当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、ワクチン接種の普及に伴い経済活動は回復の兆しが見られるものの、新たな変異株の感染拡大により収束は見通せず、また、原油価格を始め原材料価格の高騰もあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような経済状況のもと当社グループにおいては、産業資材事業は輸入品の供給確保と新規商品の開発を行い、マット事業はタイ国の感染拡大による操業停止やコンテナ不足による不透明な出荷状況等に対処し、食品事業は生産体制の維持強化を図りSNSやECサイトでの広告宣伝を行うなど、それぞれ事業環境に対応しながら業績の回復を目指しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は3,151百万円(前期比3.8%減)、営業利益57百万円(前期比421.9%増)、経常利益74百万円(前期比271.4%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益48百万円(前期比49.3%減)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、当連結会計年度の売上高及び売上原価はそれぞれ94百万円減少しておりますが、損益に与える影響はありません。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(産業資材事業)
黄麻商品は、輸入先インドのロックダウンや物流の遅れに対応し、早期に輸入及び販売を開始しました。また、新規販路の開拓を進めました。包装資材は、自動車業界用及び食糧用包装資材の取扱数量は減少傾向にありましたがフレコン袋の用途拡大を図り業績回復に努めました。その結果、売上高は625百万円と前連結会計年度と比べ25百万円(3.9%)の減収、営業利益は27百万円と前連結会計年度と比べ12百万円(81.1%)の増益となりました。なお、当連結会計年度より「収益認識会計基準」等の適用により、売上高及び売上原価が67百万円減少していますが、損益に与える影響はありません。
(マット事業)
一昨年来の生産拠点タイ国の人件費高騰をうけ、生産体制の合理化を図り立て直しを進めました。自動車用フロアマットの日本国内の販売は自動車メーカーの減産の影響を受けましたが、海外の販売は出荷数量を伸ばし増収となりました。また、高級タイプの比率が低く販売単価は下がりましたが、コスト削減に努めました。その結果、売上高は1,387百万円と前連結会計年度と比べ87百万円(6.7%)の増収、営業利益は4百万円(前期は103百万円の営業損失)となりました。
(食品事業)
パスタは、家庭用商品の販売は前連結会計年度における品薄状態が解消されたため大きく減少し、業務用商品は飲食店の営業自粛や時短営業等があったため低迷した状態が続きました。レトルト商品も同様の環境下ではありますが、カレーの販売など堅調に推移しました。その結果、売上高は1,133百万円と前連結会計年度と比べ186百万円(14.1%)の減収、営業利益は23百万円と前連結会計年度と比べ73百万円(76.0%)の減益となりました。なお、当連結会計年度より「収益認識会計基準」等の適用により、売上高及び売上原価が26百万円減少していますが、損益に与える影響はありません。
当連結会計年度末における流動資産の残高は前連結会計年度末より194百万円増加し、2,017百万円(前連結会計年度末1,823百万円)となりました。主な要因は、現金及び預金の増加156百万円であります。
当連結会計年度末における固定資産の残高は前連結会計年度末より164百万円減少し、1,617百万円(前連結会計年度末1,781百万円)となりました。主な要因は、投資有価証券の減少178百万円であります。
当連結会計年度末における流動負債の残高は前連結会計年度末より65百万円増加し、730百万円(前連結会計年度末665百万円)となりました。主な要因は、1年内償還予定の社債の増加45百万円と1年内返済予定の長期借入金の増加40百万円であります。
当連結会計年度末における固定負債の残高は前連結会計年度末より74百万円減少し、706百万円(前連結会計年度末781百万円)となりました。主な要因は、社債の減少95百万円であります。
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末より39百万円増加し、2,197百万円(前連結会計年度末2,158百万円)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加37百万円であります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローの増加67百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの増加103百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの減少13百万円により、現金及び現金同等物は156百万円増加し、当連結会計年度末残高は810百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ63百万円減少し、67百万円の収入となりました。これは、主として、税金等調整前当期純利益を計上したものの、貸倒引当金の減少、棚卸資産の増加があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ44百万円増加し、103百万円の収入となりました。これは、主として、定期預金の預入による支出があったものの、投資有価証券の売却による収入、定期預金の払戻による収入があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ66百万円増加し、13百万円の支出となりました。これは、主として長期借入れによる収入が増加し、長期借入金の返済による支出が減少したためであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)記載金額は製造原価であります。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)記載金額は仕入価格によっております。
当社グループは、受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
なお、ABDUL LATIF JAMEELについては、前連結会計年度において販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、前連結会計年度の記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があることから、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、詳細につきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、売上高3,151百万円(前期比3.8%減)、営業利益57百万円(前期比421.9%増)、経常利益74百万円(前期比271.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益48百万円(前期比49.3%減)であります。
経営成績に重要な影響を与える要因としては、産業資材事業、マット事業、食品事業の売上・利益といった各セグメントの業績にあります。産業資材事業は、売上高・利益の規模は大きくないものの比較的安定した業績を上げております。マット事業はこれまで当社グループの業績を牽引してきましたが、コンペによる受注の獲得状況で業績が大きく影響するなど業績に安定性を欠き、また、生産拠点タイ国の人件費は年々上昇傾向にあり、生産体制の合理化を推進し今期はセグメント利益を計上したものの未だ回復の途上にあります。食品事業は採算性重視の観点から、また、コロナ禍の影響もありパスタの販売数量は減少傾向にありますが、カレーを中心としたレトルト製品は堅調に推移しており安定した業績を上げております。
当社グループはマット事業の立て直しと食品事業の成長を基本として取り組んでまいりました。また、「採算性のある取引への見直し」の取組みは利益を効率よく得られるようになりましたが、反面売上高の減少を招きました。前中期経営計画に引き続き新中期経営計画においても、コロナ禍の、そしてコロナ禍後の需要に即応できる体制を整え売上高の規模拡大に重点をおき取り組んでまいります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、安定した業績により剰余金を蓄積し、将来の設備投資や不測の事態に備え、また、配当を継続させるため、純資産を充実させることが将来の成長につながると考えております。資金の流動性につきましては、安定性を重視し、月商の2倍の現預金の残高を基準として、キャッシュ・フローを注視しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(産業資材事業)
産業資材事業は、米・雑穀等収穫期の麻袋及び包装資材の販売が業績に影響しており、この期に対処するとともにそれ以外にも、黄麻商品は環境の面からも見直されてきており、包装資材についても用途拡大に向け商品の開発に取り組み、新規需要の掘り起こしを進めて売上高拡大に努めてまいります。
(マット事業)
マット事業は、主に自動車用フロアマットの製造販売を行っておりますが、各自動車メーカーの各車種モデルチェンジごとにコンペにより受注しています。受注獲得は年々競争が激化し新技術・低コストが求められています。生産拠点タイ国の人件費高騰をうけ、生産体制の合理化を進めコスト削減に努めましたが、今後は外注等の活用により生産能力の補強を行い、ソフトウェアを強化しお客様のニーズに対応してまいります。また、日本、東南アジア、中東に加えてインドの販売を進めて売上高拡大に努めてまいります。
(食品事業)
食品事業は、パスタ製品は販売数量が減少傾向にありパスタの製造設備の稼働率は高くない状況にありますが当社グループ食品事業の主要な商材であり、業績回復に努め老朽化した製造設備の更新を図ることが課題となっております。レトルト製品につきましても新型コロナウイルス感染症拡大の影響はあったものの、堅調に推移しております。現在、レトルト製品の製造設備はフル稼働に近く増産を図るため生産設備の増強及び人員の確保が課題となっております。
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