2021年12月期連結会計年度において当社は、前連結会計年度に引き続き、各社ごとにおける戦略に沿って、売上、利益の拡大を図るとともに、エンターテインメント分野における新たな事業領域への拡大を目指し新規の投資案件を継続して探しております。なお、当社が保有しておりました株式会社トムスの株式については、2020年6月26日に80%を譲渡し、2021年2月12日に残数全てを譲渡いたしました。
モバイルゲーム事業
モバイルゲーム事業につきましては、前連結会計年度において、当社の子会社である株式会社モブキャストゲームスを存続会社として株式会社ゲームゲートを吸収合併しました。それに伴い、株式会社ゲームゲートの得意分野であるアニメ等のIP領域でのゲームを中心としたデジタルコンテンツのプロデュースを戦略の軸として進めております。
当連結会計年度の売上につきましては、「転生したらスライムだった件~魔国連邦創世記(ロードオブテンペスト)~」は、2021年10月に競合となる同タイトルの新ゲームの配信が開始されたことにより11・12月は影響を受けたものの、年間を通じては、TVアニメ放映に伴う各種連動施策の実施により前連結会計年度実績を大幅に上回りました。これに加えまして、プロ野球最強オーダー編成バトル「モバプロ」の売上は年間を通じて堅調に推移し、また、当連結会計年度に配信を開始しました「盾の勇者の成り上がり~RERISE~」および「sin 七つの大罪 X-TASY」の2タイトルの売上も配信開始以降順調に推移しました。加えて、ゲーム間コラボレーション企画等のプロデュース施策を複数件講じたことにより、売上高は1,747,304千円(前連結会計年度の売上高は2,928,509千円)となりました。さらに、前連結会計年度においてモバイルゲーム事業の体質改善を行い、引き続きコスト削減を推し進めたこともあり、当連結会計年度の営業利益は94,881千円(前連結会計年度は営業損失21,685千円)となりました。
キッチン雑貨事業
キッチン雑貨事業を営む株式会社ゆとりの空間は、雑誌やテレビなどのメディアでなじみ深い料理家の栗原はるみ氏が暮らしを楽しむコツやライフスタイルを提案する生活雑貨ショップ「share with Kurihara harumi」とレストラン&カフェ「ゆとりの空間」をプロデュースし、オリジナルの食器やキッチン雑貨、調味料、インテリア小物、エプロン、ウェアなどを全国の百貨店、アウトレットなどで事業展開しています。また同じく料理家である栗原心平氏が出演するYouTube公式チャンネル「ごちそうさまチャンネル」を開設、動画内で使用したキッチンアイテムやこだわりの商品、厳選した産地直送の食品を販売する「ごちそうさまチャンネル Officialオンラインショップ」を展開し、新たな顧客獲得を進めております。
新型コロナウイルス感染症が拡大した当連結会計年度においては、全国の百貨店などに出店している小売店舗の売上については、度重なる緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が発出されるなか、出店している百貨店の要請により臨時休業・営業時間の短縮に応じたことによる来客数の減少にともない売上が伸び悩む状況に直面いたしました。しかしながら、4度目の緊急事態宣言が解除された2021年10月以降は徐々に人出が増え、個人消費も持ち直しの兆しが見えたこと、また10月に「オータムファッションフェア」、12月には「ウィンターセール」を開催したこともあり、売上は回復基調にあります。また、Eコマースにつきましては、各種販売促進活動を積極的に進めました。YouTube公式チャンネル「ごちそうさまチャンネル」の動画内で使用したアイテムおよび厳選した産地直送の食品を販売する「ごちそうさまチャンネル Officialオンラインショップ」での売上が年間を通じて堅調に推移し、加えて11月にEC会員さま限定企画「ゆとりの空間の夫婦円満・家族で家事を楽しもう!ウィーク」を開催したこと等によりEコマース売上は順調に増加いたしました。さらに、栗原心平氏へのメディア出演オファーやレシピ監修案件等が増加したことにより、売上高は2,767,237千円(前連結会計年度の売上高は2,635,139千円)となりました。一方で昨年から取組んできた中長期的な製品開発力向上と売上総利益率向上を実現する、一部製品カテゴリーのライセンス契約の改定が10月に実施され一時的な構造改革費用が計上された結果、営業損失は72,804千円(前連結会計年度の営業利益は14,579千円)となりました。なお、前連結会計年度については、新型コロナウイルス感染症による休業に関わるコストを特別損失として計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は、4,537,097千円(前連結会計年度は売上高6,658,742千円)となりました。また、営業損失は373,282千円(前連結会計年度は営業損失618,750千円)となりました。また、営業外収益として、連結子会社が運営するオンラインショップへの不正アクセスによる個人情報漏えい(以下、「個人情報漏えい」)による保険金を「受取保険金」として12,478千円を計上、営業外費用として「支払利息」24,632千円等を計上したことにより、経常損失は398,204千円(前連結会計年度は経常損失816,312千円)となりました。さらに、特別利益として、株式会社トムスの株式を売却したことにより「投資有価証券売却益」64,800千円を計上、特別損失として、個人情報漏えいに関わる関連費用「情報セキュリティ対策費」45,775千円を計上、配信中である新作ゲーム「幽☆遊☆白書 GENKAIバトル魂(スピリッツ)」[日本版]が配信開始時に想定した収益に至らない為、将来の収益性を慎重に再検討した結果、その前払費用について、また、モバイルゲーム事業とキッチン雑貨事業で計上されているのれんについて再評価を行ったことにより「減損損失」695,308千円を計上いたしました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,093,512千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失721,809千円)となりました。
