業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 経営成績の状況

COVID-19については、ワクチン接種の進展等により経済活動の正常化が進む一方で、一部の地域では感染の再拡大により再び活動が制限されるなど、地域によってばらつきが出ています。また、半導体を中心とした部材不足、原材料の高騰等も進んでおり、先行き不透明な状況が続いています。

当社グループにおいては、ウェーハ再生事業は旺盛な顧客需要及び増産設備投資の寄与により、順調に推移しました。また、半導体関連装置・部材等は旺盛な顧客需要による販売増加で順調に推移しました。さらに、プライムシリコンウェーハ製造販売事業も中国子会社新工場の稼働、高い顧客需要を背景とする販売増加により、順調に推移しました。

 

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は34,620,854千円前年同期比35.4%増)となりました。営業利益は6,874,742千円前年同期比51.8%増)となり、経常利益は8,832,166千円前年同期比68.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,303,792千円前年同期比17.0%増)となりました。

当連結会計年度の経営成績の内訳は以下のとおりであります。

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、34,620,854千円前年同期比35.4%増)となりました。

高い顧客需要と増産設備投資、新工場稼働により、前年同期比で販売を増加させたことによります。

(売上原価及び売上総利益)

売上原価は、22,750,938千円前年同期比34.8%増)となり、売上総利益は11,869,916千円前年同期比36.7%増)となりました。

(営業利益)

営業利益は6,874,742千円前年同期比51.8%増)となりました。

研究開発費などが増加したため、販売費及び一般管理費が4,995,174千円前年同期比20.4%増)と増加しましたが、それを上回る売上高増加により営業利益が大きく増加しております。

 

(経常利益)

経常利益は、8,832,166千円前年同期比68.1%増)となりました。

営業利益の増加に加え、受取利息243,250千円や補助金収入1,836,163千円等を営業外収益に計上したことによります。

(税金等調整前当期純利益)

中国子会社の株式報酬費用1,404,223千円を特別損失に計上した結果、税金等調整前当期純利益は、7,427,942千円前年同期比60.7%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、3,303,792千円前年同期比17.0%増)となりました。

 

事業のセグメント別の業績を示すと次のとおりです。

 

(ウェーハ再生事業)

ウェーハ再生事業におきましては、国内外 再生市場の需要が堅調に推移したことおよび増産設備投資の寄与により、外部顧客への売上高は12,716,265千円(前年同期比11.1%増)、セグメント利益(営業利益)は4,731,574千円(前年同期比17.5%増)となりました。

 

(プライムシリコンウェーハ製造販売事業)

プライムシリコンウェーハ製造販売事業におきましては、新工場の稼働および高い顧客需要を背景にした販売増加により、外部顧客への売上高は13,377,096千円(前年同期比72.3%増)、セグメント利益(営業利益)は2,539,343千円(前年同期比143.8%増)となりました。

 

(半導体関連装置・部材等) 

半導体関連装置・部材等におきましては、旺盛な顧客需要を背景にした販売増加に より、外部顧客への売上高は8,450,255千円(前年同期比34.6%増)、セグメント利益(営業利益)382,597千円(前年同期比81.2%増)となりました。

 

 (その他)

その他におきましては、ソーラー事業及び技術コンサルティングの業績を示しており、外部顧客への売上高は77,237千円(前年同期比9.9%増)、セグメント利益(営業利益)は42,211千円(前年同期比26.0%減)となりました。

 

② 生産、受注及び販売の実績

生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりであります。

 a. 生産実績

 生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日

前年同期比(%)

ウェーハ再生事業      (千円)

13,190,884

+15.3

プライムシリコンウェーハ製造販売事業

              (千円)

16,840,762

+126.9

半導体関連装置・部材等    (千円)

3,485,923

+40.5

合計(千円)

33,517,571

+57.0

 

(注)1.その他事業は生産活動を行っておりませんので、記載しておりません。

2.セグメント間の内部振替後の数値によっております。

3.金額は売価によっております。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

5. 当連結会計年度において、生産高に著しい変動がありました。プライムシリコンウェーハ製造販売事業におきましては、新工場の稼働および高い顧客需要を背景にした販売増加により、生産高が増加しております。

 

 b. 受注実績

当社グループでは見込加工しているため、該当事項はありません。

 

 c. 販売実績

 販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日

前年同期比(%)

ウェーハ再生事業       (千円)

12,717,983

+11.0

プライムシリコンウェーハ製造販売事業

              (千円)

14,780,915

+68.8

半導体関連装置・部材等   (千円)

8,450,255

+34.7

その他           (千円)

77,237

+9.9

調整額           (千円)

△1,405,536

+40.8

合計(千円)

34,620,854

+35.4

 

(注)1.当連結会計年度において、販売高に著しい変動がありました。プライムシリコンウェーハ製造販売事業におきましては、新工場の稼働および高い顧客により販売高が増加しております。

   2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。なお、当連結会計年度の販売実績が総販売実績に対する割合が100分の10以上となる相手先はないため、当連結会計年度の主要な顧客別の売上状況は記載を省略しております。

      3.セグメント間の内部振替後の数値によっております。

相手先

 

 

前連結会計年度

(自  2020年1月1日

  至  2020年12月31日 )

 

             当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.

