業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、長引く新型コロナウイルス感染症の影響下にあり、全国各地で緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用が繰り返し行われることによって、企業活動及び個人消費は極めて厳しい状況で推移しました。その後ワクチン接種が進んだことで、9月30日に制限が解除され、持ち直しの動きが見られるものの、新たな変異株による感染拡大、原材料価格の上昇、地政学的リスク増大を主因とした原油価格の上昇等が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。

 外食産業におきましては、9月30日に緊急事態宣言が解除され、緩やかな回復基調がみられたものの、冬季に入り、同感染症の新たな変異株の拡大に伴い、全国各地でまん延防止等重点措置が再適用され、感染拡大防止のための休業あるいは営業時間短縮を余儀なくされ、依然として極めて厳しい経営環境が続いております。

 このような状況下、当社では当事業年度においても、前事業年度に引き続き「感謝」という全社スローガンのもと、同感染症がまん延している時期にご来店いただくお客様、従業員、取引先など様々なステークホルダーの皆様に感謝し、さらなる事業の発展を推進するため、引き続きQSC(商品の品質、サービス、清潔さ)の向上を最重要課題とし、様々な施策に取り組んでまいりました。また、売上高向上に努めるとともに、店舗管理コストの効率化を継続して行い、収益力向上に取り組んでまいりました。なお、当事業年度の新規店舗展開は北海道地区3店舗、東北地区1店舗、東海地区1店舗、北陸地区1店舗、信越地区1店舗、関西地区1店舗、中国地区に1店舗の出店を行いましたが、7店舗の閉店を行い、当事業年度末の店舗数は169店舗となりました。

売上高につきましては、お客様に選んでいただける店舗作りを目的として、スタンダードオペレーションの徹底、QSC(商品の品質、サービス、清潔さ)の向上を目的とした従業員トレーニングにつきましては、トレーニングセンターにおいて内容を充実して実施しております。また、社内コンテストの開催、期間限定メニューの定期的実施、モバイルコンテンツを使用した販売促進策やSNSを利用した新店オープン、新商品販売のご案内などのブランディングによる来店動機の喚起などを行っております。さらに同感染症拡大防止に向けた取り組みとして全店舗従業員の毎日の健康チェックの実施、マスク着用及びアルコール消毒の徹底、消毒液の設置、飛沫感染防止用間仕切りの設置など、感染予防対策を通じて既存顧客の満足度や安心感の向上と新規顧客の獲得に努めております。しかしながら、同感染症拡大防止に伴う営業自粛や休業の影響が大きく、売上高は計画を下回ることとなりました。

コスト面につきましては、需給バランスに伴う原材料価格の変動も見られるため、引き続き厳格なロス管理を行っております。人件費につきましては、引き続き適切なワークスケジュール管理を行い適正化に努めております。エネルギーコストにつきましては上昇傾向となっておりますが、設備使用の適正化により削減を行っております。主要コストを含めその他店舗管理コストにつきましても、引き続き徹底した効率化を図っております。当事業年度につきましては、同感染症拡大防止に伴う営業自粛や休業もあり、販売費及び一般管理費は計画内に収まることとなりました。

 その結果、当事業年度の売上高は同感染症拡大防止に伴う営業自粛や休業の影響を受け15,122,330千円(前年同期比6.0%増)、営業利益は299,639千円(前年同期比7.2%減)、経常利益は344,674千円(前年同期比7.9%減)となりました。また、特別利益において、同感染症拡大防止に伴う休業協力金等の助成金の収入を434,546千円計上したことなどにより、当期純利益は386,275千円(前年同期比172.2%増)となりました。

②財政状態の状況

 (資産)

  当事業年度末における資産につきましては、前事業年度末に比べ256,921千円増加し、6,702,184千円(前年同期比4.0%増)となりました。主な要因は、次のとおりであります。

  流動資産につきましては、前事業年度に比べ275,635千円増加し、2,283,522千円(前年同期比13.7%増)となりました。これは現金及び預金の増加(1,389,652千円から1,528,391千円へ138,738千円の増加)及び、店舗食材の増加(420,185千円から538,390千円へ118,204千円の増加)が大きな要因であります。

  固定資産につきましては、前事業年度に比べ18,714千円減少し、4,418,662千円(前年同期比0.4%減)となりました。投資その他の資産の減少(1,203,467千円から1,172,526千円へ30,941千円の減少)が大きな要因であります。

 

 (負債)

