業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

   当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

  ①財政状態及び経営成績の状況

 バイオ事業については、自治体をはじめとした官公庁において「自治体強靭性向上モデル」の買換え需要が今後数年にわたって継続すること、ならびに民間企業での採用の増加が見込まれること、及び、文教市場においてGIGAスクールに導入されたデバイスに対しての認証強化が求められていることから、市場環境は、拡大基調にあるものと認識しております。それらに対し数年来構築してきた代理店網を活用しさらに売上増加を推進してまいります。

 マガタマ・FIDO事業に関連して、日本証券業協会(JSDA)が発行の「インターネット取引における不正アクセス等防止に向けたガイドライン」において、認証強化が明記され、証券会社やクレジットカード会社と進めている案件が増加しています。また、メタバースやeスポーツなどサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を融合させる環境において、本人認証を求める問い合わせが増えています。さらに、すでにサービスインをしているサービスも一層の普及とID数の急増が見込まれます。以上の観点から、来期につきましては計画通りの売上を見込んでおります。

 海外事業については、現在の案件実績をふまえ、パートナー企業と協業し更なる案件獲得を行ってまいります。

 センサー事業については、開発面において当該市場での技術は競合他社においても日々進化しており、当社も来期に向けた新しいセンサーの技術開発をさらに進めてまいります。特に、汗孔と隆線を使った認証アルゴリズムに関する海外も含めた14件の特許申請は全て権利化されております。この技術では、偽造指による認証がほぼ不可能になりました。金融業界のシステムなど、成りすましに対する対策が不可欠なシステムにおいての活用が見込まれており、スマートフォンだけでなく強固な本人認証を必要とするシステムへの組み込みを提案してまいります。その他、農業業界でのスマート農業での応用等及び美容業界での皮膚顕微鏡等への応用等の開発を進めてまいります。製造面では中国から国内へのサプライチェーンの追加構築を継続検討しており、新規取引先を開拓しております。それらにより、計画通り進めば大きな売上計上が可能ですが、事業環境が流動的で不確実ゆえに現段階での売上見込みには計上しておりません。

上記のとおり売上を拡大させ、ここ数年進めてきた費用の見直しを持続していくことにより、収益安定化を目指します。

 (売上高)

売上高は1,177,711千円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。

 

 (売上総利益)

売上原価は、626,991千円(前連結会計年度比6.9%増)となり、粗利は550,720千円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。

 

 (営業利益)

販売費及び一般管理費は、823,743千円(前連結会計年度比13.8%増)となり、営業損失は273,022千円(前連結会計年度は、営業損失153,789千円)となりました。

 

 (経常利益)

経常損失260,192千円(前連結会計年度は、経常損失169,505千円)となりました。

 

  (親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純損失687,681千円(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純損失173,494千円)となりました。

 

  (流動資産)

 当連結会計年度末の流動資産は、主として現金及び預金の減少(108百万円の減少)により前連結会計年度末に比べて67百万円(2.5%)減少し、2,635百万円となりました。この主な内訳は、現金及び預金1,685百万円、受取手形及び売掛金415百万円、製品138百万円であります。

 

  (固定資産)

 当連結会計年度末の固定資産は、主として技術資産の減少(271百万円の減少)により前連結会計年度末に比べて540百万円(60.7%)減少し、350百万円となりました。この内訳は、有形固定資産252百万円、無形固定資産17百万円、投資その他の資産79百万円であります。

 

  (流動負債)

 当連結会計年度末の流動負債は、主として買掛金の増加(23百万円の増加)により前連結会計年度末に比べて48百万円(11.2%)増加し、482百万円となりました。この主な内訳は、買掛金174百万円、前受収益148百万円、未払法人税等11百万円であります。

 

  (固定負債)

 当連結会計年度末の固定負債は、主として長期前受収益の増加(81百万円の増加)により、前連結会計年度末に比べて39百万円(17.9%)増加し、260百万円となりました。この主な内訳は、退職給付に係る負債37百万円、長期前受収益223百万円であります。

 

  (純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、主として利益剰余金の減少(687百万円の減少)により、前連結会計年度末に比べて695百万円(23.7%)減少し、2,241百万円となりました。

 

  ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ108百万円減少し、1,685百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 売上債権が増加したことによる支出18百万円などにより資金が減少し134百万円の支出(前年同期は134百万円の支出)となりました。

 

