事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 

以下において、当社グループの状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

 (1)特に重要な事業等のリスク

リスク項目

リスクの内容

主要な取り組み

影響度

蓋然性

感染症の流行、自然災害、不景気等に伴う需要の減少

以下のような事象が発生した際の、フレキシブルオフィス等の利用キャンセル及び新規予約の減少が発生する可能性

・新型コロナウイルスを例とするような治療方法が確立されていない感染症が流行

・大地震等の自然災害が発生

・景気後退により、企業が支出を抑える動きが広がった場合

<家賃を柔軟に減額することが可能な体制>

・定期借家契約では、契約期間中の解約が基本的に不可能な中、TKPでは全契約の約4割を短期間(半年等)で解約可能な契約としている

・日本及び台湾リージャス社は全契約の約4割を売上に応じた変動賃料契約とすることで、リスクコントロールが実施できる体制としている

<市況に応じた柔軟なサービス提供>

・左記のような状況となった場合、当社の既存の枠組み・不動産を活用した新サービスを組成し、新たな需要への対応を実施

フレキシブルオフィス事業の競争激化

・競争激化に伴う販売単価の低下により利幅が縮小する可能性

・競合に対応するための各種方策の実施に伴うコストが増加する可能性

・マルチブランド戦略により競合他社よりも幅広い顧客層を取り込む

・付随する多様なサービスを展開

・申し込みから予約確定までをオンライン化し、短時間で完結できる仕組みを構築

財務制限条項

・有利子負債に付加されている財務制限条項等に抵触する可能性

・採算を重視した施設開発

・財務体質の維持及び強化

・最新の情報に基づいた事業計画の見直し

※当連結会計年度末で一部のシンジケートローンに付されている財務制限条項に抵触しております。「(3)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおりです。

M&A

及びのれんの減損

以下のように、M&Aにおいて当社グループが当初期待していた成果が得られず、買収時に発生したのれん及び無形資産や取得した有価証券等を減損する必要が生じる可能性

・買収した事業において継続的な需要を維持することが困難な場合

・当社グループのサービスと買収した事業との間でシナジー効果が得られない場合

・買収時に想定しなかった重大な問題点が買収後に発見された場合

・当社グループのサービスと親和性の高い企業との業務・資本提携やM&Aを実施することでシナジー効果を発生させる

・事前に財務・税務・法務等詳細なデューデリジェンスを実施

・経営会議等において買収価格の適切性に関する審議を実施

・不要な固定費を削減する等、効率的な運営を実施

・買収後のシナジー実現に向けたフォローアップや定期的なモニタリング

固定資産の減損

・フレキシブルオフィス事業の施設や宿泊研修施設等において、当初想定していた収益が見込めず減損となる可能性

・各施設における稼働率向上施策や固定費削減の実施

 

 

 (2)その他の重要な事業等のリスク

リスク項目

リスクの内容

主要な取り組み

影響度

蓋然性

フレキシブルオフィス事業の物件・スペース確保の難化

・不動産市況その他の要因により新規物件が計画どおりに確保できない可能性

・既存物件の賃貸借契約が計画どおりに延長できない可能性

・新規物件の確保については、不動産オーナーのニーズを的確に把握

・既存物件の賃貸借契約の延長については、不動産オーナーによる再開発計画の進捗等を的確に把握し、延長交渉を実施

海外での事業展開

政情不安、通関業法・税制等の法制度の変更、金融・輸出入に関する諸規制の変更、ストライキ、テロ、暴動等、社会環境における予測し得ない事態の発生によって事業計画に遅延が起きる可能性

・海外市場の動向に細心の注意を払い、適切な対応を図る

・経営会議等におけるモニタリングの実施

個人情報等の取扱い

個人情報を含む顧客及び取引先の機密情報が、外部からの不正アクセスや社内管理体制の不備、災害の発生等により外部へ漏洩、消滅、改ざんや不正利用が発生した場合に社会的信頼を失い、顧客の利用が減少する可能性

・情報の取扱いに関わる社内規定の整備

・定期的な従業員教育の実施

・システムのセキュリティ強化

・インシデントが発覚した際の対応フローの整備

株式価値の希薄化

資金調達

新株予約権の権利行使に伴う発行済株式数の増加により、価値の希薄化及び株価の下落が発生し、結果として今後の資金調達が円滑に実施できないリスク

・行使停止条項や行使可能条項の仕組みを活用

・継続的な株式価値向上のためのIR活動の推進

 

(3)継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け1,585百万円の経常損失を計上しており、当連結会計年度末で一部のシンジケートローンに付されている財務制限条項に抵触したため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。しかしながら、金融機関からは期限の利益喪失請求権の放棄を受ける見込みでおります。

試験会場利用、WEBセミナー、新型コロナワクチンセンターの開設等、コロナ禍での新たなビジネス機会が生まれていることに加え、ワクチン等感染対策の整備に伴う社会経済活動の正常化が進んだことにより、足許の受注状況は緩やかに回復基調となっております。また、財務基盤の一層の安定化のため、歩合賃料を始めとした固定費/出店費を抑える柔軟なスキームでの不動産開発や、取引先銀行とのシンジケートローン契約及びコミットメントライン契約の締結、保有不動産の売却並びに第三者割当による新株予約権の発行を実施し、1年間の必要運転資金を大きく上回る現預金及び調達枠を確保しております。

以上により継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

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