米中貿易摩擦の影響、英国のEU離脱後の展開、令和2年(2020年)の次期米国大統領選挙の動向等に留意する必要があります。

 

以上のような事業環境の下、ユニゾグループは、不動産事業とホテル事業の2本の柱で成長していくことに注力しております。

 

当連結会計年度の連結業績につきましては、売上高は56,053百万円(前連結会計年度52,462百万円 前連結会計年度比6.8%増)、営業利益は17,622百万円(同17,570百万円 同0.3%増)、経常利益は11,796百万円(同11,500百万円 同2.6%増)、キャピタルリサイクリングに伴い、不動産(国内)16物件、不動産(海外)4物件、ホテル2物件を売却したことによる固定資産売却損益を計上したこと等もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は11,903百万円(同8,488百万円 同40.2%増)となりました。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。 

 

[不動産事業]

当連結会計年度は、国内外の前年度及び当年度取得物件が寄与したことに加え、空室リーシング及び賃料の増額改定に注力しましたが、キャピタルリサイクリングに伴い、物件売却を行ったこと等により、売上高は、43,363百万円(同42,458百万円 同2.1%増)、営業利益は、16,405百万円(同16,565百万円 同1.0%減)と増収減益となりました。

 

 

[ホテル事業]

当連結会計年度は、既存ホテルで稼働率及び客室単価ともに弱含みましたが、平成29年度(2017年度)及び平成30年度(2018年度)開業ホテルが寄与したこと等により、12,974百万円(同10,219百万円 同27.0%増)と増収となりました。営業利益は、新規ホテル開業準備費用負担及び平成30年度(2018年度)開業ホテルの創業赤字等があるものの、平成30年度(2017年度)開業ホテルの通期寄与等により、1,981百万円(同1,828百万円 同8.4%増)と増益となりました。

 

当連結会計年度末の資産合計は、693,552百万円となり、前連結会計年度末比44,914百万円の減少となりました。これはキャピタルリサイクリングに伴い、新規投資16,847百万円による増加、物件売却134,191百万円による減少等により有形固定資産が前連結会計年度末比117,656百万円減少したこと等によるものです。賃貸等不動産(賃貸オフィスビル等)の当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は433,981百万円、時価は570,429百万円となっております。なお、自ら運営するホテル等の当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は104,410百万円、時価は190,406百万円となっております。さらに、平成31年(2019年)4月末時点でユニゾグループが保有する賃貸等不動産(賃貸オフィスビル等)の平成31年(2019年)3月末連結貸借対照表計上額は427,797百万円、時価は562,709百万円、自ら運営するホテル等の平成31年(2019年)3月末連結貸借対照表計上額は104,410百万円、時価は190,406百万円となっております。

当連結会計年度末の負債合計は、580,391百万円となり、前連結会計年度末比71,172百万円の減少となりました。なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は前連結会計年度末比66,646百万円減少いたしました。

当連結会計年度末の純資産合計は、113,160百万円となり、前連結会計年度末比26,257百万円の増加となりました。これは、平成30年(2018年)5月に公募増資等を実施したことにより、資本金が5,899百万円、資本剰余金が5,899百万円増加したこと及び利益剰余金が9,393百万円増加したこと等によるものです。

当期末の自己資本比率は16.3%となりました。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により12,562百万円増加、投資活動により105,307百万円増加、財務活動により67,799百万円減少した結果、前連結会計年度末に比べ53,189百万円増加し、当連結会計年度末は99,305百万円となりました。

 

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益16,863百万円、非資金項目である減価償却費11,714百万円の計上がありましたが、キャピタルリサイクリングに伴い、有形固定資産売却損益4,929百万円、受入敷金保証金の減少額5,846百万円及び法人税等の支払い5,425百万円等がありました。この結果12,562百万円の資金の増加(前連結会計年度比14,675百万円の減少)となりました。

 

