課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「人々のくらしと流通企業のビジネス活動を情報システム技術で融合し、豊かな社会の実現に貢献します。」という経営理念のもと、流通・サービス業、とりわけ小売業に対する情報関連サービスの提供をコア事業領域として、独自の事業領域で独自のビジネスモデルの確立を図りながら事業展開を行っております。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、「アジアにおける流通ITのリーディングカンパニーを目指す。」を経営ビジョンとして、4つの基本戦略を主軸に、既存事業の高度化とニューリテール事業の具現化をさせることにより、事業の持続的な成長を目指してまいります。

また、当社は、流通系ITシステムに特化した企業として、事業成長と安定的な収益基盤確立の両立を図るため、既存の中期目標値を見直し新たに2022年度を初年度とする中期経営計画を策定することといたしました。

本中期経営計画の詳細につきましては、次のとおりとなります。

 

① ニューリテール戦略

ニューリテール分野への取り組みを強化し、流通小売業の変革をリードしてまいります。

 

② 特定顧客(注)化戦略

大手小売業に向けて、ソリューション提案を強化することにより、ストックビジネスを拡大し、特定顧客化を推進してまいります。

 

③ グローバル市場戦略

日系企業および現地企業向けソリューション事業を強化し、新しいビジネスモデルを構築してまいります。

 

④ 事業構造改革

事業構造の改革を推進し、組織を強化することで持続的成長を目指してまいります。

 

(注)特定顧客 

各業種業態の有力企業であり、当社が主要ITパートナーとしてプロダクトの提供やソリューション開発に加え、保守・運用業務まで含めて総合的にサービスを提供している顧客のことをいいます。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、「流通系ITシステムに特化した業界最大規模のIT企業」として高い競争力を発揮し、国内事業の拡大とグローバル展開を加速し、事業の持続的な成長を目指すために、売上高、売上高の前期増減率、営業利益及び営業利益率を重要な経営指標としております。

 

(中期経営目標値)

<連 結>

 

 

(単位:百万円)

 

2022年度

計画

2023年度

計画

2024年度

計画

売上高

31,000

32,240

33,530

売上高の前期増減率

3.8%

4.0%

4.0%

営業利益

2,620

2,730

2,840

営業利益率

8.5%

8.5%

8.5%

 

 

(4) 経営環境

当社グループの主要顧客分野である流通・サービス業界は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に伴う外出の自粛やインバウンド市場の消失など、消費者のライフスタイルが大きく変化しており、各店舗における営業時間やサービス形態の見直しを余儀なくされています。またその影響は、業種業態によって明暗が大きく分かれるような状態となっております。一方、近年では「ニューリテール」と呼ばれるAIやIoT等の新技術を利用した新たな小売業が米国や中国を中心に出現し、新しい技術競争の様相を呈しております。

 

リアル店舗とEC及びそれらをつなぐ物流が融合し、新たな顧客体験を提供する店舗や従来型のPOS端末を不要とした無人店舗や、カート型のPOSが話題を集めております。また、QRコード決済等のキャッシュレス化も急速に浸透しつつあり、一般の小売業においても、この変化を看過できない状況になってきております。

国内市場においては、新型コロナウイルス感染症の拡大や少子高齢化による市場の変化や主にスーパーマーケット等において労働力不足の課題が顕著となり、大手のチェーンストアを始めとして事業存続への危機感を抱いている様子が顕在化しております。その結果、特に新型コロナウイルス感染症への対応は、ニューリテール分野への取組みニーズを高めることになりました。その他、消費者のニーズの多様化に対応するために業態を越えた事業展開や連携の取り組みが活性化する一方、激しい価格競争に耐えうる体制構築のために業務の効率化を追求する動きも続いております。海外市場においては、日系流通・サービス企業の海外進出が続いており、特に成長市場であるアセアン地域への出店が継続すると想定されます。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループにおいては、このような劇的な環境の変化に対して、既存の商品やサービスだけでは追随できなくなる恐れがあることを重要課題として認識しております。当社グループにおいては、「既存ビジネスの高度化とニューリテール事業の具現化」を重点方針として掲げ、既存ビジネスを更に発展させるとともに、ニューリテール分野に関連する事業の強化に際して、日本だけではなく世界中の優れた技術を積極的に活用し、既存の商品やサービスに加えて、新たな商品やサービスを提供することで、新規顧客を獲得するとともに既存顧客に対しては総合的にサービスを提供し顧客内売上シェアを拡大させることで課題に対処してまいります。

 

① ニューリテール戦略の実行

イ.流通IT変革のリーディングカンパニーとして、ニューリテール分野の企画開発を強化してまいります。

ロ.カート型POS、無人店舗、キャッシュレス等の次世代ソリューションを拡販してまいります。

ハ.スマートシェルフの活用等、ITによるプロモーションサービスを強化してまいります。

 

② 特定顧客事業の深耕

イ.既存特定顧客との関係強化に努めるとともに、新規顧客の特定顧客化に向けた営業及び開発体制を強化してまいります。

ロ.特定顧客向けの保守・運用業務まで含めたITフルアウトソーシングサービス事業の更なる効率化を推進してまいります。

ハ.統合ヘルプデスクサービス等、ストック・ビジネスの拡大に向けた共通基盤を構築してまいります。

 

③ プロダクト事業の強化

イ.既存プロダクトにAI等のニューリテール分野の技術を活用し、高度化を推進してまいります。

ロ.プロダクトのラインアップを拡充してまいります。

ハ.AIや自動認識技術等、国内外の優れた要素技術を積極的に活用してまいります。

 

④ リテールソリューション事業の拡大

イ.POSシステム・基幹MDシステム等のコア製品の拡販とともに保守サービスの受注獲得に努めストック・ビジネスの拡大を図ってまいります。

ロ.EC及び専門店向けのサービスを強化し、ビジネスの拡大を図ってまいります。

 

⑤ グローバル市場の拡大

イ.アセアン地域において既存特定顧客に向けた体制を強化してまいります。

ロ.海外パートナーとのアライアンスを推進し、アセアン地域においてグローバルプロダクトの販売拡大に向けた営業・開発・サービス体制を強化してまいります。

 

⑥ カード事業の強化

既存特定顧客との関係を深耕し、開発体制強化によるカード事業の規模拡大を推進してまいります。

 

⑦ 経営基盤の強化

イ.営業部門の体制強化により、受注拡大に努めてまいります。

ロ.運用サービス等の業務効率化を推進し、利益構造の改革に努めてまいります。

ハ.安定基盤事業であるストック・サービスへ事業構造を転換してまいります。

ニ.事業基盤拡大を目指して、業務提携・資本提携・M&Aを進めてまいります。

ホ.品質管理の強化及びプロジェクト管理体制の強化を推進してまいります。

ヘ.働き方改革による社員の士気とモチベーションの向上に努めてまいります。

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