事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。以下の記載内容については、当社グループの事業等に関するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。なお、新型コロナウイルス感染症による影響については、現状において当社グループにおいて大きな影響は認められておりませんが、引き続き注視しながら事業活動に取り組んでまいります。

 

(1)特定経営者への依存によるリスク

当社グループは代表取締役を含む役員等の特定の経営者の知識・経験等がグループの経営、業務執行において重要な役割を果たしており、これらは当社グループにおける重要な経営資源と考えられます。しかし、これらの経営層が不測の事態により執務が困難になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)資産の棄損や価値の減少によるリスク

予期しない大地震等の自然災害等が発生した場合、当社グループの資産の棄損・滅失や、人的・物的被害により正常な事業活動の継続が困難になる等、業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)ネットワークセキュリティに関するリスク

企業活動においてコンピュータネットワークや情報システムの果たす役割が高まるに伴い、ソフト、ハードの不具合や人的過失、地震、火災、停電等様々な原因による情報システムの停止、コンピュータウィルスの侵入によるシステム障害や情報の漏洩等のリスクも高まります。当社グループは、機器の管理・保全、セキュリティの高度化、運用ルールの設定や従業員教育に努めておりますが、万一、ネットワークや情報システムの機能低下や停止に陥った場合は、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)戦略的企業買収や新規事業参入等に関するリスク

当社グループは、将来の企業成長において重要と考える技術開発や有望市場の獲得のため、企業買収及び出資を伴う戦略的提携や新規事業参入等を行う可能性があります。これらの実施に当たっては十分に検討を行いますが、戦略的提携後の事業や新規事業が当初計画どおりに進捗しない場合や、出資先の財政状態が悪化した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)市場環境に関するリスク

当社グループが主として事業を展開しているIoT分野は技術革新のスピードが非常に速いため、当社グループでは、顧客や外部機関から情報を収集・分析し、市場動向の変化への対応、新規製品・サービスの開発、新市場の開拓に取り組んでおります。しかしながら、万一新技術等への対応に遅れが生じ、提供している技術が陳腐化する場合や、採用した新技術等が浸透しなかった場合等には、競合他社に対する当社の競争力が低下することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6)製品等の瑕疵及び不具合に関するリスク

当社グループで製造・開発している製品は、家電製品、家庭用品、ペット用品、玩具、ラジオコントロールカー、健康機器やフィットネス機器等、あらゆる機器への搭載が可能であることから、当社グループは品質管理を徹底しております。当社は、品質改善、特に出荷後の不具合を発生させないことを重点課題として信頼性の向上に努めております。今後も、当社グループ全体で当社製品とサービスの品質の向上を推進してまいりますが、予測不能な製品及び部材等の欠陥や不具合等が発生する可能性を完全に否定することは困難であり、万一発生した場合は、製品の回収費用、製造物責任法等に基づく損害賠償、当社製品への信頼性低下等が発生する可能性があります。

また、当社製品を搭載した顧客機器の生産過程でのトラブルや当社製品以外の欠陥等、当社と無関係の事由であっても、当社製品を搭載した機器の生産・発売が遅延した場合は、当社グループの売上計上が遅れるといった影響を受ける可能性があります。また、顧客の事業戦略の見直しがあり、当社製品搭載機器の販売が遅延あるいは縮小した場合においても、同様のリスクがあります。

 

(7)知的財産権に関するリスク

当社グループの事業に現在利用されている技術等と抵触関係をなす特許権等の知的財産権を第三者が既に取得している可能性や、将来的に当社グループ事業における必須技術と抵触関係をなす特許権等の知的財産権が第三者に取得される可能性を完全に否定することはできず、そのような可能性が実現した場合には当該特許権の知的財産権に関する侵害訴訟の結果として当社グループに損害賠償責任が課せられ、あるいは事業の全部又は一部が差し止められて継続できなくなる可能性があります。

また、近時においては、職務発明に関する対価の額につきまして、従業員である発明者が会社を相手に訴訟を起こす事態も報告されております。当社では、発明者に支給される対価の額の算定につきまして職務発明規程を制定しておりますが、それにも関わらず、成立した特許権につきまして発明者が対価の額を不服として当社グループを訴えた場合には、その結果が当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(8)重要な契約に関するリスク

当社グループの各事業において、「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載される経営上の重要な契約、当社グループの事業活動において重要な要素を構成する契約が解除された場合、その他の事由に基づき終了した場合、又は円滑に契約が更新されなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9)コンプライアンスに関するリスク

当社グループにおいて、子会社も含めたコンプライアンス体制の整備、充実に努めており、グループ会社の役職員にコンプライアンス意識の徹底を行っておりますが、法令・規則違反や企業倫理に反する行為等が万一発生した場合には、その直接的損害に加えて、信用失墜や損害賠償責任等が生じる可能性があります。

 

(10)特定取引先への依存等について

当社のテクノロジー事業における主要取引先は、受託開発案件におけるネスレ日本株式会社(以下「当該特定取引先」)であり、当該特定取引先に対する売上高は、令和3年12月期における個別売上高に対して約50%を占めており、当該特定取引先への依存度は高い状況にあります。
 当社は、当該特定取引先との間で良好な関係を築いており、現時点において取引関係等に支障を来たす事象は生じておらず、当社としては今後も継続的な取引が維持されるものと見込んでおりますが、今後何らかの理由により契約の更新がなされない場合や、取引条件の変更が生ずる場合等には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社といたしましては、今後も他社への売上高の拡大に努めることで、当該特定取引先への依存度低下を図り、リスクの逓減に努める方針です。
 

