文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、永続的発展のため、ひたむきに人を大切にしたものづくりに努め、国際競争を勝ち抜く、強い企業創りを目指しております。
その実現のため、経営理念に“愛され信頼される企業に”を第一に掲げ、コンプライアンスに徹し、真摯で誠実な企業活動を旨として、品質第一主義と弛まざる技術革新で顧客満足を希求するとともに、地域社会との共存共栄を図ってまいります。さらに企業の社会的責任の視点に立って、環境と社会に貢献し、向上心あふれる働きがいのある会社づくりに励み、企業価値を高めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
① 2025年度までに、営業利益40億円、ROE5%の収益を確保します。
② 製造工程における化石燃料由来のCO₂排出量を2030年度までに2013年度比50%削減することを目標として掲げ、達成に向けて取り組んでまいります。
(3) 会社の経営戦略
当社グループは、2030年に目指す姿を「ビジョン2030」として掲げており、既存事業の発展・環境ビジネスの発展・イノベーションにより、森林資源の有効活用を通した循環型社会の構築と、持続可能な未来の実現に取り組みます。またカーボンニュートラル社会の実現に向けて、事業活動におけるCO₂排出量削減の新たな目標に向けた取り組みを進めています。
「ビジョン2030」の実現に向けて、「既存事業の構造転換」「森林資源を活用した環境投資・環境ビジネス推進」を柱とした「中期経営計画2025」の取り組みを進めています。
「既存事業の構造転換」では、グラフィック用紙の需要減少への対応として高岡工場6号抄紙機の停機による印刷情報用紙の生産集約を図ります。また、コロナ禍で高まった家庭紙分野の需要は今後成長が期待できる分野であることから家庭紙分野へ新規参入します。さらに事業領域拡大としてパルプの増産、販売強化に取り組みます。グループ事業においては、他社商権の譲受による販路拡大、文具事業の整理など選択と集中による収益力の強化を目指します。
「森林資源を活用した環境投資・環境ビジネスの推進」においては、新素材CNF実用化の加速や、脱プラスチックへの対応として新素材マプカを製造する中越エコプロダクツ事業の早期事業化を目指します。また、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、新たな木質バイオマス発電設備の設置、既存ボイラーの脱石炭、植林事業の検討を進めます。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは、2021年度「中期経営計画2025」を策定し、その実現に向けた取り組みを進めています。
2年目となる2022年度は、収束の目処がたたない新型コロナウイルス感染症の影響をはじめ、円安の進行や国際紛争による原燃料価格の急騰、資源調達問題の発生など様々なリスクが事業環境に影響をおよぼすことが予測され予断を許さない状況が見込まれます。このような状況下、収益基盤の強化と収益毀損の防止を念頭に、以下の諸施策についてグループを挙げて取り組んでまいります。
① 安全・環境・品質・コンプライアンスの取り組み
すべてのステークホルダーから「愛され信頼される企業」となるべく、「完全無災害」「環境管理値の遵守」「顧客最優先の品質管理」「コンプライアンスの推進と徹底」を基本とする事業活動を展開し、企業価値の維持向上に努めます。
② 収益基盤の強化
・紙製品の販売強化
原燃料価格の高騰に応じた、適正価格への是正を進めるとともに、新規販路の開拓を展開し、売上高、売上数量の獲得による収益確保に努めます。
・原材料調達コストの削減
海外産木材チップと比べ価格的に優位である国内産木材チップの増集荷体制の構築と、製紙工程で使用する薬品など諸資材の安価品へのシフトによるコスト削減を推進します。
・製造コストの削減
製造工程における効率向上、安定操業実現による製造コストの圧縮に努めます。
③ 「中期経営計画2025」の取り組み
・既存事業の構造転換
紙パルプ事業の再構築として進めている、高岡工場6号抄紙機停機の2022年9月末実施を目指すとともに、家庭紙マシンの建設に向けた準備を鋭意進めていきます。
・グループ関係会社事業の収益力強化
他社商権譲受による販売の強化、文具事業の整理など選択と集中による収益力強化の取り組みを推進します。
・環境投資・環境ビジネスの推進
ナノフォレスト事業においては畜産(養鶏)向け資材の販売強化とともに、高機能CNFパイロットプラント建設の検討推進、新規分野への利用拡大に引き続き取り組みます。
また、脱プラスチック社会の実現に向けた取り組みとして中越エコプロダクツ製造工場の早期稼働を目指します。
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