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 有形固定資産の売却による収入34百万円などがあったため、22百万円の収入(前年同期は200百万円の収入)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

バイオメトリクス事業(千円)

401,900

126.9

合計(千円)

401,900

126.9

 (注)1.当社グループは、バイオメトリクス事業の単一セグメントであります。

     2.上記の金額は、製造原価によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

該当事項はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

バイオメトリクス事業(千円)

1,177,711

101.8

合計(千円)

1,177,711

101.8

 (注)1.当社グループは、バイオメトリクス事業の単一セグメントであります。

    2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ダイワボウ情報システム株式会社

150,856

13.0

285,605

24.3

SB C&S株式会社

43,055

3.7

90,748

7.7

株式会社大塚商会

45,671

4.0

80,738

6.9

日立グループ

174,047

15.1

77,654

6.6

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的に広がる新型コロナウイルス感染症の拡大に左右される状況が続き、重ねて半導体不足や米中摩擦の影響も大きく受けました。しかし、継続的なマネーサプライと公共投資により底堅さもあり、穏やかに景気は持ち直す状況でした。

 当社の主たる事業領域である情報セキュリティ分野においては、サイバー攻撃による情報漏洩事故やキャッシュレス決済の不正利用、不正送金問題が発生し、官公庁、企業サイドや個人を含めた社会全体で情報セキュリティ対策に対する関心が高まりました。また、Stay HomeによるWeb会議、ネット販売、ウェブサービス利用者の増加により、利用者サイドにおいては、パスワードにとってかわる、より安全かつより簡単な本人確認に対するニーズが拡大しました。さらに、多くの府省庁・業界団体などから新たなセキュリティガイドラインが示され、社会全体で認証強化の流れが加速されました。

このような環境のなか、当社の主力事業であるクライアント・サーバーシステムEVEシリーズ・万能認証基盤Themisと指紋認証機器UBFシリーズを中心にしたバイオ事業については、製品面においてアライアンスパートナーとの連携を強化し、シスコシステムズ合同会社、エクスジェン・ネットワークス株式会社、Splunk Inc.などとの連携ソリューションの提供を開始いたしました。販売面においては、案件開拓力向上のため、製品連携やSIerのソリューションとして当社製品が採用されるよう他社との連携を推進し、従来から行ってきた展示会出展やセミナーへの参加による販売促進活動においても、パートナー企業との共同出展や、パートナー企業に当社製品を出展いただくなどの活動を強化、継続しております。当連結会計年度は7社より販売パートナーの申請をいただき、弊社販売パートナー制度に加盟いただきました。2016年の「自治体強靭性向上モデル」において導入された認証基盤の買換え時期が始まっており、買換え需要に加え、在宅勤務を可能とするセキュリティの実装、マイナンバー取扱事務以外の行政システムへのセキュリティ強化などの追加需要もあり、官公庁・自治体より安定したご発注をいただきました。それに加え、各府省庁のセキュリティガイドラインに従う企業も増えてきており、医療、金融、公共性の高い企業などからも大規模案件を多数受注し概ね計画通りに推移しました。

マガタマ・FIDO事業については、不正送金問題や公共性の高い企業のデジタル化に伴い、案件創出や受注に向けた活動を加速させております。しかしながら、FIDOの認知度とそのサービスの利用者が広がっておらず今期では大きな売上貢献はできませんでした。新規の案件として、電気・ガス・熱供給・水道等公共性の高い企業や、金融、宿泊などの業種で導入を検討されているため、FIDO導入に関する技術支援を継続しております。すでにサービスインされている案件の利用者数の増大と新規サービスの立上げにより認知度を上げ、事業を更に拡大してまいります。また、当社が標準サービスを提供し複数の企業・団体にご利用いただくマガタマサービスでは、ダイワボウ情報システム株式会社のサブスクリプション管理ポータル「iKAZUCHI(雷)」にて販売を開始いたしました。SSO(Single Sign On)関係のサービスに対しては、セキュリティ強度で勝っている弊社サービスの利便性を強化しつつ、巻き返しをはかってまいります。

両販売形態ともストック型売上のため、当連結会計年度における貢献は大きくありませんが、売上の下支えとして引き続き経営の安定化につながるビジネスと捉え、注力してまいります。

海外事業については、韓国国内での新型コロナウイルス感染拡大に伴いプロジェクトの進捗が大幅に遅れている状況であります。既に受注済みの大型案件は、2022年上期には全てのプロジェクトが完了するよう順次進捗させていきます。

