文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針及び経営戦略等
当社グループは、「感謝と喜び」を企業理念に掲げ、人や企業が深く結びつくために欠かせない“心”を大切に、お客様とともに繁盛するビジネスを進めております。「感謝と喜び」の心を根本に、幅広い業種・業界により良い製品・サービスを提供することにより、お客様の事業創造に貢献するとともに、社会課題を解決することに努めてまいります。このような企業理念の実現に向けた努力が、企業価値の増大につながるものと考えております。
100年に一度と言われる変革期に直面している自動車産業では、AIを活用した自動運転等の新しい技術や、電気自動車に代表される新しい形の移動体(モビリティ)が今後大きく普及すると予想されております。また、近年のカーオーナーのニーズや個人のライフスタイルの多様化に伴い、カーシェアやライドシェアといった所有から利用へ自動車との関わり方が変化しております。さらに、これらの環境変化に加え、新型コロナウイルス感染症を契機としたテレワークや業務のオンライン化等の新しい働き方への移行が当社グループのお客様の間で急速に進んでおります。
これらの動きに迅速かつ柔軟に対応するために、当社グループは、Broadleaf Cloud Platformの拡大を推進し、常に価値あるサービスを提供し続けることでお客様の業務のデジタル化への支援を強化していくとともに、SDGs(持続可能な開発目標)に代表される環境・社会課題の解決に向けた取り組みを強化してまいります。さらに当社グループは、国内自動車アフターマーケット向けシステム販売からの事業ドメイン拡大を掲げ、先端技術を取り入れた革新的な事業を創出する企業への進化を目指し、中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
具体的な内容として、2021年2月12日に中期経営方針と2021-23年の取組テーマおよび重点施策を発表いたしました。中期経営方針として、企業としての安定だけでなく高成長企業への進化を目指し、コアビジネスである業務ソフトウェア事業での収益向上策と新規領域における事業創出策を引き続き並行して実施してまいります。2021年から2023年までの3か年におきましては、2つのDXを取組テーマとして、経営方針の実現に努めてまいります。1つ目のDXは、当社グループのお客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、お客様の新たな価値創造につながる、ビジネス環境の構築に貢献することです。2つ目のDXは、当社グループ内でデータエクスチェンジャー(DX)と呼んでいるものです。Broadleaf Cloud Platform上に集まる情報を収集、分析、予想、統合し、情報の付加価値を高めた上で提供をおこなってまいります。2つのDXによるお客様への価値提供を通じて社会課題の解決につながる取り組みを積み重ねることにより、高成長企業へと進化していきます。このような中期経営方針および取組テーマを実現するための重点施策は以下のとおりです。
・クラウド版新モデルの市場投入
・DXソリューションの強化
・EDI拡張と受発注プラットフォームのオープン化
・MaaSプラットフォームの展開
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益、プラットフォーム売上比率であります。「(1) 経営方針及び経営戦略等」で記載した中期経営方針、取組テーマ、重点施策の実施による2021年12月期の目標値は、売上収益201億円、営業利益24億円、親会社の所有者に帰属する当期利益15億50百万円、プラットフォーム売上比率51.7%であります。
(3) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「(1) 経営方針及び経営戦略等」で記載した経営環境に対応し中期経営方針を実現するために、当社グループが認識する主な対処すべき課題は以下のとおりです。
・クラウド化の促進とBroadleaf Cloud Platform上で稼働するサービスの拡充
当社グループは、お客様の業務を改善する業務アプリケーションを提供しており、業界で高いシェアを獲得してきました。これらのアプリケーションをクラウドサービスへ切り替えることで、変革期を迎えている市場に対してより迅速かつ柔軟に必要な機能を提供し、カスタマーサクセスを追求してまいります。また、当社グループが開発したクラウドサービスに加え、業種・業界を超えた様々なパートナー企業と連携し、Broadleaf Cloud Platform上に多様なサービスを提供してまいります。クラウドサービスとBroadleaf Cloud Platform上の多様なサービスを組み合わせることにより、従来の業務アプリケーションの提供による業務効率化の支援から、トータルマネジメントシステムの提供による経営・業務改革の支援へとサービス範囲を拡張してまいります。
・新しい働き方への移行の支援
当社グループでは、テレワークや業務のオンライン化等の新しい働き方への移行に対するお客様のニーズに応え、セミナーや商談等のリモート化を推進していくとともに、業務のデジタル化の促進を通じて、新しい働き方への移行を支援する様々な商品をお客様に提供しております。今後も電子帳簿保存法の改正や電子インボイス制度の導入等、法改正やデジタル化に対応した商品やサービスをいち早く提供し、お客様の新しい働き方への移行を支援してまいります。
・自動車部品受発注ビジネスの浸透・eコマースビジネスの展開
当社グループは、強みである自動車アフターマーケットの顧客基盤とデータベースを活用することで、自動車補修部品の電子受発注サービスを提供しております。クラウドサービスの提供により、本サービスの更なる浸透を図る素地が整いました。本サービスでは自動車リサイクル部品の受発注も行っており、修理時のリサイクル部品の利用を促進しております。本サービスを通じて、資源循環型社会の実現に寄与してまいります。また、受発注を電子化することで、業界の課題である部品の取引や物流における非効率を解消するとともに、紙による印刷物の削減にも寄与してまいります。
・データを活用したサービスの創出
当社グループは、自動車関連のビッグデータを活用したカーオーナー向けサービス等の新たなサービス事業の立ち上げを行ってまいります。また、従来の自動車にとどまらず、次世代自動車や自動車以外も含めた全てのモビリティを対象としたビジネスの創造に向け、データベースの付加価値向上を目指してまいります。そのために必要な関連企業との共同研究やアライアンスも進めてまいります。2021年10月に自動車メーカー系の金融会社との協業を開始するなどの成果も得られ始めております。
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