文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、独立系企業として顧客の企業系列や使用しているハードウエアの制約を受けることなく様々な業種・業態のシステム構築に携わり、確かな技術力とノウハウを蓄積しております。
これらの技術を基に常に顧客の抱える問題に最適なソリューションを提供し続けることを企業の使命とし、収益基盤の拡大と企業の発展・継続を実現するため、①時流に乗る経営、②衆知を集める経営、③運命共同体の経営、④高能率・高配分の経営、⑤顧客志向の経営を経営理念としております。
今後、リモートワークの整備やデータの活用への取り組みがますます重要となり、SDGs(持続可能な開発目標)、ESG(環境・社会・ガバナンス)に代表される環境や社会課題の解決に向け、IT(情報技術)の果たす役割は拡大するとともに、よりいっそう重要になっていくものと考えられます。当社グループは、①継続的な利益確保、②企業価値の向上、③雇用機会の安定の3つを基本ポリシーとしております。
会社の成長と収益性を確保するために、売上高伸び率と、営業利益率を経営指標としております。毎期10%以上の売上高伸び率を目標とすると共に、営業利益率10%以上を確保することを目標としております。
また、株主重視の姿勢を明らかにするため、株主資本利益率(ROE)を経営指標として重視しております。株主から預かった資本を元手にどれだけの利益を確保できたか、資本コスト以上のROEを維持することを経営目標として取り組んでおります。具体的には、事業継続体制の確立と、経営基盤の安定化を図り、事業拡大を行うことにより、収益力をアップして株主の利益を優先する経営を目指しております。
なお、当連結会計期間におけるROEは19.5%(前年度16.2%)であります。
ネットワークによる情報流通が進展した今日、5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスが開始されるなど、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する準備が社会的、技術的に整い、DXへの投資は、従来の情報システムとの連携を含めた全体最適の動きが増していくものと思われます。また働き方改革も、DXがその変革をさらに加速させるものだと考えます。
このような事業環境のなかで、当社グループは、中長期目標『Next Vision 50th』を掲げ「SI事業の拡大」、「ポストSI事業へのチャレンジ」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)時代の技術対応」、「バックオフィスのMDGレベルアップ(注)」、「エンゲージメントを高める新キャリアパス制度」の、5つの経営戦略を進めてまいります。
当社グループは、情報サービス事業者として常に自己革新を怠らず、技術力、マーケティング力の強化、専門性の向上などに取り組み、お客様の経営課題に的確に対応する高品質のソリューション・サービスの提供に努めてまいります。
(注)MDGとは、マネジメント(M)、デジタル化(D)、ガバナンス(G)の略です。
今後の日本経済は、ワクチン接種率の増加による経済活動の活性化や政府の各経済政策によって、景況感が回復基調に向かうことが期待されるものの、新型コロナウイルス感染症の影響や、ロシア・ウクライナ情勢の悪化といった地政学的リスクに伴う原材料価格の高騰、世界的なインフレと欧米各国の金融引き締めに伴う円安の進行など、当面は不確実な状況が続くものと思われます。
一方で情報サービス産業におきましては、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心とするIT投資需要が活況を呈しております。AI(人工知能)やRPA(ロボティックプロセスオートメーション)による業務効率化・生産性向上への取り組みや、5G(第5世代移動通信システム)による通信インフラ整備など、企業がニューノーマルを模索する中での幅広いニーズの顕在化が期待され、それに対応する技術力、提案力を持つITベンダーが求められております。さらに「2025年の崖」といわれるIT人材不足への対策を進めることも急務となっており、ITの果たす役割は、より一層重要になっていくものと考えられます。
当社グループとしましては、今後のビジネス環境の変化と、積極性が増す企業のIT投資需要に対応するために、競争力、組織能力を継続的に成長させ続ける必要性があります。
具体的な施策として、中長期目標『Next Vision 50th』に準拠した①コア事業であるSIサービスをより拡大させるための全社戦略のデザインと営業力の強化、②全社的思考活性による新しいアイデアの創出と新規事業化推進、③DX関連の新しい技術および開発手法の習得や人材育成への取り組みの加速、DX推進委員会の設置、④バックオフィスのマネジメント、デジタル化、ガバナンスのレベルアップ、⑤会社と社員の成長を支援する新キャリアパス制度の構築と運用、などに取り組んでまいります。
また、健康経営への取り組みを始めとした、サステナブルな社会の実現に向けての各種活動も、当社グループが持続的に発展していくためには事業を通じて社会の持続的な発展に寄与することが必要不可欠である、との認識のもと引き続き注力してまいります。
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