 センサー事業については、指紋センサーのハードウェアとそれに最適化されたアルゴリズムを同時進行で開発し、その指紋認証アルゴリズムセンサーの生産と販売で一貫した半導体事業をセンサー事業として推進している。その一環として、前連結会計年度にセンサーメーカーであるMICROMETRICS TECHNOLOGIES PTE. LTD.の株式を取得し、連結子会社としております。

 しかし、海外及び国内市場において、新型コロナウイルス感染拡大と米中貿易摩擦の影響での半導体不足により、新規プロジェクトの遅延や商談延期が発生しており、当連結会計年度の売上計上はできませんでした。新規参入製品での量産化は、調達面において半導体とそれに関連する電子部品確保の見通しがつかないという困難な状況が一年前より継続し、いまだに好転していない状況ではありますが、研究開発は着実に前進しており当連結会計年度は関連技術特許を14件取得できました。引き続き事業環境を見極めながら製品事業化を進めてまいります。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,177百万円(前年同期は1,156百万円)となりました。損益面においては、販売費及び一般管理費は823百万円で前年同期比で100百万円増となりました。主な要因は、前連結会計年度において子会社化したMICROMETRICS TECHNOLOGIES PTE.LTD.について第1四半期連結会計期間より損益計算書を連結したことによるものです。これにより、営業損失273百万円(前年同期は営業損失153百万円)、経常損失260百万円(前年同期は経常損失169百万円)となりました。また、特別損失としてセンサー事業に係る資産グループの固定資産について減損損失389百万円が発生し、これにより親会社株主に帰属する当期純損失687百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失173百万円)となりました。

 

  ②キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ108百万円減少し、1,685百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 売上債権が増加したことによる支出18百万円などにより資金が減少し134百万円の支出(前年同期は134百万円の支出)となりました。

 

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 有形固定資産の売却による収入34百万円などがあったため、22百万円の収入(前年同期は200百万円の収入)となりました。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、資金需要のうち主なものは、人件費、新製品開発に必要な研究開発費、営業費用、管理費用及び設備投資資金であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を充当しております。

 

  ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。特に以下の項目が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

1.貸倒引当金の評価

当社は、売上債権等の貸倒損失に備えて、回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、得意先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

 

2.投資有価証券の評価

 時価のない投資有価証券については、原価法を採用しその評価は1株当たり純資産と取得価額とを比較して、1株当たり純資産が著しく低下した場合に減損の要否を検討することとしております。このため将来において投資先の業績動向が著しく低下した場合、投資有価証券の減損処理が必要となる可能性があります。

 

3.固定資産の減損会計

 固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたって、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたって、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額を前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

4.のれんの減損会計

 子会社の株式取得により発生したのれんについては、8年間で均等償却しております。

 当社は、子会社株式の取得時に将来の事業計画等に基づいた成長性を評価し、グループ内に取り込むことによる企業価値の増加を加味して株式を取得しております。事業計画に対する実績をモニタリングすることによって、のれん及び技術資産の減損の兆候を把握し、減損の兆候が認められる場合には、子会社に関するのれん及び技術資産が帰属する事業から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することにより、減損損失の認識の要否を判定しております。その結果、減損損失の認識が必要と判定された場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

 当連結会計年度において、センサー事業について、事業計画との著しい乖離により減損の兆候があり、減損損失の認識の要否を判定した結果、減損損失の認識が必要となり、回収可能価額を検討した結果、のれん及び技術資産の全額を減損しております。

 同社に関するのれん及び技術資産を含む資産グループの減損計上額は、連結財務諸表において金額的重要性が高く、将来の事業計画の前提となった仮定や技術革新による新技術の出現などの外的環境に大きく影響を受け、経営者の主観的な判断を伴う見積りが含まれております。

 

5.たな卸資産の評価

 たな卸資産の評価は、移動平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)により算定しております。

 営業循環過程から外れたたな卸資産については、収益性の低下を反映するため、滞留年数に応じて帳簿価額を切下げる方法や将来の販売見込を上回る帳簿価額を切下げる方法に基づいております。

 過去の販売実績や将来の販売見込に基づきたな卸資産を保有しておりますが、市場環境の変化、製品販売計画や将来の経済状況の変動等により、翌連結会計年度のたな卸資産の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

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