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、キャピタルリサイクリングに伴い、有形固定資産の取得による支出19,336百万円等がありましたが、有形固定資産の売却による収入146,002百万円等があり、この結果105,307百万円の資金の増加(前連結会計年度比233,191百万円の増加)となりました。

 

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入11,724百万円、長期借入れによる収入82,905百万円、長期借入金の返済による支出159,855百万円等があり、この結果67,799百万円の資金の減少(前連結会計年度比176,116百万円の減少)となりました。

 

 

  ③ 生産、受注及び販売実績

ユニゾグループにおいては受注生産形態をとらない事業活動がほとんどであり、生産実績および受注実績について記載は行っておりません。

 

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

 不動産事業

43,122

102.0

 ホテル事業

12,931

126.8

合計

56,053

106.8

 

   (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

        2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

本項における将来に関する事項は、提出日現在においてユニゾグループが判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

ⅰ 売上高及び営業利益

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3,591百万円増加の56,053百万円となり、営業利益は、前連結会計年度比51百万円増加の17,622百万円となりました。これは、不動産事業において、国内外ともに、前連結会計年度及び当連結会計年度取得物件が寄与したことに加え、空室リーシング及び賃料の増額改定に注力しましたが、物件売却を行ったこと等によるものです。またホテル事業において、平成29年度(2017年度)及び平成30年度(2018年度)開業したホテルが寄与したこと、新規ホテルの開業準備費用負担及び平成30年度(2018年度)開業ホテルの創業赤字等によるものであります。

なお、セグメントごとの売上高と営業利益の概況については、「(1)経営成績の状況と概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

ⅱ 営業外損益及び経常利益

当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度比1,372百万円増加の2,334百万円となりました。これは、デリバティブ利益が1,150百万円増加したこと等によるものです。
 また、営業外費用は、前連結会計年度比1,128百万円増加の8,160百万円となりました。これは、支払利息が1,297百万円増加したこと等によるものです。

この結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度比295百万円増加の11,796百万円となりました。

 

ⅲ 特別損益及び税金等調整前当期純利益

当連結会計年度は、投資有価証券売却益174百万円及びキャピタルリサイクリングに伴い、不動産(国内)16物件、不動産(海外)4物件、ホテル2物件を売却したことによる固定資産売却損益4,929百万円等の計上により、特別損益は5,067百万円の純利益となり、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比4,300百万円増加の16,863百万円となりました。

 

ⅳ 法人税等(法人税等調整額を含む。)及び親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度の4,070百万円に対し4,987百万円となり、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比3,415百万円増加の11,903百万円となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 

当連結会計年度における資金は、営業活動により12,562百万円増加、投資活動により105,307百万円増加、財務活動により67,799百万円減少した結果、前連結会計年度末に比べ53,189百万円増加し、当連結会計年度末は99,305百万円となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益16,863百万円、非資金項目である減価償却費11,714百万円の計上がありましたが、キャピタルリサイクリングに伴い、有形固定資産売却損益4,929百万円、受入敷金保証金の減少額5,846百万円及び法人税等の支払い5,425百万円等があり、12,562百万円の資金の増加となりました。

 

投資活動によるキャッシュ・フローは、キャピタルリサイクリングに伴い、有形固定資産の取得による支出19,336百万円等がありましたが、有形固定資産の売却による収入146,002百万円等があり、105,307百万円の資金の増加となりました。

 

財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入11,724百万円、長期借入れによる収入82,905百万円、長期借入金の返済による支出159,855百万円等があり、67,799百万円の資金の減少となりました。

 

ユニゾグループの事業活動における資金需要は、主に国内外の優良収益不動産への新規投資及び新規ホテルの展開に関するものであります。ユニゾグループはこれらの資金需要について、自己資金に加え、金融機関からの借入等、機動性と長期安定性を重視した資金調達を実施しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

ユニゾグループの連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積もりを必要とします。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。

 

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