(11)その他のリスク要因

a.外国為替相場変動に関するリスク

当社グループでは、海外顧客との取引及び外貨建売上が存在します。また当社グループは、海外での事業活動費や海外からの技術導入に伴う費用を外貨で支払っております。そのため、為替変動によって、円貨での当社受取金額及び支払金額は変動いたします。また毎四半期末においては、外貨のまま保有している売上代金等の外貨建資産や負債を財務諸表作成のために円貨に換算することにより、外貨ベースでの価値に変動がなくても為替変動により円貨換算額も変動するため、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

b.法的規制に関するリスク

当社グループの各事業に関連する法令や規制等に関して、今後の法改正次第では当該分野において何らかの規制を受けるないしは、対応措置を講じる必要性が生じる可能性があります。将来新法令が制定された際には、適時に対応できるよう努力する方針ですが、場合によっては、これらの法令により事業活動範囲が限定される可能性もあります。

c.個人情報の管理に関するリスク

当社グループにおいては、取り扱う個人情報につきまして厳格な管理体制を構築し、情報セキュリティを確保するとともに、情報の取り扱いに関する規程類の整備・充実や従業員・取引先等への教育・研修・啓蒙を図る等、個人情報の保護を徹底しておりますが、個人情報の流出等により問題が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。

 

(12)重要事象等について 

当社グループは、総合エンターテインメント事業を中心とした事業から、スマートフォン用のアプリケーションやクラウドサービス開発等のIoTソリューションを中心とする事業への転換を行ってまいりました。当該事業転換に伴い、ゲーム、アニメーション及び出版の事業会社売却、旧来のソフトウェア事業を推進していた海外子会社の清算、非収益部門の廃止や本社移転等、様々な施策を行ってきたこと等により、令和元年12月期まで8期連続となる営業損失の計上が継続していたものの、前連結会計年度である令和2年12月期において営業損益を始めとして各損益すべてにおいて黒字化を達成いたしました。しかしながら、当連結会計年度においては、前連結会計年度と比較して売上高は3,504,680千円(前連結会計年度の売上高3,384,712千円)と3.5%増加し、また、営業キャッシュ・フローは59,862千円の黒字化となったものの、営業損失102,053千円(前連結会計年度の営業利益54,280千円)、経常損失は104,204千円(前連結会計年度の経常利益39,686千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は106,739千円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益84,221千円)といずれの損益についても損失を計上したこと等の理由から、依然として継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。

 

当社グループでは、当該状況を解消及び改善するために、当社の強みである組込み&エッジからクラウドまでワンストップで開発できる開発力及び技術力と、MVNO事業者として保有するモバイルデータ通信技術を効果的に組み合わせることで事業展開をより強力かつ効率的に推進することを目的として、令和4年12月期第1四半期よりセグメント事業を従来のテクノロジー事業及びソリューション事業から変更し事業構造の見直しを図ることを決定しました。新たな事業セグメントは、IoT化等のニーズを持つ個別の顧客に対して当社の開発力及び技術力を提供する「エンジニアリングサービス事業」、主に子会社であるスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社がMVNO事業者として提供する携帯電話やSIMカードの販売を中心とする「MVNO事業」、そしてこれら2事業の要素を組み合わせ、IoT化に必要となる組込み&エッジ,IoTクラウドプラットフォーム,モバイルデータ通信の各領域における製品やサービス、技術等の強化、拡充を通じてIoTのライフサイクル(計測→収集→蓄積→分析→活用→制御)を総合的に提供する「Aplix IoT プラットフォーム事業」、以上3つの事業であり、今後はこれら3事業における以下の取り組みを通じて収益性の改善に努めてまいります。

 

エンジニアリングサービス事業においては、すでに現状において実績を積み上げている受託開発のほか、当社が保有する組込み・エッジ技術、クラウドプラットフォームやモバイルデータ通信等のサービス・技術に加えて、顧客が求めるシステムを実現するために必要な技術を個々に提供し、顧客が実現したいサービスや仕組みの開発・運営管理等を行うシステムエンジニアリングサービスを提供してまいります。

MVNO事業においては、回線・端末・コンテンツ等の仕入及び様々な通信プランの設計を行い、携帯電話端末やSIMカードの販売や各種通信サービスの提供を行うとともに、他社ブランド向けの通信サービス提供、契約管理から収納管理までの一連のバックオフィス業務を行うことができる仕組みを構築しているという強みを活かし、直販や代理店販路だけではなくOEM販路についても今後さらに強化してまいります。これらの施策を実行することで、安定的に収益獲得が可能な月額利用料金等のストック収益の増大を目指してまいります。

Aplix IoT プラットフォーム事業においては、当社の主要製品であるロケーションビーコン「Mybeaconシリーズ」やモニタリングプラットフォームサービス「HARPS」の提供を進めていくとともに、当社がこれまで培ってきたIoT開発技術とMVNO事業者として保有するデータ通信技術を組み合わせ、個別の顧客に対して製品企画・設計・製造・販売、またシステム開発・運営管理等を総合的に提供してまいります。

 

当社では、これらの対応策を実行していくことにより売上高の増加、収益性の改善及び営業キャッシュ・フローの増加等が可能となり、ひいては当社の財務健全性の向上が実現できるものと考えておりますが、事業計画については今後の経済環境の変化による影響を受ける等により、計画どおりに推移しない可能性があり、この場合当社の財務状況や資金繰り等に影響を及ぼす可能性があります。したがって現時点においては、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。

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