業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

  ① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、前事業年度から続いていた緊急事態措置、まん延防止等重点措置及びそれらに準ずる経過措置が10月に全面解除されて以降、新型コロナウイルスのオミクロン株の出現により再びまん延防止等重点措置が1月に実施されており、先行きは依然不透明な状況であります。

外食産業におきましては、上記措置期間における営業時間短縮やアルコール類提供休止といった営業活動制限への対応、各自治体が実施する認証制度への対応、人材不足及び採用コストの増加、世界的なパンデミックの影響による原材料価格の高騰など、依然として極めて厳しい経営環境が続いております。

このような環境の下、当社におきましては、「the 3rd Burger」をアフターコロナにおける当社の成長ドライバーとして位置づけ業態のブラッシュアップを行ってまいりました。具体的にはセルフレジ・公式アプリ・モバイルオーダーといったデジタル技術を積極的に採用したことでテイクアウト・デリバリー需要を取り込み、キャッシュレス・非接触化を進めたことでコロナ禍に強い業態へシフトしております。また、最も重要な取り組みとして、新たに自社加工拠点「PPMセンター」を立ち上げました。センターの稼働により、商品の品質向上・均質化に加えて徹底的なコストコントロールを実現することで「the 3rd Burger」の低価格化・高収益化が期待でき、ひいては今後の店舗展開力にも大きく貢献する取り組みと考えております。居酒屋業態「てけてけ」におきましては、全面解除となった11月・12月は既存店前年同月比で100%を超えアフターコロナに向け明るい材料となりました。その一方で、人材確保に苦戦を強いられ全面解除後も止む無く一部店舗で臨時休業・営業日短縮・営業時間短縮といたしました。年度末時点では解消されたものの、当面の間は人材確保を最重要課題として捉え、営業活動制限中も人材の採用・教育に注力してまいります。

当事業年度は「てけてけ」1店舗(東京都:1店舗)、「the 3rd Burger」8店舗(東京都:5店舗、神奈川県:2店舗、千葉県:1店舗)の計9店舗の新規出店および計3店舗の閉店を行い、当事業年度末日における店舗数は合計99店舗(前年同期比6店舗増)となりました。引き続き少しでも多くのお客様にご安心してお食事を楽しんでいただけるよう、感染防止の取り組みを全店で徹底してまいります。
  以上の結果、新型コロナウイルス感染拡大防止の為の外出の自粛や臨時休業、営業時間短縮等が大きく影響し、売上高は2,723,817千円(前年同期比18.7%減)となり、売上総利益は1,963,525千円(前年同期比21.3%減)、営業損失は1,854,108千円(前年同期は営業損失1,428,094千円)、経常損失は154,414千円(前年同期は経常損失1,297,542千円)、当期純損失は456,463千円(前年同期は当期純損失1,624,258千円)となりました。

なお、当社の報告セグメントは飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

当事業年度末の総資産は5,764,224千円となり、前事業年度末と比較して148,286千円の増加となりました。これは主に有形固定資産が110,568千円、投資その他資産が30,905千円増加したことによるものであります。

当事業年度末の負債総額は5,387,856千円となり、前事業年度末と比較して194,345千円の減少となりました。これは、主に未払金が231,782千円減少したことによるものであります。

当事業年度末の純資産は376,367千円となり、前事業年度末と比較して342,630千円の増加となりました。これは、主に新株予約権の行使により295,325千円増加、A種優先株の発行による第三者割当増資により500,000千円増加した一方、利益剰余金が当期純損失の計上により456,463千円減少したこと等によるものであります。

 

  ② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前事業年度末と比較し34,249千円減少し、2,235,892千円となりました。
 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動による資金の減少は441,944千円(前事業年度は1,200,326千円の減少)となりました。これは、税引前当期純損失380,483千円及び未払消費税等213,415千円、未払金311,049千円等の資金減少が、減価償却費244,286千円及び減損損失137,105千円等の計上を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動による資金の減少は515,076千円(前事業年度は25,850千円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出407,179千円及び敷金及び保証金の差入による支出104,206千円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動による資金の増加は922,771千円(前事業年度は2,023,054千円の増加)となりました。これは、長期借入金の収入による800,000千円と新株予約権行使による293,859千円及び優先株式発行による500,000千円の資金増加が、長期借入金の返済による支出671,088千円の減少を上回ったことによるものです。

