業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益は一進一退しつつも堅調な内需を背景に高水準を維持し、個人消費も雇用・所得環境の改善に伴い緩やかな増加傾向を維持していることから、全体としては底堅く緩やかな回復基調が続いております。他方、米中の貿易摩擦の激化が実体経済へ影響することが懸念されるほか、中東・東アジア地域における地政学的リスクの高まりなど、先行きについては不透明感が強まる状況にあります。

当社グループを取り巻く事業環境におきましては、動画配信・サブスクリプションサービスの普及が本格化し、DVD、Blu-rayディスク等のパッケージ商品市場が縮小して久しく、またテレビアニメーションの放送枠が多く深夜時間帯に集中し、一部の例外を除き、アニメーション作品の大ヒットを作り出すことがより困難な状況となっていることなど、アニメーションをめぐる事業環境が変化してきております。このような事業環境において、アニメーション事業への投資を回収するためには、従前のキャラクターグッズの販売のみならず、中国をはじめとする海外での展開や、いわゆる2.5次元ミュージカル等の興行、舞台など、アニメーション作品の特性に適合した利用形態を企画段階から検討し、計画することが必要とされております。さらに、新しいパートナー企業との関係構築を目指すなど、事業環境の変化への対応が急務となっております。

このような状況のもと当社グループでは、中核であるアニメーション作品やエンタテインメントコンテンツのプロデュースを通じて、より良い作品、ヒットコンテンツを生み出し、版権ビジネスに繋げることで収益性を高めること、並びに当社が保有するキャラクターに関し、パートナー企業とともにファンの方に楽しんでいただける新たな市場を開拓し、キャラクターの版権ビジネスを拡大するという方針のもと、事業展開を図ってまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は14,419百万円(前期比14.5%減)、営業利益2,629百万円(前期比0.5%増)、経常利益2,682百万円(前期比1.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,826百万円(前期比2.3%減)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(メディア事業)

メディア事業におきましては、継続番組である 「それいけ!アンパンマン」のほか、「おしえて魔法のペンデュラム~リルリルフェアリル~」「色づく世界の明日から」「ガーリー・エアフォース」「ダイヤのA ActⅡ」「賢者の孫」等、19作品の新作アニメーション作品について製作出資、製作委員会の組成、共同運営及びプロデュースを実施いたしました。

しかしながら、 アニメ事業においては、複数社がリスクヘッジを行いながら作品ごとに出資を行う「製作委員会方式」による投資効率が悪化し、また当該方式によらないスキームの作品づくりが顕著となっております。そのような事業環境の中、計画通りに委員会組成が実現せず、メディア事業におけるプロデュース作品の制作受託収入、放送事業収入が期初の予想を下回ったことが 、売上高減少の大きな要因となっております。

一方で、機動戦士ガンダム40周年に関連する 「機動戦士ガンダム×HELLO KITTY」「EneKeyデビュー×ガンダムTV放送40周年記念コラボ」等の販促キャンペーン 期初の 計画通り推移しております

就職情報事業を行う子会社である株式会社ジェイ・ブロードの業績は採用広告収入が減少したことが、売上高減少の要因となりました。

この結果、メディア事業の売上高は8,391百万円(前期比27.7%減)、営業利益501百万円(前期比23.5%減)となりました。

 

(ライツ事業)

ライツ事業におきましては、「ガンダム」シリーズについては、玩具、アーケードゲーム及び遊技機に関する版権収入が増加し、また機動戦士ガンダム40周年に関連する版権収入が増加したこと、「ガンダム」シリーズ以外については、当社が出資したアニメーション作品の二次利用が好調に推移し、出資製作委員会からの配分金収入が増加したことから、 前期に比べ売上高が増加しております。

この結果、ライツ事業の売上高は5,138百万円(前期比12.5%増)、営業利益2,135百万円(前期比8.4%増)となりました。

 

(スポーツ事業)

スポーツ事業におきましては、「プロ野球12球団×ガンダム40周年」コラボレーションの実施による収入が増加し、 前期に比べ 売上高が増加 しております。

この結果、スポーツ事業の売上高は889百万円(前期比26.0%増)、営業利益83百万円(前期比24.1%増)となりました。

 

当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ 983 百万円増加し、 27,659 百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ645百万円減少し、4,365百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ1,629百万円増加し、23,294百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,994百万円増加し、21,799百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は2,593百万円(前連結会計年度は2,928百万円の獲得)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益2,684百万円、売上債権の減少額1,297百万円、仕入債務の減少額803百万円及び法人税等の支払額780百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は48百万円(前連結会計年度は15百万円の使用)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出60百万円、投資有価証券の売却による収入28百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は549百万円(前連結会計年度は563百万円の使用)となりました。主な要因は、配当金の支払542百万円であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

b.受注実績

 該当事項はありません。

c.商品仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年9月1日

至 2019年8月31日)

前年同期比(%)

スポーツ事業(千円)

90,901

216.09

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年9月1日

至 2019年8月31日)

前年同期比(%)

メディア事業(千円)

8,391,461

72.3

ライツ事業(千円)

5,138,197

112.5

スポーツ事業(千円)

889,714

126.0

合計(千円)

14,419,373

85.5

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年9月1日

至 2018年8月31日)

当連結会計年度

(自 2018年9月1日

至 2019年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱バンダイナムコエンターテインメント

2,220,147

13.2

1,967,654

13.6

㈱BANDAI SPIRITS

1,770,033

12.3

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ 983 百万円増加し、 27,659 百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加 1,994 百万円、売上債権の減少 1,297 百万円であります。

負債は、前連結会計年度末に比べ645百万円減少し、4,365百万円となりました。主な要因は、買掛金の減少803百万円及び未払法人税等の増加59百万円であります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ1,629百万円増加し、23,294百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,826百万円の計上による増加及び剰余金の配当542百万円による減少であります。

b.経営成績

 (売上高)

当連結会計年度の売上高は、前年同期比2,454百万円減少の14,419百万円となりました。

なお、セグメント別の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 (営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前年同期比57百万円減少しました。これにより、売上総利益は減少したものの、営業利益は前年同期比13百万円増加の2,629百万円となりました。

 (経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は投資事業組合運用益の計上がなくなったことにより、前年同期比70百万円減少し61百万円、営業外費用は研究開発負担金の計上がなくなったことにより、前年同期比13百万円減少し9百万円となりました。これにより、経常利益は前年同期比43百万円減少の2,682百万円となりました。

 (税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度の特別損益は、投資有価証券売却損益の計上により2百万円の利益となりましたが、経常利益の減少により、税金等調整前当期純利益は前年同期比72百万円減少の2,684百万円となりました。

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の「法人税、住民税及び事業税」と「法人税等調整額」の税金費用は822百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比43百万円減少の1,826百万円となりました。

c.キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価に係るもののほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資本を基本としており、金融機関からの借入は行っておりません。

 

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