課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社の基本方針は、「共感をカタチにし、ユニークを創造するITサービスカンパニーへ」です。当社では、実効性あるコーポレートガバナンスのもと、グループの経営資源とITソリューション力を活かした事業活動を通じて、事業会社としての経済的価値と社会課題解決による社会的価値の両立を実現する経営を目指していきます。

 

(2) 当社グループの対処すべき課題と対処方針等

「環境認識と現中期経営計画の基本的考え方」 

経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート」内で警告されている「2025年の崖」、まであと3年です。コロナ禍の影響もあって、日本においても社会や企業活動のデジタル化は加速したものの、いまだ世界との差は大きいと指摘されており、より一層DX市場は拡大していくと考えられています。

日本のIT環境における課題としては、「既存基幹システムの老朽化」「高齢化による世代交代の必要性」「テクノロジーの進化に伴う先端IT人材の不足」等が挙げられています。これらの課題に適切に対応できない場合、システムの維持管理費が高額化することが予想されるため業務基盤の維持・継承が困難になる危険性が高まります。また、高度化しているDX市場ではサイバーセキュリティやシステムトラブルへの対応もより高度化が求められ、保守運用の担い手が不足すると海外からの攻撃などによるリスクも上昇します。

このようにITサービス企業が果たすべき役割がますます重要となる中、当社が策定した前期(2022年3月期)を初年度とする現行3カ年中期経営計画(現中期経営計画)では、グループの持つ「データマネジメント」「サービスマネジメント」「プロセスマネジメント」の3つのコアコンピタンスを基に、DXの環境下、お客様のビジネスモデル変革をサポートするためのサービスを提供し、事業成長を目指す計画です。

現中期経営計画の基本方針は、「共感をカタチにし、ユニークを創造するITサービスカンパニーへ」です。当社では、実効性あるコーポレートガバナンスのもと、グループの経営資源を活かした事業活動を通じて、事業会社としての経済的価値と社会課題解決による社会的価値の両立を実現するCSV経営を目指していきます。

 

「課題認識を踏まえた経営戦略と2022年度施策への展開」 

コロナ禍がもたらした社会や経済活動におけるデジタル化の加速は、これまで遅れがちだった日本の産業界や企業における、デジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みの加速化を促しています。DXは今やビジネスにおいて必須ともいえ、顧客との関係、企業の組織運営や従業員の働き方、デジタルを活用したビジネスモデルの創出にまでDXのマーケットは拡大しています。しかしながら、企業のDXへの取り組みには、バラツキがあり、ITサービス企業にとって、ITの進化をお客様の成功体験に反映させる役割はますます大きくなっています。

このようなマーケット変化に適応するために、当社グループでは、現中期経営計画において、全事業活動をサービス提供型へとシフトさせるビジネスモデル変革を通じ、サステナブルな企業体の実現を目指しています。現中期経営計画の重要戦略の骨子は下記のとおりです。

 

<重要戦略>

「サービス提供型事業の創出」 

・プロダクト(自動化事業、帳票事業、メインフレーム事業)については、企業の情報システム部門へのシステム運用に集中し、社会基盤を支えるお客様への高付加価値サービスを持続的に提供する体制を構築する。

・プロダクト事業で培った自社開発製品の強みを活かし、所有型と利用型双方の顧客ニーズへの対応を図る。また、そこからサービス提供型事業を創出し、安定的な収益源への成長を実現する。

 

「カテゴリ別戦略によるクラウドサービス事業の拡大」 

・クラウドサービスの種類を、①IT活用クラウド事業「企業のIT活用や合理化を支援」、②事業推進クラウド事業「ビジネス成長に不可欠なサービス提供」、③ソーシャルクラウド事業「社会課題解決型事業の確立」、以上の3つに分類し、カテゴリ毎にユニークなクラウドサービスを創出し、成長を実現する。

 

「新たな事業セグメントに対応したグループ機能の再編」 

・グループの事業セグメントを「プロダクトサービス」「クラウドサービス」「プロフェッショナルサービス」の3つに再編し、環境変化のスピードと多様化するマーケットに適応する事業体制を構築し、ITによる社会課題解決のための事業を推進する。

 

「企業価値向上に向けた経営基盤の強化」 

・多様化する働き方への対応を通じ、生産性の向上、文化創造とコミュニケーション活性化、人財投資とエンゲージメントの向上を図る。

・実効性あるコーポレートガバナンスのもと、効率的な経営により企業活動のパフォーマンスを上げ企業価値を向上させるための体制構築を通じ経営基盤の強化を図る。

 

上記のような中期経営計画の重要戦略に基づき、スピードを増す環境変化に対する課題認識のもと、戦略の実効性を高めるべく2022年度施策へと展開しています。

当社グループとしては、対処すべき経営課題として、①組織モデルの変革、②マネジメントの変革、③人的資本の観点からの社員の変革、等を行うことが必要と認識しており、それらの認識を踏まえ、年度施策を策定しています。

 

年度施策①「事業と組織モデルの変革」 

経営環境の変化に適応し、企業価値を向上させるためには、両利きの経営のコンセプトのもと既存事業の深化と新規事業の拡大によりリソースを最適化し、企業体として新たな価値観と文化の醸成を目指します。当社グループがこれまで培ってきた経営資源である既存事業と、来るべき環境を見据えた成長のための新規事業を、一つの事業体の中で「サービスシフト」のコンセプトに基づき構成した事業セグメントによるグループ経営により、全体最適な組織運営とグループシナジーの創出を推進します。

 

年度施策②「マネジメントの変革」 

「事業と組織モデルの変革」施策と同期をとり、お客様を最上位とする逆ピラミッド型マネジメントを構築し、お客様起点のプロセスへの改革を進めます。また、ITの進化に伴い、お客様層が「情報システム部門」から「事業部門」へと広がり、課題領域もIT活用から社会課題へと広がるなか、課題解決のための提案には総合力と対応スピードが求められます。お客様の求める価値を重視し、グループや部門をまたがるスクラムチームで組織的に取り組みます。

 

年度施策③「人的資本の観点からの社員の変革」 

お客様起点の「マネジメントの変革」のベースとして、当社には自社が何のために存在しているのかという企業理念や企業の存在意義(パーパス)を明確化したCREDO※があります。

※事業報告Web開示「業務の適正を確保するための体制 ①職務執行の基本方針」参照 

当社では、CREDOの下、経営戦略と人事戦略に一貫性を持たせ連動させるための施策を推進します。このことは、リモートワークが進むなかで、社員が企業と同じ方向を向き、やりがいや意欲をもって仕事に取り組むためにも重要な要素です。リスキル(学び直し)、人事ローテーション、部門人材別重点投資等の施策を推進し、社員の能力や経験、意欲などを向上させることで、各社員の業務におけるアウトプットを最大化するべく取り組んでいきます。

 

当社グループでは、上記の戦略と施策に基づき、サステナブルな企業体の実現に向け、全事業活動をサービス提供型へとシフトさせるビジネスモデルの変革に取り組んでまいります。

 

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