有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項のうち、当連結会計年度末現在で重要と思われる事項を記載したものであります。このため、今後の経済状況及び経営状況によっては、現在重要なリスク要因でないと判断される事項が、相対的に重要度が増すことや想定していない新たなリスク要因が発生する可能性があります。
また、将来に関する記載は、当連結会計年度末現在における判断によるものであり、今後の経済状況及び経営状況によっては、異なる状況になる可能性があります。
(1)テレビアニメーション番組の企画・制作に関するリスク
当社グループは、テレビアニメーション番組の企画・制作に際し、放送枠を買い切り、人気の高い作品を創り出すよう努めておりますが、完成した作品が全て視聴者等の嗜好に合致するとは限らず、番組視聴率によっては放送局の都合により当初計画していた期間通りに当該番組の放送を継続することが出来なくなる可能性も否定できません。
また、当該番組のキャラクター商品が販売不振等の理由により、ライセンシーでもあるスポンサーの意向により当初計画していた期間通りに当該番組の放送を継続することが出来なくなる可能性も否定できません。
このような場合に備え当社グループは、事前のマーケティングを行い、またケースによっては他社との共同プロデュース等によりリスクの軽減を図っておりますが、計画通り番組を放送することが出来ないことにより、当該番組が不採算となり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(2)版権獲得に関するリスク
現在、テレビアニメーション番組を制作した際に発生する二次利用の権利(商品化権・ビデオ化権・海外販売権・番組販売権等の窓口権及び配分を受ける権利)は、当該番組の製作委員会へ製作出資を行うことにより獲得することが一般的となっております。
製作出資を行う場合、当社グループでは放送期間に応じて売上原価として償却しており、製作費の負担が版権収入に先行して発生することが多いため、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当該番組が視聴者等の嗜好に合致しない場合、当初計画していた通り版権収入を獲得出来ない可能性もあります。このような場合に備え当社グループは、事前のマーケティングを行い、慎重に検討を重ねたうえでリスクに応じた出資額を決定しておりますが、諸般の事情により当初の計画通りスポンサーが獲得出来ない場合、及び製作委員会が計画通りの版権収入を得られなかった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(3)違法複製物及び類似商品に関するリスク
当社グループ事業のグローバル化に伴い、海外において当社グループが許諾したアニメキャラクター商品等の違法複製物や類似商品が廉価に販売されること、また当該違法複製物等が輸入されることにより、日本国内においても当社グループが許諾した商品等について期待したほどの収益を確保することができない可能性があります。
当社グループは他の版権元及びライセンシー各社と協力し、このような違法複製物等に対して対策を講じてはおりますが、今後の海外での違法複製物等の動向によっては、将来における機会損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(4)取引慣行等に関するリスク
広告業界においては、知的財産権に関する事項を除き、取引の柔軟性や機動性を重視する取引慣行から、契約書の取り交わしや発注書等の発行が行われないことが一般的であります。現在大手広告代理店等を中心に取引慣行の改善や取引の明確化が検討されており、当社グループといたしましても、主要な取引先との間で事前に文書を取り交わすよう努め、取引の明確化を図っております。しかし上記のような取引慣行の理由から不測の事故又は紛争が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)特定のプロパティに対する依存について
最近2連結会計年度においてライツ事業における「ガンダム」シリーズの売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は下記のとおりであり、販売割合が比較的高くなっております。
「ガンダム」シリーズは、その誕生(1979年4月)から40年経過した現在でも人気を維持し、「機動戦士ガンダム」をはじめとするテレビシリーズ、映画、その他ビデオシリーズを持つ当社グループの主要なプロパティであります。
当社グループは主に「ガンダム」シリーズの商品化権を許諾する権利を有しており、誕生当初から一過性のブームに終わらせないように、制作プロダクションである㈱サンライズ及びライセンシー各社と戦略的に当該プロパティを育成してまいりました。今後につきましても「ガンダム」シリーズが長期的に成長し続けるよう、「ガンダム」シリーズの人気の源泉である「ガンダムの世界観」を維持することに努めてまいります。
また、「ガンダム」以外のプロパティについても、同様に長期間において人気を持続することができるように開発・育成してまいります。
しかし、この「ガンダム」シリーズが市場の嗜好の変化やその他の要因により期待するほどの収益を確保することができない場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
プロパティ |
前連結会計年度 (自 2017年9月1日 至 2018年8月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年9月1日 至 2019年8月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
「ガンダム」シリーズ |
3,192,751 |
18.9 |
3,685,442 |
25.6 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(6)当社が小規模組織であることについて
当社はテレビアニメーション番組の制作については、作品ごとに社外のアニメ制作会社に対しアウトソーシングを行うことを基本としております。そのため、2019年8月末現在、役員8名、従業員29名と組織が小さく、内部管理体制もこのような規模に応じたものとなっております。今後事業拡大に応じて、人員の増強、組織の整備により内部管理体制の一層の充実を図る方針でありますが、当社グループの事業拡大や人員増加に対して適切かつ十分な組織的対応ができなかった場合には組織的効率が低下する可能性があります。
当社グループが行うアニメーション事業のプロデュース業務等は、人的関係が取引の重要な要因であります。当社では、今後とも長期に培ってきた取引先との関係維持、強化には万全を期す所存ですが、当社の人材が流出した場合には当社グループの事業推進に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社では人材の確保と育成を重要課題と位置づけ、新たに2014年4月より新卒採用をスタートいたしましたが、それに限らず人事制度の改善による優秀な人材の定着化・教育プログラムの導入・効果的効率的採用方法等について継続的に取り組んでまいります。
(7)個人情報の管理について
当社の連結子会社である株式会社ジェイ・ブロードは就職情報事業を行っております。その事業の性格上、就職活動を行う新規学卒者の住所、氏名、連絡先等の個人情報の収集を必要としますが、当該子会社ではこれらの個人情報を厳重に管理しております。当該子会社では、新規学卒者、大学就職部門担当者、取引先等各方面の信頼を高めるため、経済産業省の外郭団体である「一般財団法人日本情報経済社会推進協会」が付与する「プライバシーマーク」の認定を2002年10月より受けており、審査基準を維持できるよう、個人情報の管理に関して全社を挙げて取り組んでおります。
当該子会社では、上記のとおり、個人情報の保持・管理について細心の注意を払っておりますが、当該子会社において何らかの理由により個人情報の漏洩が生じた場合、当該子会社の顧客等に対する信頼の低下により、当社グループの事業展開に影響が及ぶ場合があります。
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