文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、常にお客様に満足していただき安心感を与え続ける事を目標に、営業・生産・開発のすべての部門がまずお客様の立場に立ち、お客様の生きた情報を共有化し、その要求・ニーズに応えることを第一の目的として行動することを基本方針としており、そのための体制・組織作りを積極的に推進してまいります。従来からの開発型企業としてのポリシーを保つとともに、お客様が満足される商品を絶えず生み出し続けることにより、安定的な業績を実現し、株主・取引先の皆様、社員等に貢献することを経営の基本としております。
(2)経営戦略等
当社グループは、染色加工事業から生活関連事業会社への転換を図ってまいります。
繊維業界を取り巻く経営環境を踏まえ、主力の染色加工事業におきましては、海外では積極的な事業展開を行うとともに、国内では安定的に収益確保が出来る経営基盤づくりを進めてまいります。また、国内の繊維産業は人口減少・高齢化により衰退傾向にあり、繊維のみに頼らない収益構造を造るため、既存の非繊維事業の強化・拡大及び、新しい事業への挑戦をしてまいります。
(3)経営環境
新型コロナウイルス感染防止対策につきましては、行動制限の緩和や感染対策見直しの動きが進んでおりますが、世界的な原油・原材料価格の高騰に加え、ロシアによるウクライナ侵攻の影響もありエネルギー価格は更に上昇しており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
繊維事業(染色加工事業及び縫製品販売事業)につきましては、国内では、新型コロナウイルス感染症の感染対策が長期化するなか、衣料品販売を中心とした個人消費は依然として低迷しております。海外では、タイ国においては、輸出及び国内消費が低迷しており厳しい経営環境下に晒されておりますが、インドネシアにおいては、制限緩和に伴い受注は回復傾向にあります。
しかしながら、国内・外における原材料・エネルギー価格の更なる高騰は、収益圧迫の大きな要因となっており、今後も予断を許さない状況であります。
保育サービス事業では、「個別のニーズに合わせた、保育サービスを提供する。子育て支援を通して、地域社会に貢献する。」という理念のもとに、保育園の新規開園等、事業エリアの拡大に注力しております。今後も、待機児童問題の解消に向けた取組みや、企業内保育所などのニーズに応じたサービスを提供するとともに、各拠点の付加価値向上に努めてまいります。
その他、機械販売事業では、自社の濃度制御技術を活用した染色加工関連設備の販売及びそれら技術を応用した異業種への販路拡大を模索いたしております。洗濯事業は、主力のホテルリネンが回復傾向を示しており、新規ルート開拓や既存先との取組強化に努めてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、更なる企業価値の向上を図るために、目標とする経営指標をROE(自己資本当期純利益率)10%以上を掲げております。この指標を重要な指標と位置づけ、今後も引き続き、国内・海外における各事業の収益性を更に高め、資本効率の向上に取り組んでまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
①インドネシアでの事業拡大
当社グループの東南アジア戦略の中核を担うインドネシア子会社にて、国内・外への販売を拡大するため、新規市場・顧客の開拓、販売エリア拡大、品質管理・生産効率の改善、当社の加工技術を取り入れた新商品開発に注力いたします。
さらに、今後の事業領域および販売アイテムの拡大のため、従来の染色加工事業に加え、繊維製品、非繊維製品(商品)の取扱いについて業種コード(KBLIコード)を追加しております。
②製造コスト上昇への対応
原油・石炭など、世界的なエネルギー価格の高騰に加え、コロナ禍の供給制約・人手不足・コンテナ不足などから、原材料費、エネルギー費、物流費など、全ての価格が上昇しております。
加えて、ロシアのウクライナ侵攻により一層の原材料価格の高騰による企業収益の圧迫懸念が強まっております。
当社グループでは、各拠点での徹底したコストの見直し、生産性の向上・効率化を実施した上で、適正な価格設定、価格転嫁を進め、収益改善に努めてまいります。
③保育事業の拡大および付加価値化の推進
保育サービス事業は、企業内保育所の運営受託、新規認可保育園の開設・運営など積極的な拡大を進めるとともに、病児・夜間保育、給食サービスの提案、”忙しい保護者の皆様への支援”を目的とした新たなサービスの提供など付加価値向上に努め、より一層地域に愛される保育所・保育園を目指します。
④その他、非繊維事業の拡大
洗濯事業については、既存客先との取組み、新規客先開拓を積極的に進めることで、多方面からの受注を取り込み、売上増加及び収益確保を図ってまいります。
機械販売事業については、国内・外に向けた染色関連設備や薬液濃度制御装置の販売強化に努めてまいります。
当社グループは、今後も新たなる事業を積極的に発掘・開拓し、非繊維事業の強化・拡大に努めてまいります。
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