文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大により、2022年以降の経済全体の見通しは依然として不透明でありますが、新型コロナウイルス感染症が当社グループに与える影響は現時点で軽微であり、不確定要素が多いことから、経営方針・経営戦略等を見直す必要がないと判断しております。新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループの経営環境に重要な変化が生じた場合には、適切に対応してまいります。
当社グループは、「お客様満足度」の向上、「働く私たちの幸福」の追求及び「社会との調和を重んじ地域発展に貢献するとともに、関係する人々に信頼される企業」を目指すことを企業理念に掲げ、より質の高い不動産商品作り、不動産業としての幅広い提案力によって地域社会の発展に貢献し、地域で愛される企業となることを、経営の方針としております。
(2) 経営環境及び経営戦略等について
当社グループを取り巻く経営環境としましては、新型コロナウイルス感染症の拡大により個人消費の回復の見通しが困難になったうえ、ウクライナ情勢の長期化、資源価格をはじめとする広範囲での大幅な物価上昇に加え、為替市場における歴史的な円安の進行等により、景気の先行きについては依然として不透明な状況が長期化しております。
このような環境の中、当社グループは、不動産売上高に過度に依存せず、売上高を着実に拡大すること、また継続可能な収益の積み上げにより、利益率の向上に取り組むことを基本方針として経営にあたってまいります。セグメント別の経営戦略については以下の通りであります。
①不動産流通事業
不動産売上高については、当社グループの強みである企画力を生かし、立地環境に合わせた自社企画投資用不動産レーガベーネシリーズの安定的な商品化を継続することで、セグメントの垣根を超えた企業の物件力を強化してまいります。また、投資用物件、土地、戸建、区分所有物件の買取再販についても積極的に仕入れを行います。仲介事業については、株式会社KASUMICを吸収合併したことにより、茨城県南エリアでの仲介を強化し、収益アップを図るとともに既存店舗の魅力向上と新規出店への取り組みについても強化してまいります。
新規事業である不動産ファンド事業については現在、運用中となっているプロジェクトに続き、今後も魅力ある商品の開発、募集を行ってまいります。
②不動産管理事業
当社の安定的な収益基盤として、不動産賃貸物件の管理戸数については、自社企画投資用不動産による増加及び、リアル店舗における地域オーナーへの提案力と仲介力を当社の大きな武器として、リノベーションを中心とした物件価値と入居率の向上により、確実に増加をしてまいります。これにより、賃貸管理を中心とした各種手数料の安定的な確保を目指します。コインパーキング事業においても全社的に地域オーナーへの提案に努め、運営台数の増加を図ります。その他、賃貸事業収益、太陽光売電事業においても安定的な収益確保に努め、魅力ある商品については継続的に仕入れを行ってまいります。
(3) 目標とする経営指標
当社は永遠に続く会社(倒産しない会社)であるためには持続的な成長とともにストックビジネスの強化による安定収益の拡大が重要であると考えております。目標とする指標に関しては、次に掲げる項目についてバランスを取りながら継続的な企業価値の向上を目指すとともに、株主重視の経営を行ってまいります。
①経営の健全性の向上
自己資本比率を重要な経営指標の一つと捉え、30%以上を維持し、40%を目指します。
②積極的・戦略的な事業投資
将来の成長、安定収益の拡大に繋がる事業投資は積極的に行い、その他M&A等の事業投資は戦略的に行うことに
よって持続的な成長を図ります。
③経営の効率性の向上
自己資本利益率を重要な経営指標の一つと捉え、10%以上を維持します。
④持続的・安定的な株主還元
配当性向 30%を当面の目標として、株主の皆様への安定的な配当の継続に努めます。
(4) 対処すべき課題について
当社グループの対処すべき課題について、その内容と対処方針等は以下のとおりです。
① 自社企画投資用不動産の強化
