当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績等の状況の概要は以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により首都圏や関西圏等を中心に緊急事態宣言が発令され、先行き不透明な状況で推移しました。
医療業界におきましても、昨年に続き、新型コロナウイルス感染症拡大により受診控えや不要不急の手術の延期等が見られた一方で、政府補助金等の施策が図られたことや感染者数の減少もあったことから、病院経営環境については改善傾向にあります。
また、医療従事者の負担軽減や医師等の働き方改革を支援するためのツールとしてデジタル化が進められております。今年4月には3年に一度の介護報酬改定が実施され、科学的介護情報システム「LIFE」の導入に見られる介護データのより積極的な活用の試みや、今年10月から「オンライン資格確認」の本格運用が開始される等、政策としてもデジタル化が推進され、医療機関においては、ICT、AIやビッグデータ等を活用した新しい診療の在り方が模索されております。
医療情報システム市場におきましては、大規模病院においては医療情報システムの導入が概ね進む中、中小規模病院での普及率は依然として低く、また、既に医療情報システムを導入している医療機関等でのリプレイス市場も見込まれており、引き続き医療情報システム市場における有力ベンダー数社間の競争は激しさを増しております。
当社グループにおきましては、電子カルテシステムをはじめとする医療情報システムの開発・販売・導入・保守を中心に事業展開し、顧客満足度の向上に努めてまいりました。
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受ける中、医療機関の投資マインドは大きく落ち込みを見せておらず、当社グループにおいても、感染症対策の徹底やリモートでの導入作業等を進めたこともあり、業績への影響は軽微となりました。
そのような中、大型案件の受注を含め、受注が前期より伸長したことから、売上高、営業利益、経常利益及び当期純利益のいずれにおきましても前年同期比で増収増益となりました。また、2020年8月に連結子会社となったユタカインテグレーション株式会社の業績も今期より加算されております。
この結果、売上高は25,276百万円(前年同期比23.3%増)、受注高は20,374百万円(同39.1%増)、受注残高は7,173百万円(同36.0%増)となり、利益面におきましては営業利益4,281百万円(同27.7%増)、経常利益4,338百万円(同27.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,998百万円(同27.8%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、7,089百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、3,380百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,335百万円、減価償却費245百万円、売上債権増加額1,083百万円、たな卸資産増加額454百万円、仕入債務増加額465百万円、利息及び配当金の受取額39百万円及び法人税等の支払額932百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,130百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,107百万円、定期預金の預入による支出101百万円及び定期預金の払戻による収入100百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、532百万円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出70百万円及び配当金の支払額461百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度のハードウェアの仕入実績について、当社グループは単一セグメントとしているため、種類別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の受注実績について、当社グループは単一セグメントとしているため、種類別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績について、当社グループは単一セグメントとしているため、種類別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して4,205百万円増加し、31,580百万円となりました。主な要因は、現金及び預金719百万円の増加、受取手形及び売掛金1,083百万円の増加、たな卸資産454百万円の増加、有形固定資産1,862百万円の増加、投資有価証券71百万円の増加、長期前払費用156百万円の減少及び繰延税金資産180百万円の増加であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して1,618百万円増加し、5,764百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金465百万円の増加、短期借入金70百万円の減少、未払金477百万円の増加及び未払法人税等633百万円の増加によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して2,587百万円増加し、25,815百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,998百万円の計上及び剰余金の配当462百万円の支払によるものであります。
b. 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前年同期に比べ4,777百万円増加し25,276百万円(前年同期比23.3%増)となっております。種類別の内訳は、ソフトウェア売上は1,277百万円増加し7,556百万円(同20.4%増)、ハードウェア売上は1,829百万円増加し10,029百万円(同22.3%増)、保守サービス売上は543百万円増加し6,564百万円(同9.0%増)、その他売上は1,126百万円となっております。
(営業利益、経常利益)
営業利益は、売上総利益1,562百万円の増加、販売費及び一般管理費632百万円の増加により、前年同期に比べ929百万円増加し4,281百万円(前年同期比27.7%増)となりました。これを受けて経常利益は932百万円増加し4,338百万円(同27.4%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、税金等調整前当期純利益は、前年同期に比べ942百万円増加し4,335百万円(前年同期比27.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税が550百万円増加し、法人税等調整額が258百万円減少したことにより、前年同期に比べ651百万円増加し2,998百万円(同27.8%増)となりました。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項及び投資家の投資判断、或いは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、リスクの発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d. 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費、仕入、製造経費、販売費及び一般管理費のほか、配当金や法人税等の支払いになります。このほか、会社の成長に必要な設備投資等を含め、全てを自己資金でまかなうことを原則としております。
当社グループの当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
e. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
目標とする経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営戦略・目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
当連結会計年度では、760ユーザー(前年同期比51ユーザー増加)、売上高25,276百万円、売上高経常利益率17.2%となりました。
当社グループの今後の戦略といたしましては、引き続き市場シェアを拡大しつつ、収益基盤の強化を追求いたします。さらに、品質管理を専門とする部署を明確にし、システム品質及びサービス品質の更なる向上を図ることで、より一層の顧客満足度向上及び当社グループの成長を目指してまいります。
以上の取り組みを通じ、新規ユーザーや地域有力グループ病院を積極的に深耕すると同時に、既存ユーザーにも継続して利用していただき、自社開発のソフトウェア売上やストック型収益の拡大に取り組むとともに、業務の効率化等のコストコントロールにも傾注することで安定した経営を目指してまいります。
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