3,687,197

14.4

 

 

 

③ 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は45,851,246千円となり、前連結会計年度末と比較して13,224,714千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金8,684,111千円の増加、受取手形及び売掛金3,196,337千円の増加、原材料及び貯蔵品1,252,815千円の増加によるものであります。

固定資産は33,206,406千円となり、前連結会計年度末と比較して7,082,537千円増加いたしました。これは主に建物及び構築物499,802千円の増加、機械装置及び運搬具5,862,599千円の増加、建設仮勘定2,873,655千円の減少、関係会社である山東有研RS半導体材料有限公司への追加出資による投資有価証券2,277,397千円の増加によるものであります。

この結果、総資産は79,057,653千円となり、前連結会計年度末に比べて20,307,251千円増加いたしました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は14,218,445千円となり、前連結会計年度末と比較して1,587,763千円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金1,445,475千円の増加、短期借入金991,210千円の増加、1年内返済予定の長期借入金505,805千円の増加、流動負債その他403,231千円の減少によるものであります。

固定負債は9,827,450千円となり、前連結会計年度末と比較して4,073,447千円増加いたしました。これは主に、長期借入金3,483,733千円の増加とリース債務94,904千円の減少、固定負債その他210,132千円の増加によるものであります。

この結果、負債合計は24,045,895千円となり、前連結会計年度末に比べ5,661,210千円増加いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は55,011,757千円となり、前連結会計年度末と比較して14,646,040千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金3,303,792千円の増加、為替換算調整勘定2,355,394千円の増加、非支配株主持分9,701,619千円の増加によるものであります。

 

 

④ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末の17,910,394千円より3,731,416千円増加し、21,641,811千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、9,337,395千円(前連結会計年度は6,377,261千円の増加)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益7,427,942千円、減価償却費2,942,181千円、売上債権の増加額2,601,347千円、たな卸資産の増加額1,753,357千円、補助金の受取額2,493,922千円、法人税等の支払額2,247,179千円によるものであります。
 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、15,614,592千円(前連結会計年度は9,188,082千円の減少)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出8,999,826千円と関係会社株式の取得による支出2,014,800千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、8,069,655千円(前連結会計年度は776,109千円の減少)となりました。

これは主に非支配株主からの払込みによる収入2,593,310千円、長期借入れによる収入5,900,000千円、長期借入金の返済による支出2,083,500千円によるものであります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

当社グループの連結財務諸表作成において、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②  当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

a. 経営成績

「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照ください。

b. 財政状態

「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ 財政状態の状況」をご参照ください。

c. キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ④ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

d. 資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

当社グループの主な資金需要は、設備投資、ウェーハや半導体生産設備の仕入、製造費や販売費及び一般管理費などであります。

今度予定されている大きな資金需要として、12インチ再生ウェーハの生産能力拡充のための設備投資がありますが、当該財源は自己資金及び金融機関からの借入により確保する予定であります。

(財務政策)

当社グループは、事業展開の必要に応じて機動的な資金調達を実施していく方針でありますが、そのために健全な財政状態の維持に努めてまいります。

当社グループの財政状態は引き続き健全な状態を保っており、現金及び現金同等物の流動性資産に加えて、営業活動によるキャッシュ・フローや金融機関からの借入により事業の拡大に必要な資金を十分に確保できているものと考えております。

 

③  経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境に関するリスク、事業に関するリスク、事業体制に関するリスク等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響が与える可能性があると認識しております。

そのため、当社は、各事業セグメント及び各地域の需給バランスを十分認識し安全性の高い設備投資を実施すると共に災害に強い事業基盤を構築し、経営成績に重要な影響を与えるリスクを分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

④  経営者の問題意識と今後の方針について

当社の経営陣は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後の業容拡大を遂げるためには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。

そのためには、プライムシリコンウェーハ製造販売事業安定化に必要な結晶技術の確立、プライムシリコンウェーハ業界出身者の確保を実現することが先決であります。ウェーハ再生事業においては半導体の微細化技術に対応するウェーハ再生技術の開発及び事業化、生産効率向上による収益性の向上を目指します。営業方針としては安定的組織的な営業力の強化による海外商圏のさらなる拡大を目指します。またウェーハ事業全体として加工能力増強の為の設備投資を実行しながらも、財務体質の強化にも努めてまいります。

 

 

⑤  経営戦略の現状と見通し

当社は、半導体デバイスメーカーで使用するシリコンウェーハの再生事業メーカーとして、半導体デバイスの高度集積化に対応した設備・技術を保有し、需要の拡大に対して安定供給を行ってまいりました。

今後も、顧客満足を指向した経営をするために、更なる研究開発や最先端設備の拡充等を通じて、再生ウェーハの安定供給を継続できるように努めてまいります。

また、新たに進出したプライムシリコンウェーハ製造販売事業の拡大を推進するとともに、半導体生産設備及び部材の売上拡大にも注力し、収益源の多様化に努めてまいります。

 

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