事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況

当社グループ製品を販売しているさまざまな市場における経済状況の影響を受けます。従いまして、日本及びアジアを中心とした海外の主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 新製品開発力

当社グループの収入は、革新的な新製品開発が売上に大きく寄与しております。当社グループは、環境・エネルギー資材、工業資材、建装・自動車資材などの新製品による収入が、引き続き当社グループの基盤と考えており、将来の成長のウエイトを主に革新的な新製品の開発と販売においております。

当社グループは、継続して斬新で魅力ある新製品を開発できると考えておりますが、環境の急速な変化等により、当社グループが市場からの支持を獲得できる新製品、または新技術を正確に予想できるとは限らず、また、これらの製品の販売が成功する保証はありません。

以上のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 価格競争

当社グループが属している各製品市場における激しい価格競争が予想されます。当社グループは、技術的に進化した高品質で高付加価値の製品を送り出すことができる企業であると確信しておりますが、将来におきましても有効に競争できるという保証はありません。価格面での圧力、または有効に競争できないことにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 原材料の市況変動

当社グループの不織布、フェルト事業におきましては、天然繊維及び合成繊維を主原料として使用しております。従いまして、繊維原料の市況が上昇する局面では、取引業者からの価格引き上げ要請の可能性があります。当社グループでは、随時市況価格を注視しながら取引業者との価格交渉にあたっておりますが、今後、市況の動向次第では、原材料費の上昇が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 知的財産

当社グループでは、新規開発製品に関するもので知的財産の保護の対象となる可能性のあるものにつきましては、必要に応じて特許・商標などの取得を目指しておりますが、必ずしもかかる権利を取得できるとは限りません。当社グループの技術、ノウハウなどが特許権、または商標権などとして保護されず他社に先んじられた場合には、当社グループ製品の開発、または、販売に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 退職給付債務

当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や、年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。今後一層の割引率の低下や、運用利回りの悪化は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 今後の海外展開

当社グループは、現在の海外事業に加えて、中国、欧州、米国及びその他のアジアの国々等におきまして、事業の拡大を計画しておりますが、現在の経済状況、知的財産保護の欠如、感染症の流行、不安定な国際情勢など、さまざまな問題及びリスクに対応できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 為替変動のリスク

当社グループの業績は、外国為替相場の変動による影響を受けております。為替相場の変動は外国通貨で販売する製品及び調達する材料の価格に影響が出る可能性があります。また、海外連結子会社の財務諸表の換算は、その時点の為替相場の影響を受けるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9) コンプライアンス

当社グループは、国内外の様々な規制や社内規程の遵守を求められています。当社グループではコンプライアンス規定を設け全役職員に企業倫理の徹底を図っていますが、関連する規制への抵触や不正行為を完全には回避できない可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの社会的な信用の低下や多額の課徴金や損害賠償が請求される恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 情報セキュリティ

当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上・技術上の機密情報を保有しています。当社グループでは、情報セキュリティ管理規定を定め厳格に管理しております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等によりこれらの情報が流出した場合やデータの破壊、改ざん、システムの停止が生じた場合、当社グループの信用の低下、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 自然災害

当社グループの拠点や物流ルートが大規模な自然災害を受けた場合、生産や物流に深刻な影響をもたらし、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 人材確保

当社グループの事業の継続にはあらゆる分野で優秀な人材の確保が必要です。しかしながら、優秀な人材の流出や新たな人材の確保ができない場合、当社グループの成長や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 新型コロナウイルス感染症の影響について

① 需要減少による当社グループの業績及び財政状態に与える影響について

今後の新型コロナウイルス感染症の流行状況によっては、展示会等のイベントの中止の影響で建装資材の販売がさらに落ち込む可能性があり、他セグメントにおいても販売先のライン停止の影響等により販売が落ち込む可能性があるほか、事業継続が困難となった取引先からの売上債権の回収が困難となる可能性があります。このため当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

 

② 事業継続リスクについて

当社グループにおいては、社内外への感染被害抑止と各拠点に勤務する従業員の健康と安全を確保するため、メリハリのある事業運営を行うこととし、休業や在宅勤務を取り入れています。しかしながら感染を完全には防止することができず、従業員が新型コロナウイルスに感染し、従業員同士の接触等により社内での感染が拡大した場合には、事業の継続に支障をきたし、一時事業を停止する可能性があります。

 

③ 手元流動性悪化のリスク

当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、得意先が事業停止に至り売上の減少や売上債権の回収が困難になった場合でも、2021年3月末時点で現預金を約2,336百万円保有しているほか、当座貸越の未使用枠が活用できます。このため、手元流動性に困難を生じる恐れはないと判断しています。

 

(14) その他

上記のリスク要因は、当社グループの事業活動に係るすべてのリスクを網羅したものではありません。上記以外にも様々なリスク要因が存在し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

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