当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症がワクチン接種の進展等により沈静化傾向を示し、一時的に緩やかな回復基調に転じておりましたが、2021年12月以降の新たな変異株のまん延により再び景況感が悪化しました。また海外の地政学的リスクを主要因とした原材料価格の高騰などもあり、先行き不透明な状況で推移しました。
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、経済産業省の「特定サービス産業動態統計」によると2022年2月の情報サービス業の売上高合計は、前年同月比5.8%増と11か月連続して増加となりました。主力の「受注ソフトウェア」は前年同月比2.3%増加、「ソフトウェアプロダクツ」は同27.8%増加、「システム等管理運営受託」は同0.9%増加となり、コロナ禍でのIT投資抑制の局面から持ち直しました。
このような経営環境の中、当社は当連結会計年度の基本方針として次の項目について取り組んでまいりました。
当社の基幹分野であるソリューションビジネスの拡大、特に優良顧客の大規模ユーザー化に取組んだ結果、SIサービス業務の売上高は前年同期比15.3%増加しました。
当連結会計年度においては、既存顧客からの継続受注を安定的に確保したことに加え、新規顧客からの案件を積極的に受注した結果、ソフトウエア開発業務の売上高は前年同期比13.0%増加しました。
PRM強化策“PRiMER”を運用することにより、赤字プロジェクト・低採算プロジェクトの縮小に繋がりました。
ペーパーレスソリューション「デジペーパー」や画像認識AI開発クラウドサービス「MODEWO」といった自社製品や、販売パートナーの提供するサービスを活用したソリューションの提供により、お客様のDXや働き方改革、業務改革のニーズに応えてまいりました。
労務面については、従前からの「グッド・ジョブ・チャレンジ」(ノー残業デーの実施強化、事前承認残業の徹底、有給休暇の取得率向上など)の推進とともに、「健康経営基本方針・健康宣言」を制定し、社員の健康保持・推進を経営の最重要課題と位置付け、健康経営に取組みました。
業務区分別の売上高につきましては、次のとおりであります。なお、当社グループは、ソフトウエア関連事業の単一セグメントであるため、業務区分別の業績を記載しております。
企業のシステム構築を中心とするSIサービス業務は、自動車関連製造業をはじめとする当社主要顧客のIT投資需要の持ち直しを背景に、請負案件の受注が回復し、売上高は7,191百万円(前年同期比15.3%増)となりました。
ソフトウエア開発業務は、既存顧客からのメンテナンス業務などの継続受注を安定的に確保し、準委任契約によるシステム開発案件を新規受注出来たことにより、売上高は10,383百万円(前年同期比13.0%増)となりました。
ソフトウエアプロダクト業務におきましては、パッケージソフト等の新規販売が伸び悩み、売上高は316百万円(前年同期比6.9%減)、商品販売ではパソコン・情報機器、ソフトウエア等の商品仕入れ販売により、売上高は305百万円(前年同期比25.0%増)となりました。
その他WEBサイトの運営ならびにクラウドサービス(SaaS)等では巣ごもり需要が追い風となり、新規オンラインショップ開設数、GMV(流通取引総額)が伸びたことから、売上高は208百万円(前年同期比31.8%増)となりました。
利益面におきましては、SIサービス業務の売上高が伸びたことや、受注量の増加に伴いIT技術者稼働率が高稼働を維持していること、また経費削減策の実施、PRM(プロジェクト・リスク・マネジメント)活動により不採算プロジェクトが減少したことなどが利益率の改善に繋がりました。
以上の結果、当期における連結業績は、売上高18,405百万円(前年同期比13.9%増)、営業利益2,078百万円(前年同期比32.6%増)、経常利益2,113百万円(前年同期比32.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,492百万円(前年同期比36.9%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループはソフトウエア関連事業の単一セグメントであるため、業務区分別の実績を記載しております。
当連結会計年度の生産実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度の外注実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。
③ 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
当連結会計年度の受注実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度の販売実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の流動資産は10,415百万円であり、前連結会計年度末に比べ1,233百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が505百万円増加および売掛金が490百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の固定資産は2,468百万円であり、前連結会計年度末に比べ451百万円増加しました。主な要因は、のれんが311百万円増加および繰延税金資産が141百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の流動負債は4,084百万円であり、前連結会計年度末に比べ651百万円増加しました。主な要因は、買掛金が204百万円増加および賞与引当金が177百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の固定負債は665百万円であり、前連結会計年度末に比べ43百万円増加しました。主な要因は、退職給付に係る負債が43百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は8,134百万円であり、前連結会計年度末に比べ988百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が1,009百万円増加したことによるものであります。
当社グループの自己資本比率および流動比率は、当連結会計年度末においてそれぞれ、63.0%、255.0%となり、良好な財政状態を保っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ505百万円増加し、6,314百万円(前年同期末は5,808百万円)となりました。
また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、1,287百万円(前年同期は1,086百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,113百万円、仕入債務の増加額205百万円などの増加要因が、売上債権の増加額589百万円、法人税等の支払額495百万円などの減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、254百万円(前年同期は144百万円の減少)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、526百万円(前年同期は466百万円の減少)となりました。これは主に、長・短期借入れによる収入1,780百万円、長・短期借入金の返済による支出1,805百万円や配当金の支払額501百万円によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として営業活動によるキャッシュ・フローの安定的な確保と金融機関からの借入による資金調達を基本方針としております。
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は6,314百万円であり、資金の流動性は十分に確保できております。なお、資金の主要な使途としては、運転資金であり、経済情勢の悪化等により、万一事業環境が悪化した場合でも一定程度の運転資金の水準を維持することとしております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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