当社グループは、自社企画投資用不動産であるレーガベーネの継続的な商品化を行っております。今後においても商品の販売、仲介、販売後の管理により売上の確保と管理戸数の拡大を目指してまいりますが、借主や投資家双方に魅力ある商品作りをするにあたり、建築費から受ける影響は大きく、広いエリアにおいて商品化ができていないことが課題であると認識しております。この課題を克服するために、当社グループは、エリアの店舗を中心に地域に根ざした営業活動を通じて商品開発用地の情報収集に努めるほか、金融機関等との関係を強化し、自社企画投資用不動産の用地の確保を致します。
② ドミナント出店による拡大
当社グループは、茨城県内に18店舗、千葉県柏市と東京都台東区にそれぞれ1店舗の計20店舗での営業展開を行っておりますが、ドミナント展開のされていないエリアがあり、広域的な顧客へのニーズに十分に対応されていないことが課題であります。この課題を克服するために、エリアの出店予定地の情報を入手し、各地域において、ドミナント出店を確立し、エリアでの市場占有率の向上を目指します。
③ 空き家に関する対応
国内においては、人口減少から空き家が増加しており、今後世帯数の減少が予測される中、空き家問題はますます深刻になると考えられます。これらの空き家問題を克服するため、当社グループではエリアの店舗を中心に地域に根ざした営業活動を通じて顧客の空き家(遊休地)に対し、リースバック、買取や各商品(投資用不動産、宅地造成、コインパーキング、トランクルーム、太陽光等)の有効活用提案、及びジャストサービス株式会社によるリノベーションでの資産価値の向上等、多角的な提案営業により、空き家化の防止と流通促進を目指してまいります。
④ 人材の確保と育成
当社グループは、今後のエリア及び事業拡大に合わせ、優秀な人材を継続的に採用、教育することが課題であると認識しております。この課題を克服するために、当社グループは、事務や営業スタッフの業務の標準化により効率的な業務遂行を可能とし、社内外の教育や研修の充実により従業員の資質向上を図っております。また、他部署間での異動やグループ間の出向制度を利用し、不動産に関する総合的な提案型営業スタッフの育成及び店舗格差を無くしサービスを平準化することを推進しております。
⑤ コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンスの強化
当社グループの継続的な事業の発展及び信頼性の向上のためには、コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンスの強化に取り組むことが課題であると認識しております。これらの課題を克服するために、内部統制システムに係る基本方針を制定しており、同基本方針の着実な運用に加えて、コーポレートガバナンスコードに沿った企業体制の構築に積極的に取り組んでまいります。また、コンプライアンスの強化については、コンプライアンス委員会における法令遵守に対する意識向上維持に努めるとともに今後もさらなるコーポレート・ガバナンスの充実を図るべく、最善の経営体制を目指して強固な内部統制機能の構築とコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。
⑥ リスク管理体制の強化
当社グループが、事業を継続し、成長するために、自然災害や感染症の流行、情報セキュリティの不備等、多岐にわたる事業に関するリスクの回避、迅速な対応や再発防止が重要な課題であると認識しております。これらの課題を克服するため、リスク管理委員会は想定しうるリスクへの対応策を事前に検討し、リスクが財政状態及び経営成績に与える影響を最小限に抑える体制の強化を図ってまいります。
⑦ サステナビリティ経営の推進
当社グループは、企業の社会的責任に対する要請が一層高まっていることを踏まえ、SDGsを見据えた持続可能な社会と事業成長の両立の実現に向け、取り組むことが課題であると認識しております。この課題を克服するために、太陽光発電システム「KORYOエコパワー」の継続と拡大、ジェンダー平等を実現するためのキャリアパスの構築、不動産業における多様な「柱」により、地域の方々を含むステークホルダーの福利に継続して貢献する等、サステナビリティ経営の推進に努めてまいります。加えて、世界的に提唱されている2050年カーボンニュートラルの実現を見据えた環境対応も重要な課題と考えており、2025年までに社用車のエコカー(ハイブリッド、EV)化を目指し、自社のCO2排出量削減に向けた取り組みも強化してまいります。
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