 

   ③ 生産、受注及び販売の状況

   a. 仕入実績

当社の事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、「生産実績」に代えて、「仕入実績」を記載いたします。

 

事業部門の名称

当事業年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

前年同期比(%)

居酒屋業態(千円)

566,709

△21.8

その他業態(千円)

201,050

68.5

合計(千円)

767,759

△9.0

 

(注) 1.金額は、仕入価格の金額によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

   b. 受注実績

当社は、一般消費者へ直接販売する飲食事業を行っておりますので、記載しておりません。

 

   c. 販売実績

当事業年度における販売実績は次のとおりです。

 

事業部門の名称

当事業年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

前年同期比(%)

居酒屋業態(千円)

2,098,168

△27.2

その他業態(千円)

625,648

34.1

合計(千円)

2,723,817

△18.7

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計方針及び見積もり

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。

ただし、翌事業年度は、2022年1月に実施されたまん延防止等重点措置は3月22日に全面解除となりましたが、今後も新たな変異株の出現等による新型コロナウイルスの感染拡大の可能性に加え、ロシアのウクライナ侵攻に代表される世界情勢の先行きなど、依然として景気先行きの不透明感は更に強まっております。

当社では財務諸表の作成に当たっては、新型コロナウイルス感染症の影響を正確に見通すことは困難であるものの2023年2月期の上半期中にかけて緩やかに回復し収束に向かうと仮定しておりますが、現時点で出店・退店計画への影響等、全ての影響について合理的に見積り及び予測を行うことは困難な状況であるため、収束時期等によって変動する可能性があります。なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度の売上高は、新型コロナウイルス感染拡大防止の為の外出自粛、飲食店のアルコール提供自粛、店舗休業、営業時間短縮、オフィスエリアの昼間人口減少等が大きく影響し、2,723,817千円となり、前年同期比18.7%と前年を大きく下回る結果となりました。

売上原価については、全社に占めるファストフード業態の売上が高くなったことで、前期よりも原価率が2.4%上回り、売上総利益は1,963,525千円と前年を21.3%下回る結果となりました。

販売費及び一般管理費においては、家賃減額交渉、人件費削減等の固定費削減活動に加え、外注していた業務の見直し等による経費削減活動を徹底したことや臨時休業等による損失を特別損失に計上したことにより3,817,634千円となりました。主な費用の内訳は、給料及び手当1,160,231千円、地代家賃1,062,856千円となっております。

これらの結果、営業損失は1,854,108千円(前年同期は営業損失1,428,094千円)と大きく下回る結果となりました。

その他では、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う休業等の発生に伴い、感染拡大防止協力金1,743,906千円を営業外収益に計上したことにより、経常損失は154,414千円(前年同期は経常損失1,297,542千円)となりました。また、雇用調整助成金等128,427千円を特別利益、臨時休業等による損失280,745千円、減損損失を137,105千円を特別損失に計上したことにより税引前当期純損失では380,483千円(前年同期は税引前当期純損失1,579,017千円)と前年を大きく上回る結果となりました。

2023年2月期の業績予想につきましては、上記のとおり先行きが不透明な状態が続く中で、適正かつ合理的な算出が困難な状況のため未定とさせていただきます。今後の動向を見極めながら、適正かつ合理的な算定が可能になった時点で速やかに開示を行う予定であります。なお、出店につきましては、「the 3rd Burger」6店舗の出店を計画しております。これまでの駅前ビルイン型店舗のほか、ロードサイド型店舗の出店、フランチャイズ展開による地方都市への出店など、新たなマーケットへ積極的に挑戦してまいります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の資金需要は大きく分けて新規出店に係る有形固定資産の取得のための資金、商品仕入や人件費等の支払に係る資金であります。

これらの資金は主に自己資金及び借入金により調達しており、今後も同様の方針で賄う予定であります。また、現状資金が不足するような状況ではございませんが、事業計画に基づく新規出店による資金需要、経済環境等を熟慮した上で調達手段や調達規模を都度判断して参ります。

なお、キャッシュ・フローの状況についての分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

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