  当事業年度末における負債の残高は、前事業年度に比べ56,490千円減少し、4,474,644千円(前年同期比1.2%減)となりました。主な要因は、次のとおりであります。

  流動負債につきましては、前事業年度に比べ200,489千円減少し、2,597,473千円(前年同期比7.2%減)となりました。これは1年内返済予定の予定長期借入金の減少(591,158千円から527,594千円へ63,564千円の減少)及び、1年内償還予定の社債の減少(480,000千円から295,000千円へ185,000千円の減少)が大きな要因であります。

  固定負債につきましては、前事業年度に比べ143,998千円増加し、1,877,171千円(前年同期比8.3%増)となりました。これは、長期借入金の増加(972,351千円から1,056,189千円へ83,838千円の増加)及び、社債の増加(690,000千円から730,000千円へ40,000千円の増加)が大きな要因であります。

 (純資産)

  純資産につきましては、前事業年度に比べ313,412千円増加し、2,227,539千円(前年同期比16.4%増)となりました。これは、当期純利益計上などに伴う利益剰余金の増加(1,310,837千円から1,657,827千円へ346,990千円の増加)が大きな要因であります。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比較して99,737千円増加し、1,459,390千円となりました。当事業年度中におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

当事業年度のキャッシュ・フローの状況
 営業活動によるキャッシュ・フロー  969,388千円
 投資活動によるキャッシュ・フロー △630,209千円
 財務活動によるキャッシュ・フロー △239,440千円
 現金及び現金同等物の期末残高   1,459,390千円

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動により得られた資金は、969,388千円(前年同期比28.7%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益635,819千円に対して減価償却費が409,948千円、減損損失が189,486千円、助成金の受取額が434,546千円となりましたが、その他の流動負債の減少額が181,583千円、法人税等の支払額が141,469千円となったことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動により使用した資金は、630,209千円(前年同期比71.7%増)となりました。これは主に、店舗の開設等による有形固定資産の取得による支出が580,974千円あったことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動により使用した資金は、239,440千円(前年同期は54,202千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が679,726千円、社債の償還による支出が495,000千円に対して、新規の長期借入れによる収入が700,000千円、新規の社債の発行による収入が344,769千円あったことなどによるものであります。

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

b.受注実績

 該当事項はありません。

c.販売実績

 当事業年度における販売実績を都道府県別に示すと、次のとおりであります。

 

当事業年度

(自 2021年2月1日

  至 2022年1月31日)

売上金額(千円)

前年同期比

(%)

ラーメン事業

 

 

北海道

4,244,220

102.2

茨城県

1,709,518

106.8

栃木県

801,371

99.1

埼玉県

1,417,047

104.7

千葉県

1,373,500

101.9

群馬県

727,257

102.8

東京都

125,741

101.5

宮城県

310,821

118.9

静岡県

609,800

102.9

福島県

316,855

109.1

神奈川県

340,777

107.3

岐阜県

50,937

51.6

山梨県

353,006

108.2

山形県

116,523

99.0

愛知県

591,538

104.3

三重県

192,207

111.5

長野県

250,255

118.0

岩手県

108,939

115.0

秋田県

200,364

105.1

青森県

237,332

100.3

兵庫県

137,314

168.3

福岡県

59,978

112.7

新潟県

371,685

105.2

富山県

123,454

285.3

福井県

113,513

393.4

岡山県

90,518

石川県

2,578

その他

165,268

109.7

合計

15,122,330

106.0

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 本項に記載した将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 新規出店は9店舗となり当事業年度末の店舗数は169店舗になりました。なお7店舗の閉店を行いました。

 期間限定メニューの定期的発売、メールマガジンを中心としたモバイルコンテンツやSNSを活用した来店動機の喚起、そしてQSC(商品の品質、サービス、清潔さ)の向上を目的とした従業員トレーニングを継続して行っており、売上高向上に努めるとともに、店舗管理コストの効率化を継続して行い、収益力向上に取り組んでまいりました。当事業年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う営業自粛や休業もあったことから計画を下回ることとなりましたが、当事業年度における売上高は15,122,330千円(前年同期比6.0%増)となりました。

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度は、一部食材価格について単価の変動などがあったことや、同感染症拡大に伴う売上高の減少がありましたが、ロス管理の厳格化などを行ったことなどから、原価率は前年同期比で0.2ポイントの減少となりました。以上の結果、売上総利益は11,116,373千円(前年同期比6.3%増)となりました。

 (販売費及び一般管理費)

