当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「日本のエンターテインメントを“革新”させ、世界70億人をワクワクさせる」という経営ビジョンのもと、モバイルゲーム事業、キッチン雑貨事業及びその他事業を展開しております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループが重視している経営指標は、売上高及び営業利益であります。売上高及び営業利益を継続的に成長させ、企業価値向上を図ってまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「クリエイター主導企業が継続成長する仕組み作り、多様な資金調達ノウハウ、エンタメ・IT業界ネットワーク、の3つをグローバルニッチソリューションと定義付け、これらソリューションを活用し、世界観・意義・ストーリーのあるコンテンツを才能資源と共に生み出し、グローバル市場に届ける」ことを重要な戦略と位置付けています。これらの才能資源やIPの価値最大化の手段として、動画マーケティング・D2C等デジタルコンテンツを軸としたマーケティング戦略を強化しております。
モバイルゲーム事業につきましては、2020年1月にモブキャストゲームスがゲームゲートを吸収し、新たな体制でゲームゲート経営陣が得意とするニッチIP分野でのコンテンツプロデュースを中心に進めたことが、当連結会計年度において営業利益黒字達成に繋がりました。2022年12月期につきましてはオリジナルIPの創出を手掛ける予定でおり、さらに、既存のゲーム事業での新作タイトルの投入と新作・既存タイトルの海外展開、非ゲーム領域での新規事業開発により国内外での収益拡大を目指してまいります。 また、キッチン雑貨事業においては、2022年12月期を将来のIPOに向けた準備期ととらえ、製造・販売プロセスの構造改革、自社Eコマースサイトの更なる成長、若年層への顧客層拡大を狙っての百貨店以外の新規出店、栗原心平氏の公式YouTubeチャンネル・Eコマース・オンラインクッキングスクール等の新規事業の展開、の4つの成長戦略を推進して収益の増加を図ってまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは、今後の事業展開において、業容を拡大し、経営基盤を安定化させるために、以下の課題を認識しており、迅速に対処してまいります。
① 収益力の強化
モバイルゲーム事業につきましては、2020年度よりリスクの少ないゲーム企画・版権ライセンスのプロデュース型ビジネスを進めたことにより、当連結会計年度においては営業利益の黒字化を達成いたしました。また、費用面では、人件費その他コストをできる限り抑制し、筋肉質な経営体制に移行いたしました。2022年度においては、プロデュース型ビジネスと、パートナー開発会社との共同事業の形態でのゲーム開発および配信・運営を行うビジネスの2軸を中心に国内外にて事業展開をしてまいります。また、非ゲームでの領域においても収益の獲得を目指してまいります。
キッチン雑貨事業につきましては、2021年度におきましても、将来のIPOに向けた経営・事業基盤の強化を進めるとともに、料理家の栗原はるみ氏と栗原心平氏の2ブランドを主軸として各種SNSの強化を行い、販売促進活動を積極的に進め、Eコマースでの売上拡大を図ってまいりました。その結果、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて百貨店への来客数が減少し売上が伸び悩む状況に直面したものの、4度目の緊急事態宣言が解除された2021年10月以降の売上は回復基調にあります。さらに、年間を通じてEコマース売上が堅調に推移したことにより、当連結会計年度におけるキッチン雑貨事業の売上は前年対比5%増加いたしました。2022年度においても将来のIPOに向けた経営・事業基盤の強化をさらに進めつつ、栗原はるみ氏の世界観を醸成する商品づくりを行うことにより百貨店、Eコマース、ロイヤリティ収益拡大へと繋げ、さらに栗原心平氏についてはYouTube公式チャンネル「ごちそうさまチャンネル」をはじめとする各種SNS戦略の強化によってEコマースとロイヤリティ収益拡大を目指してまいります。
② サイトの安全性および健全性強化への対応
当社グループは、ユーザーが安心して利用できるサービス環境を提供することが、信頼性の向上、ひいては事業の発展に寄与するものと認識しております。当社グループは、ユーザーに対してインターネットを通して、ゲームコンテンツや各種サービスを提供する立場から、ユーザーが安心して利用できるようにサイト・各種サービスの安全性や健全性を継続的に強化していくことが必要であると考えております。個人情報保護や知的財産保護等に関するサイト・各種サービスの安全性の強化に加え、利用規約の徹底やサイトパトロール等の体制強化など、健全性維持の取り組みを継続的に実施してまいります。
③ システムの強化
当社グループの事業は、主にインターネット上で展開されていることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、当社グループでは、ユーザー数増加やユーザー満足度の向上を目的とした新規サービス・機能の開発等に備え、設備への先行投資を継続的に行ってまいります。
④ 組織体制の強化
当社グループは、今後のさらなる成長を目指す上で、その時点時点において、優秀な人材の確保や人材の能力を最大限に引き出す人事制度の構築、最適な組織設計が重要な経営課題であると認識しております。そのために、経営理念に沿った人事ポリシーを構築し、最適な人員数のコントロールが可能なモニタリング制度の導入を実現し、成長フェーズに合った評価制度、人材育成制度、報酬制度を導入してまいります。また、組織設計においては、当社グループ事業および戦略に応じて、常に最適な組織を模索し、役員および従業員の自律性を高め、より階層の少ない透明性の高い組織設計を行っていく方針であります。
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