① 資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ832,196千円減少し、2,789,910千円となりました。これは、商品及び製品が189,791千円増加し、現金及び預金が171,189千円、受取手形及び売掛金が235,678千円、のれんが699,337千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ141,250千円減少し、2,615,682千円となりました。これは、長期借入金が452,188千円増加、短期借入金が158,352千円、1年内返済予定の長期借入金が134,268千円、未払金が199,116千円、社債が85,600千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、新株の発行及び親会社株主に帰属する当期純損失等により前連結会計年度末と比べ690,946千円減少し、174,227千円となりました。
現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ87,033千円減少し、当連結会計年度末には337,890千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ344,115千円減少し、584,666千円となりました。これは、主に、税金等調整前当期純損失1,085,487千円、前払費用の増加112,183千円、棚卸資産の増加191,961千円および未払金の減少247,859千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ123,997千円減少し、99,111千円となりました。これは、主に、投資有価証券の取得による支出が487,170千円減少、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が649,308千円減少、投資有価証券の売却による収入が134,153千円増加等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、前連結会計年度と比べ193,926千円増加し、398,345千円となりました。これは、主に、短期借入金の返済による支出158,352千円および長期借入金の借入による収入975,431千円、長期借入金の返済による支出654,511千円、株式の発行による収入396,292千円等によるものであります。
当連結会計年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については相殺消去しております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社グループの財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
財政状態の状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) 財政状態」に記載しております。
経営成績の状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (1) 業績」に記載しております。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
また、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・出資及び設備投資等によるものであります。
当社グループの運転資金は、営業活動によって獲得した自己資金の充当を基本とし、資金需要等を考慮した上で外部資金調達手段として金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等により負債と資本のバランスに配慮しつつ調達することとしております。
資金の流動性管理にあたっては、適宜、資金繰り計画を作成して手元流動性等をモニタリングするとともに、取引金融機関との当座貸越契約の締結、長期借入の実施等により、将来に渡り必要な資金流動性を確保できるよう計画しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表を作成するに当たり、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益及び費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りは、その性質上判断及び入手し得る情報に基づいて行いますので、実際の結果がそれらの見積りと相違する場合があります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
また、固定資産の減損については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」に記載しております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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