 販売費及び一般管理費につきましては、人件費は、時給単価上昇の影響が継続しておりますが、適切なワークスケジュール管理を行い適正化に努めております。エネルギーコストにつきましても上昇傾向が見られますが、設備使用の適正化により削減を行っております。主要コストを含めその他店舗管理コストにつきましても、引き続き徹底した効率化を図っております。当事業年度につきましては、同感染症拡大防止に伴う営業自粛や休業もあり、販売費及び一般管理費は計画内に収まることとなり、当事業年度における販売費及び一般管理費は10,816,733千円(前年同期比6.7%増)、売上高比では71.5%と前期と比較し0.4ポイントの悪化となりました。なお、当事業年度の営業利益は299,639千円(前年同期比7.2%減)となりました。

 (営業外収益、営業外費用)

 営業外収益は、受取手数料が48,059千円(前年同期比13.2%増)となったことなどから、78,670千円(前年同期比12.2%減)となりました。営業外費用は、支払利息が21,225千円(前年同期比3.7%減)となったことなどから、33,635千円(前年同期比12.0%減)となりました。なお、当事業年度の経常利益は344,674千円(前年同期比7.9%減)となりました。

 (特別利益、特別損失)

 特別利益は、助成金収入434,546千円、受取保険金60,459千円を計上したことなどから、549,060千円(前年同期は5,765千円)となりました。特別損失は、減損損失189,486千円を計上したことなどから、257,915千円(前年同期比83.6%増)となりました。

 (当期純利益)

 税引前当期純利益635,819千円に対し法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計249,543千円を計上し、当期純利益は386,275千円(前年同期比172.2%増)となりました。

 

②経営方針・経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的な指標と今後の見通しについて

 国内経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の終息時期が見通せないことに加えて、同感染症を起因とする企業業績の低迷に伴う雇用や所得環境の悪化が長期間に渡り続いております。また世界的な半導体不足、資源価格の高騰、ロシアによるウクライナ侵攻など、景気の先行きの不透明感は、かつてないほど強まる状況となっております。

 外食産業におきましては、新しい生活様式に対応し、同感染症拡大防止への徹底した取り組みが求められる一方、テレワークなどの労働環境の変化やテイクアウト・デリバリーの導入による中食との競合の激化、物流コストや原材料価格の高騰など経営環境へのリスクも多く、依然としてとても厳しい環境が続いております。

 このような環境の中、当社は以下のとおり、経営戦略を掲げております。

a.原則全店直営で高品質、店舗内調理ナンバーワンのブランド構築

b.商品・顧客・働く仲間に向き合える人材育成

c.福利厚生・労働環境の向上による働きやすい職場環境作り

d.200店舗体制に向けた出店戦略

  経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高、営業利益及び営業利益率を中長期的な経営の重要指標としております。なお、次期からの中期経営計画につきましては、発表予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響や地政学的リスク増大の影響を考慮する必要性が生じているため延期し、内容を精査しております。

  今後の見通しにつきましては、「“ありがとう”を創る」を全社スローガンとして掲げております。当社を取り巻くお客様、従業員、取引先など様々なステークホルダーの皆様と相互に感謝し合える関係性を築くことで、このコロナ禍という難局を共に乗り越え、さらなる事業の発展を進めてまいります。また、引き続きQSC(商品の品質、サービス、清潔さ)向上に取り組んでまいります。当社は今後もお客様を万全の態勢でお迎えするべく、様々な皆様への「“ありがとう”」という感謝を胸に引き続き店舗のQSC(商品の品質・サービス・清潔さ)の向上及び利益体質の強化を図ってまいります。

  次期は新規出店10店舗とし、売上高16,527百万円、経常利益550百万円、当期純利益290百万円と計画しており、計画達成に向け社内一丸となって取り組んでまいります。

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

  当社の運転資金需要のうち主なものは、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は営業店舗設備投資等によるものであります。

  当社は、運転資金につきましては、内部資金により資金調達することとしており、設備資金につきましては、固定金利の長期借入金及び社債(銀行保証付私募債)発行で調達することを基本としております。調達コストにつきましては、過度な金利変動リスクに晒されないよう、固定金利もしくは金利スワップなどを活用しております。今後におきましても、これらの方針に大きな変更はないものと考えております。

  なお、当事業年度末現在における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は2,697,399千円となっております。

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 重要な会計方針」に記載のとおりであります。

 当社は、税効果会計などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や収束時期等の仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 追加情報」に記載のとおりであります。

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